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スバル、新型「インプレッサ」開発者によるトークショー開催
車幅やホイールベースが拡大するも最小回転半径を維持する“スバルマジック”など
2016年7月27日 15:43
- 2016年7月26日 発表
スバル(富士重工業)は7月26日、今秋発売予定の新型「インプレッサ」の国内仕様車を初公開した。同日、スバル本社でプレビューイベントが開催され、「愛でつくるクルマ NEW インプレッサ」と題して開発担当者たちによるトークショーが行なわれた。
トークショーには、商品企画本部 プロダクトゼネラルマネージャー 阿部一博氏、商品企画本部 デザイン部 部長 石井守氏、第一技術本部 外装設計部 主査 小松崎啓之氏、第一技術本部 内装設計部 主査 岡本一樹氏、第一技術本部 車両研究実験総括部 主査 沼田真一氏、第一技術本部 シャシー設計部 主査 井本昌志氏、第一技術本部 車体設計部 中島篤氏がステージに登壇。トークの中で新型インプレッサの開発にかけた想いや特徴について触れられた。
新型インプレッサは、5ドアハッチバックの「インプレッサ SPORT」、4ドアセダンの「インプレッサ G4」の2タイプが用意されるが、今回公開されたプロトタイプモデルのボディサイズは、SPORTが4460×1775×1480mm(全長×全幅×全高)、G4が4625×1775×1455(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2670mmとなっている。
一方、現行インプレッサのボディサイズは、SPORTが4420×1740×1465mm(全長×全幅×全高)、G4の4585×1740×1465mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2645mmとなる。
トークの中で、新型モデルは全幅を35mm拡大してホイールベースを25mm延長していながら、最小回転半径は現行モデルと同じ5.3mを維持することが明かされるとともに、ミラーの形状や取り付け位置を工夫して、ミラーtoミラーの車幅は現行モデルの寸法を維持するなど、取りまわし性能を重要視していることが示された。
シャシー設計を担当する井本氏は「インプレッサは女性ユーザーも非常に多く、取りまわしがわるいと嫌われてしまうので、なんとかそこに対しては期待に応えられないかと、新しいドライブシャフトのジョイントを新規開発して結果的に実現させました」などと話した。
また、全車標準装備となる歩行者保護エアバッグを採用したことに、阿部氏は「安全にクラスとかお金は関係ないので、我々はできることは可能な限り全部お届けしていく。特に小さなクルマほど歩行者保護エアバッグが必要で、スバルとしてはコンパクトカーのインプレッサから歩行者保護エアバッグを投入していく」と話した。
トークショーの中で開発責任者となる阿部氏は「現行インプレッサは非常に好調で、喜んでいただけている。その上をいくため“とことん喜んでいただく”を目標にした。それと、お客様価値、お客様視点、市場目線といった難しい言葉を使うのでなく、もっと分かりやすく、結局はお客様を喜ばせたいんでしょと、“喜ぶ”という言葉をメンバーを共有してそれを目指した」と新型車開発における目標を示し「お客様に喜んでいただくというのを絶対の目標にする。それと、このプロジェクトは辛いものになると分っていたので、終わった時に自分たちが“成長したね”と実感できるようにしようと、この2つを皆でやろうとしました」と話した。
また、新型インプレッサの開発に関わるメンバーが集まった軽井沢の合宿において、メンバー達と議論をするなかで自分たちが4年後に作るクルマのコンセプトを示すものとして、実際に商品マニュアルをエンジニア達が手作りで作り上げたことを紹介した。
阿部氏は「新型インプレッサをどうしたらいいか? 現行インプレッサについていろいろ聞いてみると、100点ではないのは分っていたので、それを100点、120点にしようする考え方を一生懸命工夫した。(新型車開発には)チームがひとつになることが必要で、これ(考え方)をものにしておけば、色々なステージで迷う部分が出てきますが、これを見かえせばぶれない」と話し、さらに「お客様が何を考えているのか?、困っているのか?、何がほしいのか?、現地に行ってお客の声を聞いたり、ディーラーの人と話しをします。これまでもやっていたことでしたが、このクルマはやる量が1.8倍くらいになりました」などと明かした。
そういった調査による市場の声に対して、阿部氏は「お客様からは“使い勝手、安全は抜群だ”ということで、そこはもっと上げようと考えました。デザインについては“改善の余地がある”ということで、そこを真摯に受け止めた」と話し、新型インプレッサにおいては、「安全性能」「デザイン質感」「室内空間」「燃費性能」「実用性」「運動性能」と6つの評価軸の中で、「安全性能」「デザイン質感」「運動性能」に関しては特に注力して開発を進めてきたことが示された。