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ルネサス、米アナログ半導体メーカーのインターシルを約3219億円で買収

約170億円規模のシナジー効果を見込む

2016年9月13日 発表

 ルネサス エレクトロニクスと米インターシル(Intersil Corporation)は9月13日、ルネサスがインターシルの株式を1株当たり22.50米ドル、買収金額約32億米ドル(1米ドル100円換算で約3219億円)で現金買収する最終契約を締結したと発表した。

 買収は両社の取締役会にて全会一致で可決された。買収完了はインターシルの株主総会における合併の承認と関係当事国において必要となる承認の取得後、2017年上期中を予定。

 マイコン、SoC、パワー半導体を揃えるルネサスとアナログICを揃えるインターシルが一緒になることで、顧客面と地域面での両社の補完的な販売網の組み合わせにより、短期的および中長期的な売り上げ機会の増加に加え、事業基盤の拡大によるコスト削減により1億7000万米ドル(1米ドル100円換算で約170億円)規模のシナジー効果を見込む。

 ルネサスの代表取締役社長兼CEOの呉文精氏は「ルネサスは、自動車、産業、インフラ、また急速に市場拡大を続けるIoT市場において、事業規模を世界的に伸ばし、マーケットリーダーとしての地位を維持できるよう、各市場でのリソースの投入を加速させます。インターシルのアナログおよびパワーデバイスの幅広いポートフォリオと、自動車、産業、汎用分野での強みは、当社が狙うこれら市場における事業展開を補完するものとなります。私たちは、この魅力的で補完的な組み合わせが非常に大きなシナジーを生み出すと共に、クロス・セルの機会増加やシステムソリューション提案力の増強につながると考えています。本買収により、ルネサスはお客様への独自性豊かな製品提供が可能となり、また世界の半導体市場におけるマーケットリーダーとしての地位をさらに強化できると考えています」とコメント。

 一方、インターシルのPresident, CEO and DirectorのNecip Sayiner氏は「インターシルは、重要かつニッチな技術に注力し、コア技術として発展させることで、魅力的なソリューションを生み出しており、数十年にわたり業界における重要な役割を担ってきました。当社は、過去3年にわたり構造改革に取り組んできており、同時に、お客様のシステム上の課題を解決できる製品分野に対し、コア技術を磨き、経営資源を集中投下させてきました。こうした事業運営を通じ当社の事業の質が高まったことで、私たちは新たなエキサイティングなフェーズに進むことが可能となりました。インターシルとルネサスの製品ポートフォリオが組み合わさることで、事業基盤を拡大し、また、成長を加速させるプラットフォームを提供できるようになるという、大いなる可能性を感じています」とコメントしている。

米インターシルの買収についてのプレゼンテーション資料
ルネサス エレクトロニクスの成長戦略を示したプレゼンテーション資料