長期レビュー

正田拓也の中古「サンバー」生活

第4回 税額4000円! 軽自動車であることを実感する季節がやってきた

サンバーに乗っていると、このシンプルなテールランプがたまらなくなってくる

 我々、自動車乗りが最も憂鬱な季節といえば5月。ゴールデンウィーク明けの楽しい気分を一気に冷めさせるように自動車税の請求書が届く。しかし、軽自動車はちょっと違う。しかもサンバートラックは貨物なのでさらに安いのだ。

税額はたった4000円!

 軽自動車なので「軽自動車税」となり、登録車の自動車税よりも極端に安いことはよく知られており、それを理由に軽自動車を選んでいる人も多いはずだ。ところが2015年(平成27年)度、つまり2015年5月に請求される軽自動車税から税額が高くなっている場合がある。

 2015年4月1日以降に初めてナンバーを付けた軽自動車から軽自動車税が高くなる。そして、2015年度から初年度登録から13年経過で税額が上がるルールもはじまった。

 つまり、税額が上がるのは2015年4月1日以降に初めてナンバーを付けた車両と、初めてナンバーを付けてから4月1日時点で13年が経過した車両となる。

 うちのサンバーは車検証によれば初度検査は2003年2月。このルールにのっとれば13年経過で6000円の軽自動車税となると思っていた。

 ところがもうひとつ奇妙(?)なルールがある。2003年(平成15年)10月14日以前の車両は初度検査の月が把握できないということになっており、年度区切りでなく年区切りで判定する。つまりうちのサンバーの場合は2003年2月ではなく2003年12月とみなして13年経過の判定を行なう。車検証にはしっかりと2月と記載されているが……。とにかく役所からきた税額の通知は4000円。ここはありがたく4000円を納税させていただいた。

5月に払うお金は4000円ぽっきり! 2.0リッターのクルマの約1/10だ
車検証には2月と記載があるのだが……

 今年は安くても来年の2017年度は6000円になる。ちなみに5ナンバーの軽乗用車の場合はあちこちで報じられたように13年経過車は2014年度まで7200円だったものが2015年度から1万2900円となっている。

 もし、自動車税、軽自動車税を1円でも多く払いたくないというのなら、軽トラックや軽バンの4ナンバーがついた軽貨物車はおすすめだ。たとえば2014年4月から2015年3月までに初めてナンバーが付いた軽トラックなら、2027年度までは軽自動車税は4000円となる。とはいえ、その分、車両価格が割高になってしまったら意味もないが……。

クーラントとオイルを交換

 軽自動車税ももちろん安いのだが、オイル交換やクーラントの交換も、クルマが小さいだけに簡単でかかる費用も安い。

 クーラントは最初に応急処置で水で薄めてしまったので、(今はもう初夏だが)冬場は氷点下に下がることもありクーラントの濃度をなんとかしたかった。残念ながら濃度計は持っていないのでどこまで薄くなったのか確認しようがないことと、交換してすっきりしたかったので、全量交換を行なった。

助手席の下のフタを外すとラジエターが見える。クーラントのドレンコックはこちら側からアクセスできず、前方下側からもぐって緩める。クーラントの投入はキャップを外して行ない、エア抜きのホースもここにある。左側のシールがクーラントのエア抜きの手順となる

 交換は運転席の前側から下に潜ってラジエーターの下部についているドレンコックを緩めると、そこから冷却水が抜けてくる。少し狭いがジャッキアップなしでもなんとか作業は可能。大きめのコンテナボックスでも下に置いておいて受ければよく、ペットボトルか何かに移して適切な処理をする。

エア抜き手順が書かれたシール。自己流ではなく、この手順に忠実に従うことがオススメ

 新しいクーラントは助手席座面を跳ね上げてカバーを外し、ラジエターのキャップを開き、3カ所のエア抜きキャップを開放してラジエターキャップのところから少しずつ投入する。サンバーのエア抜きは難しく、失敗すると即オーバーヒートという情報もあるが、助手席下に貼ってある説明どおりにやると、すぐにエアが抜けてヒーターから熱風が出てきた。リアエンジンで冷却の水路が長いサンバーだけに、自己流ではなく説明書に忠実にやることが何より重要だ。

 おそらく、冷却水のラインのなかでも最もエンジンから遠いのが暖房のヒーターコアなので、暖房にしてしっかりと熱風が出てくればクーラントの充填は成功したと言えるだろう。

オイル交換に必要なもの。このほかにフィルターレンチが必要。オイルは半端な余りがあったので2種類をミックス
下にもぐってドレンボルトを緩めるとオイルが出てくる

 次に、エンジンオイルは下にもぐってエンジンオイルパンについてるドレンを12mmのソケットで回せばすぐに抜ける。ジャッキアップしなくてもなんとかなるが、少しだけリアを持ち上げるとやりやすい。レンガや板などがあれば、それに後輪を乗り上げる程度でも作業性はだいぶよくなる。

 オイルが抜けたらオイルフィルターを交換、5W-30のオイルを2.5~3.5L入れて交換終了。オイルは多めに入れるとトラブルが起きるそうで、ヘッドカバーにも説明が刻み込んである。ここは特に忠実に守ったほうがよさそうだ。最初は少なめに入れ、徐々に足していくというやり方がよいと思われる。

オイルフィルターは荷台側のハッチを開けて右端からレンチを入れて緩めると外れる。後方からも下かもアクセスできそうだが、上からがいちばん緩めやすかった
オイルを入れる際は入れすぎ注意。ご丁寧にヘッドカバーにも書いてあるくらいだからよほど重要なポイントなんだろう

 ちなみにオイルフィルターは安価で有名で、自動車修理工場御用達のモノタロウ印を使ったが、対応表に示されているのがマツダなどと広範囲に対応するものとなる。できれば純正品と言いたいところだが、そこは自分で判断して選んでほしい。特に今回は古いクルマということで、エンジン内部の掃除も兼ねて安いフィルターとベーシックなオイルを短期間に複数回交換しようと思っている。

走り回るためにETCを装着

装着したETC。おそらくここがいちばん付けやすい

 整備や点検のほかに、今や走り回るためにはETCが不可欠。4月から首都高の料金制度が大きく変わり料金が上がったことで短距離走行にはETCは絶対に使いたいものとなっている。また、軽自動車料金が新設され、しかも10円単位の料金なのもETCを使いたくなる理由だ。

 ETCは新品を購入してもよいが、自分のところには過去に取り外した手持ちがあったためそれ活用した。ETCにナンバープレートの情報を読みこませる「セットアップ(有料)」は必要で、今回は確実に軽自動車料金で走行するためにも忘れてはならず、なじみの自動車部品商でセットアップをしてもらった。

 使ったETCはデンソーのDIU-5002で、少し古いものだがほかと違って厚みのあるプラスチックの頑丈なボディが気に入っており、好んで使っている機種。デンソーは音声案内の声が上品なところもよいのだが、アフターパーツ市場では見かけることが少なくなった。

 DIU-5002の取り付けはETCの説明書のとおり。確認しなければならないのはフロントガラスが電波を通すかどうかだが、ネット内の情報を見た限りではサンバーのフロントガラスは電波を遮蔽するものではないようだ。そのためETCのアンテナはダッシュボード上に仮止めし、本体は小物入れの後ろに穴をあけて装着した。

アンテナはダッシュボード上に装着
ラジオははめ込んである枠を外し、あとはビスを緩めるとブラケットごと抜ける
オーディオのコネクターは電源程度なので、市販の後付けオーディオ用コネクターを買うくらいなら切ってギボシ端子にしてしまったほうが便利だ

 電源はカーオーディオの配線から取るが、サンバーはカーオーディオといってもスピーカー内蔵ラジオがあるだけなので、オーディオのコネクターにあるのは常時電源、アクサリー電源、イルミネーション電源、アースの4つだけ。これだけのために分岐コネクターを買うものもったいないので、今回は配線を切断、汎用のギボシ端子に変更して、そこからETCの電源をもらった。ラジオはすでに別の1DINヘッドユニットに交換してしまったが、その際もすぐにギボシ端子で接続できて便利だ。

 装着の完了したETCは順調に動き出した。ETCを取り付けて最初のゲートは緊張するものだが、バーも問題なく開き、その後もトラブルなく動作している。

もう少し快適に

 機関系の簡単な整備が終わったので、次回はカーオーディオなど、少し快適にするための装備を探ってみたい。

正田拓也