フィンランドラリー選手権 開幕戦で勝田貴元選手、新井大輝選手が完走

総合10位でフィニッシュした新井大輝/グレン・マクニール組

　トヨタ自動車は、若手ドライバーの支援プログラム「TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム」でフィンランドラリー選手権に参戦している勝田貴元選手、新井大輝選手、足立さやか選手の3人が、今シーズンの開幕戦でそれぞれが完走を果たし、ヤルッコ・ニカラ選手とのコンビでコ・ドライバーとして出場している足立さやか選手は総合4位でラリーを終えたことを発表した。

　勝田選手と新井選手は、2016年に引き続いてフォード「フィエスタ R5」でラリーに参戦。シーズン初戦の「Arctic Lapland Rally」は、フィンランド北部のロヴァニエミを拠点にしつつ、走行路の大部分が北極圏内位置する設定。過去には-35℃という気候条件で開催されたこともあるというが、2017年は-1～3℃程度の条件で安定しており、「両選手にとって特徴的なラップランドの路面での走行を学ぶ最高のコンディションとなった」としている。

　マルコ・サルミネン選手とコンビを組む勝田選手は、SS1で好タイムをマークして順調にスタートを切ったものの、SS2の雪壁でスタック。観客の力を借りてコースに復帰してSS2を走りきることはできたが、このトラブルで18分のタイムロスが発生。SS3、SS4でもマシンのエンジントラブルが起きたことから、総合20位で開幕戦を終えている。

　また、グレン・マクニール選手とコンビを組む新井選手は、安定した走りで最後まで上位争いに加わったが、最終となるSS10の雪壁でスタック。5分のタイムロスによって結果的に総合10位となっている。

勝田貴元/マルコ・サルミネン組はスタックやマシントラブルの影響で20位完走

　スバル（富士重工業）「インプレッサ WRX」で今シーズンから参戦開始となるヤルッコ・ニカラ/足立さやか組は、初めて組んだペアでのラリーながら各SSで上位をキープ。しかし、最終ステージ目前でフロントデフにトラブルが発生し、惜しくも表彰台圏外の4位で開幕戦を終えている。

　この結果を受け、チーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤ氏は「今回のラリーにおいて、勝田、新井の実際のパフォーマンスは結果表に載った数字以上の内容だったと言えます。強豪のライバルたちに対し、ラップランドの独特で複雑な状況に慣れていない2人が、トップ5に入るステージタイムを出すなど、素晴らしいパフォーマンスでした。初日のタイムロスの結果、勝田の2日目の走行順は41番目となり、ロードコンディションの悪い中で走ることを余儀なくされ、また、前を走っているクルマにも追い付いてしまうこともありましたが、それもよい経験に変えることができたと思っています。新井は最終ステージまでは総合5番手につけており、終始非常によい走りをし、ヤルッコ・足立組もまた素晴らしい走りをしました。各クルーそしてチーム全体の成長は、今後へのさらなる希望をもたらしました」とコメントしている。

　今後、勝田選手と新井選手は2月9日～12日に開催されるFIA 世界ラリー選手権 第2戦「ラリー スウェーデン」のWRC2クラス、足立選手は2月17日～18日に行われるフィンランドラリー選手権 第2戦に参戦する。

総合4位でラリーを終え、ベストレディー賞も手にした足立さやか選手