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英マクラーレン、1000PSのサーキット専用モデル「P1 GTRデザイン・コンセプト」公開

1年以内に生産を開始すると予告。同モデルのオーナーを対象にしたトレーニング・プログラムも発表

サーキット専用モデル「P1 GTRデザイン・コンセプト」
2014年8月16日(現地時間)発表

 英マクラーレン・オートモーティブは8月16日(現地時間)、米カリフォルニアで行われたペブルビーチ・コンクール・デレガンスの会場において、サーキット専用モデル「P1 GTRデザイン・コンセプト」を公開した。同モデルは現状ではデザイン・コンセプトにとどまるが、「この究極のサーキット専用モデルの調整と最適化を進めており、最終仕上げ段階にある」として1年以内に生産を開始することを予告している。

「F1 GTR」(写真左)と「P1 GTRデザイン・コンセプト」(写真右)
1995年のGT選手権シリーズでデビューした「F1 GTR」のテストカー

 ロードカー「P1」をベースに、同社のビスポーク部門「マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)」が手掛けたサーキット専用モデル。今回発表されたモデルのカラーリングは、1995年のGT選手権シリーズでデビューした「F1 GTR」のテストカーに近いものに仕上がっており、さらにオリジナルのシャーシナンバーを示す「01」ゼッケンが与えられている。

 P1 GTRでは「シュリンクラップ」と呼ばれる、“可能な限り最小のサイズで機能を包み込む”という思想のもとエアロダイナミクス性能の向上が図られ、フロントのトレッドはP1から80mm拡張されるとともに、サーキット仕様のサスペンションによりフロント下がりのスタイルとした。特に車体底面の気流を重視したとし、リアまわりにカーボンファイバー製の大型ディフューザーを装着している。

 また、ドアに取り付けられるラジエーターへの通気経路が後部まで延長され、より多くの空気がドアの内部を抜けてエンジンに到達することで冷却をサポートする構造を採用するほか、GTレーシングカースタイルのフロント・スプリッターや、固定式となる2層構造の大型リアウイング、19インチのモータースポーツ用軽量アルミホイール(リム幅:フロント10.5インチ、リア13インチ)、ピレリと共同でデザインを行ったカスタム仕様のスリックタイヤなどを装備している。

 パワートレーンはP1と同じくV型8気筒3.8リッターツインターボエンジンに電動モーターを組み合わせているものの、モータースポーツ用にチューニングしたとして最高出力は従来の916PSから1000PSへと引き上げられている。

 なお、P1 GTRの公開とともに、同モデルのオーナーを対象にしたトレーニング・プログラムを実施することが発表された。

 このトレーニング・プログラムは、受講するドライバーが精神面と肉体面からP1 GTRの能力を最大限に発揮できるようになることを目的にしたもので、専門家によるドライバートレーニングや能力育成、マクラーレンのレーシング・シミュレーターを使ったプログラムなどが用意される。

(編集部:小林 隆)