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【SUPER GT最終戦もてぎ】2016年シーズンチャンピオン記者会見レポート

2016年11月13日 決勝開催

GT500(左)とGT300(右)それぞれのシリーズチャンピオン獲得選手

 11月13日、ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)でSUPER GT最終戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT GRAND FINAL」が開催され、2016年シーズンのチャンピオンが決定した。

 GT500クラスは、ポールポジションからスタートした39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)が優勝し、シリーズタイトルも合わせて獲得。

 GT300クラスは、予選6位からスタートした25号車 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組、YH)が優勝して、こちらもシリーズタイトルを獲得した。

 決勝後、GT500クラスのチャンピオン、ヘイキ・コバライネン選手と平手晃平選手、GT300クラスでは土屋武士選手と松井孝允選手に加えて土屋春雄監督も参加する記者会見が行なわれた。以下は、その主なやり取りだ。

──今の気持ちをお聞きしたい

ヘイキ・コバライネン選手

コバライネン選手:今の気分は最高です。チーム皆のことを思うと誇らしいですし、素晴らしいシーズンだった。各レースでポイントもスコアできたし、去年よりもチームが上達してそれを示す今週末だった。みんなが力を合わせたからこその結果で、全てがよかった。TRDは素晴らしいクルマを用意してくれたと思っている。このサーキットでもパフォーマンスを発揮できる素晴らしいクルマ、最高です。


平手晃平選手

平手選手:セルモからサードに移籍して2年。新体制で臨んでそれぞれ力を持っているが、その力を束ねることができなくて苦しい2015年シーズンを過ごした。チームをはじめ、TRD、ブリヂストンさんが素晴らしいクルマとタイヤを用意してくれた。

 今年、僕はセカンドに徹してヘイキのサポートに徹することで、チーム全体のパフォーマンスがものすごく上がった。オフシーズンからクルマの状態もよく、ポイントも毎戦スコアすることができたので、チームが大きなステップを踏んでレベルアップして、力強くなったと感じていた。どこのサーキットに行っても自信を持てる、そういう状況をエンジニアが作ってくれたことに感謝していますし、そういった方たちに今日の結果を出して恩返しできてハッピーです。


土屋武士選手

土屋選手:正直何をしゃべっていいのか分かりません。昨年、松井孝允がデビューしたときにこうなることを信じてこの2年間走らせてきた。スポンサーとか関係なく全員が仲間になり、SUPER GT選手権のチャンピオンをとるというのが、本当のストーリーの結末だったということで、非常に自分自身、感慨深い。

 チームは若い職人をつくるというテーマに“めんどくさい頑固おやじのいる環境”を復活させてやってきたが、ドライバーもメカニックも土屋春雄が生きているうちにチャンピオンを獲得できたのが一番の喜び。僕はドライバーもやっていましたが“これでチャンピオンやめれたら最高だね”と想像してたことが実現すると、何をどう表現していいか分からない。あとはご想像にお任せします。

松井孝允選手

松井選手:まさかチャンピオンをとれると思ってなかった。このサーキットは正直厳しい部分があったが、できるだけのことをやろうと思った。シーズンをとおしてエンジニア力でクルマを作ってくれての結果で、それは速く走ることに集中する環境を用意してくれた結果。もっともっと強くならなければいけない部分もあるが、チャンピオンになれたことがうれしい。


土屋春雄監督

土屋監督:何をしゃべっていいか分からない。去年はクルマが壊れないようにやってきたが、今年は中間ぐらいでテストをやって、クルマが見違えるようになった。武士のクルマづくりのバランス、それと松井の成長があってこの場にいられるんだと思う。うちは好きなことしかやってこなかった会社で、それに賛同してくれたスポンサー、サポートの皆さん、最大のスポンサーはファンの人たちで、本当に感謝しています。

──シリーズチャンピオンを取れた最大の理由は?

コバライネン選手:私たちのクルマはウエイトを積んでもパフォーマンスがよかった。そしてブリヂストンが素晴らしいタイヤを用意してくれたこと。新しいコンパウンドを紹介してくれて、菅生戦では素晴らしいタイヤが用意された。そこから1つひとつのパフォーマンスがどんどんよくなっていった。タイヤとブレーキのところが一番のポイント。

平手選手:シーズン初めにテストを行なったが、ランキング上位のチームが選んだタイヤで開幕戦を迎えなければならなかった。富士戦以降、僕たちのクルマは硬めのタイヤでパフォーマンスを出すことができた。硬めなので長めに走れるのと、硬いからといって一発のタイムが出ないわけではないので、富士戦以降いいパフォーマンスが出せた。このクルマを作ってくれたチームやブリヂストンさんのおかげで、ウェイトでクルマが重たくなっていく中でもGT-Rに勝てたんじゃないかな。

土屋選手:(ポイントは)孝允の成長。毎戦の成長と、昨日から今日の成長。この成長は僕の想像以上で、速さで言えば圧倒的で突き抜けている。ただ、もっと強くなって上(GT500)にいった方が、レギュラー全員をやっつけられるぐらい強くなって、スカラシップのシステムもあるのでそんなの関係ないぐらい強くならないといけない。

松井選手:開幕前のテストでクラッシュしてしまいましたが、そこからの流れがよくて、そのなかで見つかったクルマのセットアップは土屋さんが見つけてくれたもので、それが僕の中で大きかった。

土屋監督:とにかくクルマのバランスが誰が乗ってもすごくよくて、クルマのバランスが決まっていた。クルマ的には実際にやっていることは大したことのないもの。ほんのちょっと削ったりするぐらいで、でも、そこを見つけるのがポイント。

──今日のレースのポイントは?

コバライネン選手:昨日のレースでリアタイヤが辛くなってくるというのがあったので、タイヤをいたわりながら走った。(決勝2位の)6号車とは接戦になったがチャンピオンをとれるのは分かっていたので特に気にせず、ただ、3位との順位は気にして走った。6号車も速かったですが最後はいけるかなと思って頑張った。

平手選手:展開的には昨日と同じように19~20ラップでピットというカタチになったが、予選でタイムを出すためにソフトタイヤを選んでいたので同じようになった。昨日と一番違うところは、自分でポールをとったので、絶対に1位は譲りたくないという強い気持ちで走ったこと。

松井選手:(レース中)自分の順位が分かったとき、そのポジションでもチャンピンオンが取れるのは分かったが、目の前で追いついて行けたので、優勝してチャンピオンをとりたいと思った。そこでタイヤを使ってしまって、後半追いつかれてしまったが、チャンピオンより勝ちにいきたいと思った。