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アウディ、「ウルトラテクノロジー」を「クワトロ」に搭載した新型「A4 オールロード クワトロ」発表会

ウルトラテクノロジー解説動画を掲載

2016年9月6日 発売

658万円

 アウディ ジャパンは9月6日、オールラウンドなドライビング性能を備えたアウディ「A4 アバント」ベースのプレミアムクロスオーバー「A4 オールロード クワトロ」をフルモデルチェンジして発売した。

「ウルトラテクノロジー」を搭載した「クワトロ」システム

 アウディ「A4」は、日本では2016年2月にセダンのモデルチェンジが行なわれ、4月末にアバントが追加されている。そして今回3つ目のモデルとしてオールロード クワトロが発表された。このオールロード クワトロは、アバントをベースに、アウディのフルタイム4WDシステムである「クワトロ」を組み合わせたクロスオーバーモデルとなっている。

モデルチェンジされた2代目アウディA4 オールロード クワトロ。

主要諸元は、サイズが4750×1840×1490mm(全長×全幅×全高)、エンジンは直列4気筒DOHC 2.0リッターインタークーラー付きターボ。最高出力は252PS/5000-6000rpm、最大トルクは370Nm/1600-4500rpm。JC08モード燃費は14.6km/L。駆動はクワトロ(フルタイム4WD)、トランスミッションは7速Sトロニックトランスミッション、タイヤサイズは前後とも225/55 R17。ハンドル位置は右のみ。価格は658万円。

アウディジャパンのマーケティング本部部長の石田英明氏から新型アウディA4 オールロード クワトロの解説があった。解説の前にはオールロードモデルの歴史なども語られた

 A4 オールロード クワトロは2010年に初代モデルが日本で発売されて以来、ミッドサイズクラスで唯一のオールラウンダーな性格を持ったプレミアムクロスオーバーとして市場にて独自のポジションを築いてきたクルマ。そのあとを引き継ぐ2代目のモデルはクルマのコンセプトを引き継ぎつつデザインとメカニズムを根本から刷新している。

 さらに、走行アシスタントシステムや「Audiconnect」などの新しいテクノロジーを導入することで、従来からあった走行性能、安全性、快適性、ユーティリティなどに加えて、燃費効率やインフォテイメント、コネクティビティなどの分野でも充実した性能を持つ現代のオールラウンダーとして仕上げられた。

A4 オールロード クワトロは2010年に限定車として日本で発売されて人気になった。A6のオールロード クワトロも爆発的人気とはいかないが、常にニーズのあるグレードとして認識。そういったことから2代目オールロード クワトロの販売が決定した

 外装のデザイン面で目立つのが車高の設定。サスペンションの変更だけでなく、ホイールのサイズアップを行なうことで、ベースになったA4アバントより最低地上高を30mm高めている。さらにフェンダーに追加された専用のホイールアーチトリムがクロスオーバーとしてのルックスを作り出している。それに加えてクワトロモデル専用デザインの垂直ルーバーを採用したシングルフレームグリル、サテライトシルバーで仕上げたアンダーボディプロテクションとリアディフューザーが高級感をプラスしつつオールロード特有のデザインとして採用している。

クワトロモデルは縦のラインのシングルフレームグリルとなる
A4アバントに対して30mmアップされた車高。タイヤサイズは前後とも225/55 R17
ラゲッジルームの容量は従来より拡大されて505~1510Lとなった
走行条件に応じて4WDとFWDを切り替える新しいクワトロシステムを搭載するプレミアムクロスオーバー アウディA4 オールロード クワトロ

 機能面での注目ポイントは新開発の「ウルトラテクノロジー」を初めて導入したクワトロシステムで、従来のクワトロシステムは高いトラクションが必要ない場合でも後輪の駆動はあったのだが、ウルトラテクノロジーでは4WDで走る必要がないシーンでは100%前輪駆動での走行を可能にする。

 この判断は各部に付けたセンサーによって行なわれ、例えばドライの舗装路、街中走行なの4WDでの走行がいらないシーンではセンターデフの多板クラッチとリアデフに内蔵したデカップリングクラッチをリリースすることで前輪のみの駆動に切り替える仕組み。

 では、4WDに戻るときはどうなるのかというと、これこそウルトラテクノロジーの本領発揮の部分。ウルトラテクノロジーでは、走行中には車体各部にある多くのセンサーから送られる情報をECUが分析判断し走行状況を「先読みする」ことが可能となっている。それだけに4WDの走行性能が必要になる寸前で、センターデフ、リアデフ内のクラッチを接続させるのだ。切り替えのレスポンスも早いので従来のクワトロシステムと比較して安定性、運動性、走破性などで劣る部分は一切ないという。

 ウルトラテクノロジーを用いた新しいクワトロドライブシステムはドライバーの意志でモードの選択も可能。選択できるモードは標準的な制御が行なわれる「autoモード」、4WDへの切り替えがより早期に行なわれ、加えてリアタイヤへのトルク割合も多めになる「dynamicモード」、そしてオールロード クワトロで新たに採用された「offloadモード」を選択すると常時4WDでの走行になる。

 駆動抵抗が4WDより少ない2WD(FF)走行が可能で、エンジンの改良などを含めた全体で燃費効率約9%の改善に貢献している。

オフロード走行のためのドライブセレクトモードも持つ。ダウンヒルでの安全性向上のためのヒルディセントコントロールもある
新開発の「ウルトラテクノロジー」を初めて導入したクワトロシステム。走行条件に応じてFWDにもなる
これはセンターデフ部分。右がリアへ行くプロペラシャフトへ駆動を伝えないFWD状態。左はセンターデフの多板クラッチをつないで4WDとした状態
こちらはリアデフ。右がFWDで左が4WD。FWDから4WDへの復帰は複数のセンサーからの情報をECUが処理して路面状況や走行状態を先読みして制御するとのこと

 エンジンは従来型の「2.0TFSIエンジン」と比べてパワーで28PS、トルクで20Nm向上している。さらにデュアルインジェクション、2系統の冷却回路、シリンダーヘッドと一体化した排気マニフォールドなどを採用することで燃費効率の改善と暖気運転の短縮化を図っている。このエンジンと新しいクワトロドライブシステム、それに7速Sトロニックミッションとの組み合わせでJC08モード燃費14.6km/Lの燃費を達成している。また、ボディも熱間成型スチールやアルミを多用することで従来型より90kg軽量になっているので、この面でも走行性能向上と燃費の改善につながっている。

エンジンは直列4気筒DOHC 2.0リッターインタークーラー付きターボ。最高出力は252PS/5000-6000rpm、最大トルクは370Nm/1600-4500rpm。JC08モード燃費は14.6km/Lというスペック

 安全性のためのアシスタントシステムやAudiconnectはベースになったA4アバントと同様のシステムが搭載されているが、A4 オールロード クワトロには最新世代のMMIと連動する12.3インチの高輝度液晶モニターを用いたフルデジタルの多機能ディスプレイ「Audiバーチャルコックピット」をオプション設定している。

アウディの特徴でもある最新世代のMMIと連動する12.3インチの高輝度液晶モニターを用いたフルデジタルの多機能ディスプレイ「Audiバーチャルコックピット」をオプション設定
オーディオシステムについてもA4シリーズは定評のあるクルマだ

 安全走行のためのアシストシステムは充実しているクルマで、トラフィックジャムアシストは自動運転レベル2のもの。以前からこの機能は搭載していたがアウディでは自動運転という言葉を使っていなかった。安全機能を含めたそのほかの機能は、スライド画面の画像にて紹介する。