【2013ジュネーブショー】
マクラーレン、F1テクノロジー満載の「P1」市販モデルを初披露
(2013/3/11 12:27)
マクラーレンは、昨年のパリモーターショーで初公開したコンセプトカー「P1」の市販モデルを、ジュネーブでワールドプレミアした。
パリで初公開したコンセプトカーからは、冷却性能の向上とダウンフォースの最適化を図ることを目的とした、フロントバンパー下部のダクトを追加したのみの小変更となっている。僅かな変更のみで市販化に至ったのは、パリモーターショー後にカスタマーなどの意見を聞いた結果と言い、コンセプトカーのスタイリングを崩さない結果にまとまったようだ。
注目すべきポイントは、F1で培ったノウハウを多くの部分で採用していること。シャシーは、F1のモノコックで使われるカーボン成形と同様の手法を用いる。ルーフなどを含めても、その重量はわずか90kg。剛性も圧倒的に高く、最高品質のチタンに比べ5倍の剛性値を保持していると言う。また、F1で使用されるKERSのようなIPAS(インスタント・パワー・アシスト・システム)やDRS(ドラッグ・リダクション・システム)なども使われている。IPASはモーターのアシストにより加速力の向上を、DRSはドラッグの低下によりパフォーマンスアップを図る。
搭載エンジンは、同社の「MP4-12C」でも使われている90度V型8気筒DOHC 3.8リッターガソリンツインターボ「M838T」を改良したもの。これに電気モーターをセットし、エンジンとモーターを合わせた最高出力は916PS、最大トルクは900Nm。最高速は350km/hでリミッターが作動し、0-100km/hの加速時間は3秒以下、0-200km/hは7秒以下、0-300km/hは17秒以下という圧倒的な性能を発揮する。ちなみにモーターだけの「Eモード」というゼロエミッション走行も可能で、その場合は10km程度のEV走行が可能となる。
組み合わせるトランスミッションは、7速のデュアルクラッチミッション。12Cにも使用されているタイプだが、P1のためにマネージメントや冷却性能を向上させている。
なおマクラーレンP1の生産台数は375台と発表されており、価格は英国では86万6000ポンドとなっている。