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【WEC 第7戦 富士】決勝スタート。2時間経過時点で8号車アウディがトップ

6号車トヨタがわずかな差で追いかける

2016年10月16日 開催

 6月に行なわれるル・マン24時間レースを頂点として、スポーツプロトタイプカーとGTカーで争われるFIA世界耐久選手権(WEC)の第7戦となる富士6時間耐久レースが、10月14日~16日の3日間にわたって静岡県小山町の富士スピードウェイで開催されている。10月16日の11時から決勝レースがスタートし、6時間に及ぶレースの火ぶたが切って落とされた。

8号車 アウディ R18(ルーカス・ディグラッシ/ロイク・デュバル/オリバー・ジャービス組)

 レースは2時間経過時点で、ポールポジションからスタートした8号車 アウディ R18(ルーカス・ディグラッシ/ロイク・デュバル/オリバー・ジャービス組)が順調にトップを維持したままレースをリードしており、そこに6号車トヨタ TS050-Hybrid(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)がわずかな差で追いかけるという展開になっている。

ルマン式スタート風にマシンが並べられた
決勝前のコースのようす

スタートから激しい順位争い、7号車アウディがエネルギー回生システムのトラブルでトップ争いから脱落

 レースはスタート後の1コーナーから激しい争いで始まった。ポールポジションからスタートしたオリバー・ジャービスのドライブする8号車 アウディ R18(ルーカス・ディグラッシ/ロイク・デュバル/オリバー・ジャービス組)は予想通りスタートでうまくリードしたものの、2番手からスタートしたマーク・ウェバーのドライブする1号車 ポルシェ919 Hybrid(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンダン・ハートレー組)と、4番手からスタートした小林可夢偉のドライブする6号車トヨタ TS050-Hybrid(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)が2コーナーで激しい争いを展開。

 2コーナーであわや接触というギリギリで、コーナーのイン側に押しやられて避けようがなかった小林可夢偉の6号車はやや失速し、ブノア・トレルイエの7号車アウディR18(マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノア・トレルイエ組)にも抜かれ4位に後退した。

 中嶋一貴がドライブする5号車 トヨタ TS050-Hybrid(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組)はスタートでやや出遅れ6位に交代したが、一周目を終わるまでに前を走っていたポイントリーダーの2号車ポルシェ919 Hybrid(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組)を抜き返して、5位まで盛り返した。1周目を終えると、1位は8号車、2位は1号車、3位は7号車アウディ、4位は小林可夢偉のドライブする6号車トヨタ 5位が5号車、6位がシリーズリーダーの2号車という展開でレースが進行していった。

 その後、すぐに小林可夢偉がドライブする6号車が、トレルイエのドライブするアウディ7号車をオーバーテイクし、トップの8号車アウディと、1号車ポルシェを追いかけるという展開になった。10周してレースが落ち着くと、トップ8号車 アウディ、2位1号車 ポルシェ、3位 トヨタが5秒の中で争うという予選同様の激しい接近戦が繰り広げられている。

 レースが大きく動いたのは15周目、アウディ7号車が、コーナーを曲がりきれずコーナーに飛び出すと、その後突然車がスローダウン。その周の終わりに7号車は、ブレーキのトラブルが発生した模様で緊急ピットイン、順位は大きく後退することになった。どうやらブレーキによるエネルギーの回生ができなくなっていたようで、ピットに入って修復する。ガレージには入れず、ピットレーン上でドライバーが降りて作業するという珍しいシーンを見ることになった(その後ガレージに入れて修復)。これで、中嶋一貴がドライブするトヨタ 5号車が4位に、デュマがドライブするポルシェ2号車が5位にあがり、7号車は周回遅れになり、レースから脱落した。

トップを走る8号車アウディと2位を走る6号車トヨタが数秒の差でトップ争いを行なっている

6号車トヨタ TS050-Hybrid(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)

 20周目、小林可夢偉がドライブするトヨタ 6号車がマーク・ウェバーのドライブするポルシェ 1号車をダンロップコーナーでオーバーテイク。これで小林の6号車が2位にあがった。地元の英雄と言ってよい小林可夢偉の大活躍に観客は大きく盛り上がっていた。その後小林可夢偉の6号車と、トップを走るジャービスの1号車はほぼ同じタイムで周回を続け、追い上げを目指すが、じりじりと8号車に離されるという展開。

 最初にピットに入ったのは8号車アウディ。アウディはドライバーはジャービスのままだが、給油とタイヤ交換を行なう。その後に入ったのはその1周後に5号車トヨタで、中嶋からデビッドソンに交代。さらにその1周後に6号車トヨタが入り、小林からコンウェイへ交代(いずれもタイヤ交換も行なう)。その、6号車トヨタがピットアウトすると、ストレートを走ってきた8号車アウディの前にでることに成功した。しかし、その後の2コーナーで8号車アウディがタイヤが暖まっていない6号車を再度追い越してトップのままレースに戻った。その後、ジャービスのドライブする8号車アウディと、コンウェイのドライブする6号車が激しいトップ争いを繰り広げることになった。ポルシェ勢がピットに入ったのは、36周目。いずれもドライバー交代とタイヤ交換が行なわれた。

1号車 ポルシェ919 Hybrid(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンダン・ハートレー組)

 一回目のピットストップが終わると、1位は8号車アウディ、2位は6号車トヨタで差は1~3秒程度、3位が1号車ポルシェで約10~15秒差、4位が5号車トヨタ、5位が2号車ポルシェという展開になり、その後レースはしばらくこの順位で展開されることになった(7号車アウディは依然としてピットで作業中)。

 2回目のピットストップは70周前後に行なわれた。ここでも一番最初に入ったのは8号車アウディ。その3周後に6号車トヨタがピットに入ると、再びピットの出口で両車はかなり近づくが、8号車アウディが再びトップを奪った。ピット作業が終わると、1位はディグラッシにドライバーが交代した8号車アウディ、2位はコンウェイのドライブする6号車トヨタでトップと約7秒差、3位はハートレイに変わった1号車ポルシェでトップと約22秒差、4位は5号車トヨタ、5位は2号車トヨタになっている(7号車アウディは55周遅れながら、走行を再開している)。

LMP2、GTE PRO、GTE AMは予選上位の車両がリードしている

 LMP2は予選順位通りの順位でスタートし、ウィル・スティーブンスがドライブする26号車 オレカ 05-ニッサン(ロマン・ルシノフ/アレックス・ブランドル/ウィル・スティーブンス組)がリードしている。2位は2位はポイントリーダーのシグナテック・アルピーヌの36号車 アルピーヌA460ーニッサン(グスタボ・メネゼス/ニコラ・ラピエール/ステファン・リッチミー組)、3位は30号車 リジェJS P2・ニッサン(アントニオ・ジオバナッジ/ギド・バン・デル・ガルデ/シェーン・ゲベル組)と予選順位順にスタートしていった。LMP2は非常に激しい展開で、2位の36号車、3位の30号車、4位の43号車 リジェ JS P2・ニッサン(リカルド・ゴンザレス/フィリッピ・アルバカーキ-/ブルーノ・セナ)組などが激しい2位争いを展開している。

 LM-GTE PROは予選順位の通りのフォードGTの2台がスタートから飛び出し、3位のフェラーリ勢を引き離している。2位からスタートした67号車 フォードGT(アンディ・プリオール/ハリー・チックネル組)がトップになり、ポールから66号車 フォードGT(ステファン・ミッケ/オリビエ・プラ組)が2位となって周回を重ねている。LME-AMはポールからスタートした98号車 アストンマーチンV8ヴァンテージ(ポール・ダララ・ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ組)がトップを守っている。