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SUPER GT 第4戦 SUGO、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-RがADVANタイヤ無交換作戦でGT500クラス優勝
GT300優勝は31号車 TOYOTA PRIUS apr GT。残り6周で赤旗レース終了
2016年7月24日 19:20
- 2016年7月24日 開催
SUPER GT 第4戦 SUGO GT300kmレースが7月23日~24日の2日間に渡り、スポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)で開催され、24日の午後に決勝レースが行なわれた。
例年非常に暑くなることで知られているスポーツランドSUGOのレースだが、午前中は雨時々曇り、午後も曇りだが、時々霧雨という非常に微妙な天気で、各ドライバー、各チームとも難しいレースを強いられることになった。
レースは路面のコンディションが刻々と変わり、トップに立った車両が次々と交代していく忙しい展開に。レースの1/4を超えたあたりでセーフティカーが出るなど展開も読みづらいものだった。
タイヤ無交換でギャンブルにでた24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが、赤旗を味方につけて優勝
GT500はスタートから波乱の展開だった。スタート前に、このレースの優勝候補の1台と考えられていた12号車 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、BS)がトラブルでグリッドにつくことができず、ピットスタートになってしまった(後にマシントラブルでコースサイドにストップしてリタイア)。また、36号車 au TOM'S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ組、BS)も、このレースを前にモノコックを交換したということで、シーズン中のモノコック交換にはペナルティが発生するというルールに基づいて、レース中に10秒間のペナルティピットストップが課せられることが決定していた。
スタートでトップにでたのは、ポール・ポジションを獲得した6号車 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組、BS)。ポールを獲った勢いで、そのまま2位以下を離していくと見られていたのだが、意外と引き離せず、2位からスタートした17号車 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組、BS)、3位からスタートした38号車 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明組、BS)が逆に追いつき3台の争いになった。
レースはそのまま進行していくのかと思ったが、5周目の1コーナーで、2台に追いかけれてやや焦りが見えた6号車は、前にでてきたGT300の周回遅れと接触してスピン。ほぼ最後尾まで下がることになった。次いでトップに立ったのは17号車 KEIHIN NSX CONCEPT-GT、2位には38号車 ZENT CERUMO RC Fが繰り上がった。
その後この2台でトップ争いが展開されるかと思われたが、12周目の馬の背コーナーで、トップを守っていた小暮卓史選手のドライブする17号車 KEIHIN NSX CONCEPT-GTのインに、石浦宏明選手のドライブする38号車 ZENT CERUMO RC Fが入り、両車は接触。17号車はスピンして大きく順位を落とすことになった。
その後序盤のヒーローとなったのは、ヘイキ・コバライネン選手がドライブする39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)と関口雄飛がドライブする19号車 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資組、YH)。予選8位からスタートした39号車は、徐々に路面が乾いていく状態で順位を上げ、22周目にトップに立っていた38号車 ZENT CERUMO RC Fをオーバーテイクしてトップに立った。
予選14位からスタートした19号車はあれよ、あれよと順位を上げ、気がつくと17周目には6位に。そして、その後も徐々に順位を上げ39号車の後ろの2位にあがり、トップ争いを繰り広げることになった。
ところが、各車がピットストップを終えると、トップに上がっていたのは、それまで1度もトップに立っていなかった24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組、YH)。誰もマークしていなかった24号車がフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがトップに立ったのは、タイヤ無交換というギャンブルに出ていたからだった。これにより、大きく順位をジャンプアップすることができ、全車がピットストップを終えるとトップに立っていたのだ。
逆に大きく順位を落とすことになったのは、序盤活躍した19号車 WedsSport ADVAN RC F。19号車はピットストップに思ったより時間がかかり、順位を落とし、最終的には5位でゴールすることになった。
各社がピットストップを終えた段階で、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F、38号車 ZENT CERUMO RC F、6号車 WAKO’S 4CR RC F、19号車 WedsSport ADVAN RC Fという順位に。ここから、39号車、38号車、6号車という3台のレクサス勢が猛烈な追い上げを開始。
というのも、序盤のちょい濡れで路面温度が低い状態にはADVAN(横浜タイヤ)がドンピシャに見えていたが、後半も晴れてきて太陽がでてきた状況では明らかにブリヂストンのタイヤがマッチする状況に。その結果、タイヤ無交換でタイヤがかなりキツくなってきた24号車に、39号車、38号車が追いついてレースをする状態に。3台は、GT300の周回遅れが出てくる度に、くっついたり離れたりという状況で、息をのむようなマッチレースが展開された。その中で、75周目の1コーナーで38号車 ZENT CERUMO RC Fが、GT300につまった39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fをオーバテイクし、次なる標的であるトップの24号車に迫ることになった。
ところが、その周の最終コーナーでGT300の車両がタイヤバリアに突っ込むというクラッシュが発生。最終コーナーのアウトサイドはクルマがコースアウトし易い危険な場所ということで、赤旗が提示されレースは中断。その後協議団の話し合いにより、レースは74周の順位をもって終了という決定が示された。
これにより優勝は24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。横浜タイヤにとっては、昨年の第4戦富士戦以来の優勝となる。
2位は39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F、3位は38号車 ZENT CERUMO RC Fとなった。4位は6号車 WAKO’S 4CR RC F、5位は19号車 WedsSport ADVAN RC Fと、1位のGT-Rを除けばレクサス勢が上位を占める結果となった。
なお、このレースで新エンジンを投入して好調さを見せていたホンダ勢の最上位はスピンからリカバリーして追い上げた6位の17号車 KEIHIN NSX CONCEPT-GTとなった。
SUPER GT 第4戦 SUGO GT500決勝レース結果(暫定/編集部集計)
順位 | カーナンバー | マシン | ドライバー | タイヤ | ウェイトハンデ | 周回数 | トータル時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/柳田 真孝 | YH | 4 | 74周 | 1:42'08.887 |
2 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F | ヘイキ・コバライネン/平手 晃平 | BS | 38 | 74周 | 1:42'09.245 |
3 | 38 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路/石浦 宏明 | BS | 10 | 74周 | 1:42'09.405 |
4 | 6 | WAKO’S 4CR RC F | 大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ | BS | 28 | 74周 | 1:42'09.935 |
5 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 関口 雄飛/国本 雄資 | YH | 10 | 74周 | 1:42'11.039 |
6 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT | 塚越 広大/小暮 卓史 | BS | - | 74周 | 1:42'15.888 |
7 | 15 | ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT | 武藤 英紀/オリバー・ターベイ | BS | - | 74周 | 1:42'34.996 |
8 | 37 | KeePer TOM'S RC F | ジェームス・ロシター/平川 亮 | BS | 54 | 74周 | 1:42'37.622 |
9 | 1 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | MI | 80 | 74周 | 1:42'38.274 |
10 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | BS | 2 | 74周 | 1:42'39.091 |
11 | 36 | au TOM'S RC F | 伊藤 大輔/ニック・キャシディ | BS | 22 | 74周 | 1:42'53.644 |
12 | 64 | Epson NSX CONCEPT-GT | 中嶋 大祐/ベルトラン・バゲット | DL | 2 | 74周 | 1:43'05.869 |
13 | 46 | S Road CRAFTSPORTS GT-R | 本山 哲/千代 勝正 | MI | 30 | 73周 | 1:42'05.869 |
14 | 8 | ARTA NSX CONCEPT-GT | 松浦 孝亮/野尻 智紀 | BS | 10 | 71周 | 1:42'24.689 |
R | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田 裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | BS | 14 | 35周 | 52'32,363 |
なお、36号車は7位でゴールしたが、レース中に出されたドライブスルーペナルティを消化できずに赤旗レース成立となったため、37秒のタイム加算。
GT300クラス優勝は31号車のプリウス。ポールを獲得した25号車の86は2位
GT300は、スタートではポールからスタートした25号車 VivaC 86 MC(土屋 武士/松井 孝允組、YH)が無難なスタートを切ったものの、2位には予選3位からスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)が上がり、予選2位からスタートした31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組、BS)は3位に後退した。
その後レースはこの3台を中心に展開していくが、ピットストップを終えてみると、トップに立ってたのは予選9位からスタートした88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴組、YH)。というのも、他のチームがタイヤ交換をする中で、88号車 マネパ ランボルギーニ GT3はタイヤ無交換でピット作業を終えたため、ピットストップにかかった時間を短縮することが可能になり、全車がピットストップを終えるとトップに立っていたのだ。2位は25号車 VivaC 86 MC、3位は31号車 TOYOTA PRIUS apr GT。
しかし、レースに後半になってくると、さすがに88号車のタイヤは厳しくなり、徐々に後ろとの差が詰まっていく展開に。その88号車に遅いかかろうとした25号車 VivaC 86 MCだが、逆に3位を走っていた31号車 TOYOTA PRIUS apr GTにオーバーテイクされてしまう。その2周後に、31号車 TOYOTA PRIUS apr GTは、トップを走っていた88号車 マネパ ランボルギーニ GT3を1コーナーでオーバーテイクし、見事にトップに立った。最終的に88号車は徐々に抜かれ6位でゴールした。
GT500の75周目に、18号車 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/山田真之亮組、YH)が最終コーナーでバリアに突っ込むクラッシュが発生し、レースはそのまま赤旗中断。残り5周を残してレース成立となった。
これにより優勝は31号車 TOYOTA PRIUS apr GT、2位は25号車 VivaC 86 MC、3位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTとなり、順位こそ入れ替えたものの、予選トップ3がそのまま表彰台に上がる結果となった。
SUPER GT 第4戦 SUGO GT300決勝レース結果(暫定/編集部集計)
順位 | カーナンバー | マシン | ドライバー | タイヤ | ウェイトハンデ | 周回数 | トータル時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 31 | TOYOTA PRIUS apr GT | 嵯峨 宏紀/中山 雄一 | BS | - | 70 | 1'42'09.505 |
2 | 25 | VivaC 86 MC | 土屋 武士/松井 孝允 | YH | 34 | 70 | 1'42'16.611 |
3 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口 卓人/山内 英輝 | DL | - | 70 | 1'42'17.270 |
4 | 11 | GAINER TANAX AMG GT3 | 平中 克幸/ビヨン・ビルドハイム | DL | 16 | 70 | 1'42'17.576 |
5 | 3 | B-MAX NDDP GT-R | 星野 一樹/ヤン・マーデンボロー | YH | 42 | 70 | 1'42'24.896 |
6 | 88 | マネパ ランボルギーニ GT3 | 織戸 学/平峰 一貴 | YH | 4 | 70 | 1'42'26.147 |
7 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口 信輝/片岡 龍也 | YH | 30 | 70 | 1'42'27.302 |
8 | 18 | UPGARAGE BANDOH 86 | 中山 友貴/山田 真之亮 | YH | 16 | 70 | 1'42'33.574 |
9 | 51 | JMS LMcorsa 488 GT3 | 都筑 晶裕/新田 守男 | YH | 22 | 70 | 1'42'45.582 |
10 | 7 | Studie BMW M6 | ヨルグ・ミューラー/荒 聖治 | YH | 22 | 70 | 1'42'45.917 |
11 | 0 | GAINER TANAX GT-R | アンドレ・クート/富田 竜一郎 | DL | 18 | 70 | 1'42'51.252 |
12 | 360 | RUNUP Group&DOES GT-R | 柴田 優作/清原 章太 | YH | - | 70 | 1'43'05.570 |
13 | 9 | GULF NAC PORSCHE 911 | 阪口 良平/吉田 広樹 | YH | - | 69 | 1'42'03.965 |
14 | 33 | Excellence Porsche | 山野 直也/ティム・ベルグマイスター | YH | - | 69 | 1'42'14.811 |
15 | 63 | DIRECTION 108 HURACAN | エイドリアン・ザウグ/横溝 直輝 | YH | - | 69 | 1'42'16.399 |
16 | 65 | LEON CVSTOS AMG-GT | 黒澤 治樹/蒲生 尚弥 | YH | 40 | 69 | 1'42'20.570 |
17 | 48 | DIJON Racing GT-R | 高森 博士/青木 孝行 | YH | 2 | 69 | 1'42'50.262 |
18 | 30 | TOYOTA PRIUS apr GT | 永井 宏明/佐々木 孝太 | YH | 4 | 69 | 1'42'58.184 |
19 | 26 | TAISAN SARD FJ AUDI R8 | 密山 祥吾/元嶋 佑弥 | YH | - | 68 | 1'42'35.590 |
20 | 22 | アールキューズ SLS AMG GT3 | 和田 久/城内 政樹 | YH | - | 68 | 1'43'14.603 |
21 | 111 | エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT | 植田 正幸/鶴田 和弥 | YH | - | 67 | 1'43'11.783 |
22 | 87 | triple a ランボルギーニ GT3 | 細川 慎弥/佐藤 公哉 | YH | 6 | 67 | 1'43'15.539 |
23 | 2 | シンティアム・アップル・ロータス | 高橋 一穂/加藤 寛規 | YH | - | 63 | 1'43'14.996 |
R | 60 | SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 | 飯田 章/吉本 大樹 | YH | - | 47 | 1'42'42.721 |
R | 50 | ODYSSEY SLS | 安岡 秀徒/久保 凜太郎 | YH | - | 45 | 1'10'47.696 |
R | 21 | Hitotsuyama Audi R8 LMS | リチャード・ライアン/藤井 誠暢 | DL | 16 | 39 | 1'00'40.030 |
R | 55 | ARTA BMW M6 GT3 | 高木 真一/小林 崇志 | BS | 32 | 30 | 49'51.751 |
R | 5 | マッハ車検 MC86 | 山下 潤一郎/影山 正美 | YH | - | 21 | 30'20.669 |