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日産、“プロパイロット搭載第2弾”の新型「エクストレイル」発表会

「リーフが今年、7年ぶりにフルモデルチェンジ」と星野専務

2017年6月8日 開催

新型「エクストレイル」発表会のフォトセッション。日産自動車株式会社 専務執行役員の星野朝子氏(左)と、ゲスト出演した俳優の渡部豪太さん(右)

 日産自動車は6月8日、神奈川県横浜市の日産グローバル本社ギャラリーで同日にマイナーチェンジを行なった新型「エクストレイル」の記者発表会を開催した。

 2013年12月に発売された現行モデルの3代目エクストレイルでは、2015年5月にもパワートレーンにハイブリッドシステムを採用するなどの大がかりなマイチェンを実施しているが、今回のマイチェンでは内外装のデザイン変更や装備の充実を図ったほか、2016年8月に発売した5代目「セレナ」で日産車初搭載となった高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」を新採用した。

 価格は219万7800円~309万8520円となっており、このほかのグレード体系や詳細な変更点などは関連記事「日産、“プロパイロット”搭載など『エクストレイル』をマイナーチェンジ」を、細部に渡る写真解説は「写真で見る 日産『エクストレイル』(2017年マイチェンモデル)」を参照していただきたい。

エクストレイル 20X HYBRID(プレミアムコロナオレンジ)
ステージ上の車両の周辺は、エクストレイルの力強いSUV性能を演出するためダミーの岩石が置かれていた
発表会冒頭でアンベール
ガソリンモデルの20X(ガーネットレッド)
こちらの車両の下は高速道路を連想させるデザインとなっており、新採用された高速道路同一車線自動運転技術の「プロパイロット」をアピール
車線などを認識するための単眼カメラ
ハイブリッドモデル(中央)、ガソリンモデル(右)ともに直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴の「MR20DD」を採用。JC08モード燃費はハイブリッドモデルが20.0km/L~20.8km/L、ガソリンモデルが15.6km/L~16.4km/L
インパネデザインには“しなやかな翼のような広がりを表現した”という「グライディングウイング」を採用
20X HYBRID(写真)と20Xは本革巻ステアリングを標準装備
大型2眼式メーターのあいだに、5インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイを設定
インテリアカラーは全車ブラック。20Xには7人乗りの3列シート車をラインアップ
新採用した「リモコンオートバックドア」(ハンズフリー機能付)では、バックドアの開く角度をアレンジする機能を設定。電動オープン時に電磁スイッチを操作するとその角度で停止。この状態のときにドアトリム下側に設置した開閉スイッチを長押しすると電子音が鳴って角度設定されたことを知らせる。次回からは電動オープンが記憶させた角度で止まるようになる。駐車場などの事情で、全開すると障害物に当たってしまうような場合の対策で、ユーザーからの声を反映した装備になっているという

「リーフが今年、7年ぶりにフルモデルチェンジ」と星野専務

日産自動車株式会社 専務執行役員 星野朝子氏

 発表会では冒頭に、主催者挨拶として日産自動車 専務執行役員の星野朝子氏が登壇。

 星野氏はエクストレイルの歴史や目指しているターゲット、今回のマイチェンの狙いなどを紹介。「室内ではシート機構を変更して使い勝手を向上させ、荷室スペースをさらに広げたことで、タフに使われるみなさんに、より力強く、便利になりました」とアピール。また、セレナに続いて採用第2弾となったプロパイロットについて「昨今の自動車業界における自動運転の火付け役になった日産自慢の技術で、多くのお客さまから高い評価をいただいています」と紹介した。

 また、日産が現在進めている「インテリジェント・モビリティー」の取り組みについて触れ、電動化による「インテリジェント・パワー」、知能化による「インテリジェント・ドライブ」という2つのピラー(柱)を設定して技術開発を進め、地球温暖化やエネルギー問題、交通事故、渋滞などの社会的課題を解決することを目指していると説明。高速道路などの走行時にアクセルとブレーキ、ステアリングの操作を自動制御して渋滞走行やロングドライブなどでドライバーが感じるストレスを大きく削減できるプロパイロットは「まさに日産のインテリジェント・モビリティーを具現化した技術だと思っています」とコメントした。

 このほかに星野氏は、エクストレイルが「自動ブレーキ」を初めて搭載した日産車であり、そこから搭載車を広げていったことで今年3月に自動ブレーキ搭載車の販売台数で100万台突破を果たしたことを強調。今後も先進安全機能を搭載したクルマをさらに拡大していきたいとの意気込みを述べた。

 最後に星野氏は、「今年はついに、100%電気自動車の『リーフ』が7年ぶりにフルモデルチェンジいたします。今年はまさに、電動化と知能化にこだわってきた日産の技術がシナジーを起こし、花を開く年になると位置付けています。私たちは『日産らしい技術』の表現を通して、クルマと人々の体験を、よりわくわくするものにしてきたいと考えています。これからも多くの革新的な技術を幅広い車種に採用していきますので、今後も日産自動車にぜひご期待ください」とのコメントで締めくくった。

エクストレイルに新設定したプロパイロットは「日産のインテリジェント・モビリティーを具現化した技術」と語る星野氏

レジャーをより楽しんでもらえるプロパイロット

日産自動車株式会社 日本戦略企画本部 日本商品企画部 リージョナルプロダクトマネージャー 遠藤智実氏

 新型エクストレイルの商品概要は、日産自動車 日本戦略企画本部 日本商品企画部 リージョナルプロダクトマネージャーの遠藤智実氏が担当。

 遠藤氏は「高速道路同一車線自動運転技術であるプロパイロットがエクストレイルに搭載されるということで、レジャーをより楽しんでいただけるようになる。クルマとともにレジャーをする、そのシーンをより楽しんでいただけると自負しております。また、『ハンズフリーオートバックドア』は、鍵はカバンでもポケットでも入れて持っている状態で、ボディが汚れていても手で触ることなく、レジャーに使った大きな荷物などを手に持った状態で、足でリアバンパー下部にセンサーを感知させることによって、手を使うことなくバックドアを開けることができます。さらにバックドアを開けたラゲッジのなかも、今回はより使いやすくなるよう、サイドの壁の形状を変更して向上させております」と紹介。このほかにもマイチェン内容について解説した。

新型エクストレイルの狙い
アクティブな“エクストリーマー”が販売のターゲット
3つのアピールポイント
プロパイロットは車速と車線内の位置を制御する高速道路同一車線自動運転技術
「車線逸脱防止システム」(インテリジェント LI)や「後退時車両検知警報」(RCTA)で、車両の側面や後方などの危険に対応する
セレナの「ハンズフリーオートスライドドア」から技術を継承した「リモコンオートバックドア」(ハンズフリー機能付)
内外装のポイントを語る遠藤氏
エクステリアでは精悍さや力強さなどを強化
ヘッドライトやリアコンビネーションランプ、ホイールデザインなどを大きく変更している
12色のボディカラーラインアップのうち、6色が新色となっている
ベースモデルのほかに、「モード・プレミア」「エクストリーマーX」「助手席スライドアップシート」もマイチェン
内装の変更点。200mmの前後スライド機構は2列シートSUVで初めての装備

俳優の渡部豪太さんがリモコンオートバックドアを実演

トークセッションのゲストとして、俳優の渡部豪太さんが登場

 発表会後半では、ゲストに俳優の渡部豪太さんを迎え、星野専務と司会の男性の3人によるトークセッションを実施。登場時には渡部さんが14歳のころから17年に渡って趣味として続けているというスケートボードに乗り、華麗なトリックなどを決めるムービーを上映した。

 渡部さんは休みの日などにスケートボードを楽しんでいると語り、どこでも楽しめるスケートボードではあるが、プロのスケーターが大技を披露した場所にドライブして訪れ、実際の現場の状況を目の当たりにしてプロがどんな状況でトリックを決めているのか楽しんだり、自分でもスケートボードに乗ってみているというエピソードを紹介。

 そんなエクストリーム系の趣味を持つ渡部さんにも新型エクストレイルはぴったりのクルマだというアピールから、ステージ上のエクストレイルを使ってリモコンオートバックドアのハンズフリー機能を実際に渡部さんが体験したり、事前に同乗試乗したプロパイロットの感想が渡部さんから語られたりした。

愛用のスケートボードを持参した渡部さん。プロのスケーターが大技を披露した場所までドライブするエピソードなどを紹介した
「新型エクストレイルは、外に出て遊び尽くす!といった人にぴったりな機能を満載したクルマです」と語る星野専務
新型エクストレイルを見た感想について、渡部さんは「僕、こんな無骨なクルマが大好きなんですよね。普通に男が乗ってかっこいいクルマ、でも、女性がこのクルマから出てきてもかっこいいと思うんです。なので、すごくかっこいいスタイルだと思いました」とコメント
フォトセッションの合間に、置かれていた岩石のダミーを持ち上げて場を和ませる渡部さん
リモコンオートバックドア体験
出かけた先で遊び終わったという想定で、車両に持参したスケートボードをエクストレイルに載せてほしいと司会から提案される渡部さん。スケートボードをフロアにおいてバックドアに手を掛けようとしたタイミングで、司会から「ストップ!」の声
リモコンオートバックドアについて説明され、車両のインテリジェントキーが星野専務の手で渡部さんのポケットに入れられる。右手にはスケートボード、左手にマイクと、バックドアを操作できない状態
リアバンパーの下に足先を差し込む動作をすると、電子音が鳴ったあとにバックゲートが電動オープン
渡部さんは驚きながらも、無事にスケートボードを収納できた
開いている状態で同じ動作をすると、バックゲートが電動クローズ
誤作動を防ぐため、電動開閉はしっかりとした動作が必要。面白いからと何度か試しているうちに……
「トン」
「ごめんなさい、蹴っちゃった」。なんてシーンも
プロパイロット体験
プロパイロットは事前に体験し、ムービーで紹介。渡部さんは「普段、自分で運転するときは車線の真ん中を走ろうとすごく集中してるんですけど、それをクルマがやってくれるからとてもスムーズで、とにかくまっすぐ進んでくれるから、今回は助手席に座っていてとてもリラックスできました。あまりに心地よくて、ちょっと助手席でうとうとしちゃいました」と感想を口にした