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2017年WTCCで開幕戦・メインレースでホンダが1-2フィニッシュ

道上龍選手もメインレース10位完走で1ポイント獲得

2017年4月8日~9日(現地時間)開催

WTCC開幕戦・メインレースでホンダが1-2フィニッシュ

 WTCC(世界ツーリングカー選手権)の2017年シーズン開幕戦が4月8日~9日(現地時間)にモロッコの「Circuit International Automobile Moulay El Hassan」で開催され、4月9日に行なわれたメインレースで本田技研工業のワークスチーム「Castrol Honda World Touring Car Team」のティアゴ・モンテイロ選手が優勝、ノルベルト・ミケリス選手が2位となり、1-2フィニッシュを飾った。なお、もう1つのワークスチームである「Honda Racing Team J.A.S.」からレース参戦している日本人選手の道上龍選手は10位入賞を果たし、1ポイントを獲得している。

WTCC開幕戦・メインレースのポディウム
表彰台で笑顔を見せるティアゴ・モンテイロ選手

 同日にまず行なわれ、予選順位の10番手までが「リバースグリッド」方式で実施されるオープニングレースでは、前日の予選でトップタイムを計測したモンテイロ選手が10番手スタート、3番手タイムとなっていたミケリス選手が8番手からオープニングレースをスタートし、ミケリス選手が5位、モンテイロ選手が6位でフィニッシュ。また、13番手スタートの道上選手は後続車両とのクラッシュでリタイアした。

 続くメインレースは予選どおりのグリッド順となり、ミケリス選手はスタート直後に順位を1つ上げて2位となり、ポールポジションからスタートしたモンテイロ選手と1-2体制を構築。2台はそのままの順位でレースを走りきり、予選、メインレースと上位をホンダ勢がキープしてチーム体制の仕上がりのよさをアピールする結果となっている。また、道上選手もマシンを修復して13番グリッドからスタートし、10番手まで順位を上げてポイントを得ている。

 この結果、開幕戦終了時のポイントランキングでは、ドライバーズランキングで総合43ポイントのモンテイロ選手がトップ、続いて36ポイントのミケリス選手が2位に続き、道上選手は11位。マニュファクチャラーズランキングではホンダとボルボが同じ総合96ポイントで同率1位となっている。

今シーズンのWTCCレギュラー参戦でレーシングドライバー本格復帰となった道上龍選手も10位完走で1ポイントを獲得

以下、レース後の選手・チーム関係者のコメント。

ティアゴ・モンテイロ選手

「シーズン最初のメインレースに勝利し、ドライバーズとマニュファクチャラーズのチャンピオンシップをリードできたことは、自分自身とチームにとって、とてもすばらしい気分です。ストリートサーキットでは、追い抜きが非常に厳しいので、予選でポールポジションをとることがとても大切でした。私はいいスタートをして、非常に暑い日にブレーキやタイヤに注意を払いながら、自分のペースをコントロールし、トップでチェッカーフラッグ受けることができました。とてもすばらしい勝利です」。

ノルベルト・ミケリス選手

「チームにとってすばらしい結果であり、モンテイロ選手の勝利を祝福したいと思います。今日の結果はスタートがすべてでした。ここでは追い抜くことが非常に難しいので、私は自分のポジションを守りきれることを確信していました。今シーズンに向けて強力なスタートを切れたことをとてもうれしく思います」。

道上龍選手

「予選では自分のミスで残念な結果となりましたが、マシンの感触はとてもよく、コースの特性も自分に合っている感じがしたので、気持ちを切り替えてレースに臨みました。オープニングレースではスタートがとてもうまく決まり、1周目でモンテイロ選手のすぐ後ろに着くことができたのですが、後ろから追突されて、なにもすることができずにスピンしてしまいました。左リヤのアームにダメージを負ってしまい、なんとかピットに戻ることができましたが、レースはリタイアせざるを得ませんでした。早い段階でピットに戻れたので、メインレースに向けてマシンを直すことができたのはよかったです」。

「メインレースでは始めからいいペースで走れていたのですが、なかなか抜けないコースだけにポジションを上げることはできませんでした。ちょっとしたミスのすきをつかれてハフ選手に抜かれてしまいましたが、レースを走りきることができたことで多くの収穫を得られたと思います」。

「WTCCは、短い距離のレースですが、その中にいろいろな要素が詰まっていて独特の難しさがあります。まだまだ勉強しなければならないことがたくさんあると感じましたし、世界のトップレベルと競う大変さも実感しました。これからも経験を重ねて、自分をレベルアップさせていきたいと思います」。

Honda Civic WTCC開発プロジェクトリーダー 古川隆一氏

「オープニングレースは、道上選手がオープニングラップで追突されてマシンにダメージを負ってしまいました。なにもできないままレースを終えることになり、マシンの仕上がりについてポジティブだっただけに残念な結果でした。ミケリス選手、モンテイロ選手は、共に好スタートでポジションを上げましたが、なかなか抜けないコースだけに、それ以上のポジションアップは難しく、レース途中でマシンを温存する作戦を取らざるを得ませんでした」。

「メインレースでは、ミケリス選手が好スタートで2番手を奪い、ポールポジションからモンテイロ選手もきっちりトップを守って、早々に1-2態勢を作りレースをコントロールすることができ、目指した通りの結果が得られました。道上選手も1周目に9番手に上がりましたが、途中でわずかなすきを突かれて10位でフィニッシュし、ポイントを獲得しました。全体的にシーズン開幕戦としては、とてもいいスタートが切れたと思っています。
ウインターテストにおけるチームの努力が実ったと言える結果であり、チームのみんな一人一人に感謝したいです。しかしながら、チャンピオンを取るにはまだまだパフォーマンスを上げる必要性を感じています。特に次戦のモンツァはエンジンパワーがモノを言うコースですから、一層努力してレベルアップを図り、この好調を続けていきたいと思います」。

【お詫びと訂正】記事初出時、開幕戦の開催地が間違っておりました。「Circuit International Automobile Moulay El Hassan」はモロッコのサーキットです。お詫びして訂正させていただきます。