東京オートサロン2013

日産、NISMOブランド拡充の第1弾「ジューク NISMO」を発売へ

実験レーサー「デルタウィング」などの展示も

ジューク NISMO
2013:2013年1月11日~13日開催

幕張メッセ

日産ブース

 「東京オートサロン 2013 with NAPAC」で日産自動車は、「ジューク NISMO」を発表し、「NISMOブランドの拡充」をアピールした。

 ジューク NISMOは1.6リッターターボエンジンを搭載した「16GT FOUR Type V」をベースに、日産のモータースポーツ部門であるNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)がチューンとカスタマイズを施したコンプリートモデル。

 専用の内外装の装着に加え、最高出力を147kW(200PS)に、最大トルクを250Nm(25.5kgm)に高めたほか、CVTの7速MTモードをクロスレシオ化した。さらに、欧州で走行テストを重ね、足まわりをチューニングした。

 特に空力には同社のレーステクノロジーが惜しみなく投入されており、同社のSUPER GTの空力エンジニアが関与して、Cd値を犠牲にすることなくダウンフォースを4割向上させたと言う。

 価格は285万750円で、ベース車の245万1750円から約40万円高となっている。2月1日に予約受付を開始し、同月19日に発売する。

NISMOのSUPER GT のエンジニアと日産の開発者が協議を重ね、Cd値を犠牲にせずにダウンフォースを増やすエアロパーツを開発した
室内はブラックでコーディネートされているが、タコメーターだけ赤く装飾される
エンジンもチューニングされている
NISMOの宮谷社長

 NISMOは日産のモータースポーツ部門を担う会社として設立され、活動してきたが、2011年の東京モーターショーにおいて、日産のサブブランドまで事業の範囲を広げると発表されていた。

 初日に日産ブースで開催されたプレスカンファレンスに登場したNISMOの宮谷正一社長は、ジューク NISMOの狙いを「NISMOは、これからは日産のパフォーマンス・ブランドとして貢献していく。モータースポーツのファンだけでなく、もっと幅広いお客様にNISMOブランドの魅力を届けていきたいと考えている。その第1弾がこのジューク NISMO」と述べ、「ジューク NISMOを皮切りに、もっと幅広いお客様に、日本だけでなくグローバルでワクワクする感覚を提供していけるブランドになりたい。今後、日産のラインアップにNISMOのバージョンを設定していく。また、競技用パーツだけでなく、普通の道で使えるストリートパーツもどんどん提供していく」とした。

 また同社の田村宏志チーフプロダクトスペシャリストは「ジュークを選んだのが、我々の第1弾としてのメッセージ。こんな形のクルマなのに、ちゃんとエアロのことを考えている、というようなことが大事。しかしそれだけではいけない。カッコよくなければいけない。美しくなければいけない。それが多分に入っているのがこのクルマの魅力」とした。

 ジューク NISMOをドライブしたレーサーのミハエル・クルム選手は「運転が楽しかった。コーナーリングのパフォーマンスとパワーのバランスが完璧にとられているから。もっとパワーもほしくないし、コーナーリングもほしくないし、ちょうどいい。誰でも楽しく乗れる」「GT-Rと似ている部分もある。意のままに運転できる。楽しいクルマは安全なクルマ。安全じゃないと楽しくない、怖くなるだけ。そういうバランスがよくとれている」とその感想を語った。

田村チーフプロダクトスペシャリスト(左)とクルム選手
鶴見に移転した新社屋は日産の横浜工場内にある
3月1日には新社屋にショールームを開設する
新社屋の外観。夜間はイルミネーションされる
会場では限定500台のジューク NISMOのミニカーが販売された
「リーフ NISMO パフォーマンス・パッケージ」。夏頃発売の予定
ル・マン24時間レースで話題を呼んだ実験レーサー「デルタウィング」はSUPER GT出場車のGT-Rと並んで展示。宮谷社長はデルタウィングと合わせて、「ル・マン24時間レースのLMP2クラスの上位9位をNISMOが供給したエンジンの搭載車が占めたこと」もアピールした
FIA GT3仕様の「GT-R NISMO GT3」は2013年型。エンジン出力や耐久性、空力性能が向上している
参考出品の日産によるカスタマイズカー「ジューク パーソナライゼーション コンセプト」。16GT Type Vがベース。マットグレーのボディーに専用ストライプなどをあしらう
こちらは「ノート パーソナライゼーション コンセプト」。デジタルカモフラージュが目を引く
オーテックジャパンの定番カスタムモデル「ライダー」がノートにも登場
オーテックジャパンによるNV350キャラバンのカスタムモデル「ライダー」は、カートのトランスポーターとして登場

編集部:田中真一郎