ニュース

ホンダ、9月2日から始まるWTCC日本ラウンドに向け道上龍選手らが岡山でテスト

道上選手「決勝ではあわよくば表彰台を狙いたい」

2016年9月2日~4日 レース開催

 本田技研工業は、9月2日~4日にツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で開催される世界ツーリングカー選手権(WTCC)の第9戦「2016 FIA 世界ツーリングカー選手権シリーズ JVCKENWOOD 日本ラウンド」に向けたテスト走行を、8月31日に岡山国際サーキットで行なった。公式サイトでレポートを掲載している。

 今回のWTCC日本ラウンドでは、現在スーパーフォーミュラやSUPER GTで「Drago Modulo Honda Racing」の監督を務める道上龍氏が、ノルベルト・ミケリス選手とともに「Honda Racing Team JAS」からスポット参戦することが決定している。参戦車両は直列4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載する「シビック WTCC」となっており、本戦に向けティアゴ・モンテイロ選手(Castrol Honda World Touring Car Team)用に投入するニューシャシーのシェイクダウンテストと、道上選手の慣熟走行テストを主な目的として岡山国際サーキットを走行。

 テストは9時にスタート。まずはモンテイロ選手がコースインし、車両の感触を確かめながら8周ほど走行。レース用エンジンは年間1基という規定があるため、最低限の周回数で確認を行なった。モンテイロ選手の感触は上々で、大きな問題はなかったという。一方、道上選手のマシンにはマイナートラブルが発生し、数周してはピットインを繰り返すという状況だったものの、午前中のテスト走行を終えた段階でトラブルの原因を突き止め、修復を行なった。

 午後のセッションでは新品タイヤを装着しての走行や、スタートの練習など、午前中にはなかったメニューを加えてテストを実施。道上選手はリアのスタビリティを得るべく、チームにさまざまな変更をオーダーするなど、手応えを得るまでマシンのセットアップを行なったという。午前に続き午後のセッションも2時間の予定だったが、さらなるフィーリングの向上を狙って時間を30分延長するなど、熱のこもったテストが行なわれた。道上選手のラップタイムについては、「モンテイロ選手と比べても引けを取っておらず、実戦に向けて期待の持てるテスト走行となった」と報告されている。

道上龍選手のコメント
「決勝ではあわよくば表彰台を狙いたい」と語った道上龍選手

・午前のテストを終えて
「自分の中でツインリンクもてぎをイメージして走っていますが、まだリアのグリップが自分の好みに合っていません。ブレーキング時の接地感がなく、そこからターンインをしてしまうので、オーバーステアを誘発させてしまう。もちろん、こことツインリンクもてぎでは路面コンディションが違うので、その路面を見越したセットアップを行なっていかなければならないと思います。午後に向けて、ブレーキング時の不安感を解消できるよう、少しセットアップを変えたいなと思っています」

・午後のテストを終えて
「午後はスタビライザーや車高、リアタイヤのトー角も変更してもらい、バランスはよくなって自分の好みにも合ってきました。ツインリンクもてぎはコーナーが小さいところが多いですし、ダウンヒルストレートからの90度コーナーなど、リアの安定感が求められますから、しっかり4つのタイヤに仕事をさせるようなセットアップができればと思っています。今日は台風次第で走れないかもしれないという状況だったので、走れてよかったです。それに、マイナートラブルの原因は、現場ではなかなか見つけづらいものですから、それが解決できたこともよかったです。日本ラウンドでは、予選でとにかく前のグリッドをがんばって狙い、決勝ではあわよくば表彰台を狙いたいなと思っています」

ティアゴ・モンテイロ選手のコメント

「新しいシャシーの仕上がりはとてもいいですね。フィーリングにも大きな問題はありません。午後にはペダルを変更したので、チェックのために走行しました。2周でしたが、大事な確認ができてよかったと思います。ツインリンクもてぎは好きなコースですし、昨年も勝てているので印象はすごくいいです。もともとブレーキングが難しいサーキットですし、ウェイトが80kgになった部分は少し懸念しています。私が70kgなので、私よりも重いパッセンジャーが乗っているということです(笑)」

堀内大資 シビック WTCC開発プロジェクトリーダーのコメント

「道上選手はツインリンクもてぎのスポット参戦について十分準備ができたと思います。マシンは先週準備ができたものですが、ここでいいところとわるいところの洗い出しができたので、あとはツインリンクもてぎのレースに向けて準備万端といえるところまできたかなと思っています。スポット参戦とはいえ、レギュラードライバーたちと同じくらい活躍してくれることを期待しています。今日同じくテストをしたモンテイロも、一新したシャシーの感触が非常にいいとのことで、彼の活躍にも期待したいと思います」

根津佳裕 MUGEN EUROシニアエンジニアリングマネージャーのコメント

「今日はプレテストということで、道上選手のマシンの初期トラブルを解決できてよかったです。道上選手のデータはモンテイロ選手とほぼ同じ感じです。エンジンもマップもすべて同じものなので、レースが楽しみです。ツインリンクもてぎはストップ&ゴータイプのサーキットなので、エンジンの回転も下から上まで全域で使います。80kgのハンデを搭載していますので、ライバルと比べてどうかというのは気になりますが、やるしかないですね」