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あま市、町の活性化に自動走行体験を活用

自動走行体験試乗会に愛知県知事の大村秀章氏、あま市長の村上浩司氏が参加

2016年8月19日 実施

 愛知県のあま市は8月19日、名古屋大学、アイサンテクノロジー、東京海上日動火災保険が参画する産官学連携の自動走行実証実験促進事業(あま市モデル)として、自動走行体験試乗会を開催。同試乗会に、愛知県知事の大村秀章氏、あま市長の村上浩司氏が参加してそれぞれ感想を語った。

 あま市は5月31日に、名古屋大学、アイサンテクノロジー、東京海上日動火災保険と「産官学連携自動走行実証実験促進事業(あま市モデル)」に関する協定を締結。

 これに基づきあま市は、愛知県が実施するあま市での公道実証実験と連動して、あま市七宝焼アートヴィレッジにおいて休日の駐車場などを自動走行のテストコースとして名古屋大学、アイサンテクノロジーに有償で貸し出し。この収入をもとに、あま市のPRとともに自動走行への理解を深めることを目的とした体験試乗会などのイベントを開催していくという。

あま市で開催された自動走行体験試乗会
愛知県知事の大村秀章氏(左)とあま市長の村上浩司氏(右)
自動走行の体験後に、大村氏と村上氏がそれぞれ自動走行についてコメントした
試乗会はあま市七宝焼アートヴィレッジの駐車場を全面封鎖して開催された

 試乗会場となったあま市七宝焼アートヴィレッジの駐車場には、トヨタ自動車の「エスティマ」をベースにした自動走行車が用意され、大村氏と村上氏を乗せた自動走行車は、全面封鎖された駐車場内を自動走行で3周した。

 試乗後、大村氏は「これまでも自動走行のクルマに乗る機会がありましたが、毎年クルマが進化している感じがする。非常にスムーズな乗り心地」と感想を話すとともに、「国のほうでは自動走行を進めていくうえで、どういった規制緩和が必要か検討段階に入ったが、愛知県でも今年度は15の市町で実証実験を行ないます。我々が目指しているのは安全なクルマ、事故が絶対起きないクルマ。それに向けて今年は大きな一歩を踏み出していると思う。自動走行の技術がここまで進んでいることをアピールしていきたい」と話した。

 また、自動走行技術の実用化について、大村氏は「東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年が1つの目標になると思う。世界一の自動車産業の集積地である愛知として、自動走行技術で世界をリードしていく、そういう気概で取り組んでいく。自動走行技術もこれから4年間でレベルアップしていくと思うが、社会的コンセンサスも必要。こうした実証実験を積み重ねていくことで技術だけでなく一般市民の理解も深めて、技術と社会の理解といった両面でリードしていきたい」との考えを示した。

 今回、自動走行を活用してあま市のPRに役立てようという「あま市モデル」は「地方への新しいひとの流れをつくる」といった人口減少対策に効果の見込まれる施策の一環。今後は9月18日~19日に同様の体験試乗会を、あま市在住の小学生(保護者1名同伴・同乗)、65歳以上の人を対象に開催予定。

 あま市長の村上氏は「今回の取り組みは『あま市モデル』として産官学が一体となった事業。未来に向けた実証実験が高齢者や障害者にとっての生きがいになるとともに、こうして企業のみなさんがあま市に来ていただけることで町の活性化、シティープロモーションになることを含めて事業を展開していきたい」と話した。

あま市公認キャラクター「あまえん坊」も登場した
車両上部にライダー(レーザーレーダー)など各種センサー搭載した名古屋大学の車両
自動運転に必要な3次元地図データを作成するための計測器を搭載したアイサンテクノロジーの車両