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インディ500優勝の佐藤琢磨選手が凱旋報告。「ホンダやスポンサー、ファンと歓びを分かち合いたい」
八郷社長から「NSX」がプレゼントされるサプライズも
2017年6月13日 21:28
- 2017年6月13日 開催
6月13日、Hondaウエルカムプラザ青山(東京都港区)において、日本人として初めてインディ500を制した佐藤琢磨選手による「凱旋報告取材会」が開催された。報告会や質疑応答の詳細については、ホンダのWebサイト内にある「ソーシャルメディアナビ」に動画が掲載されているので、そちらをご覧いただきたい。
同イベントは報道関係者向けに開催されたものとなっていたが、翌14日にはファン向けのイベントが開催される予定となっている。詳細は「6月14日18時30分、ホンダウエルカムプラザ青山で佐藤琢磨選手のインディ500優勝凱旋イベント開催。入場無料、整理券配布」を参照してほしい。
ステージに登場した琢磨選手は「ホントにやりました。嬉しいです。こうして優勝報告をホンダの青山で、ステージを設けていただいてホントに幸せに感じます」「ここまで信じてずっと応援してくださったホンダやスポンサー、ファンと歓びを分かち合いたい。感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。
F1のBARホンダ、スーパーアグリ、そしてインディと自身のキャリアを振り返りつつ、優勝のチャンスがあった2012年のインディ500に言及。「勝つためにインディ500に挑戦している」ことから、ファイナルラップにトップを走るダリオ・フランキッティ選手にアタック。結果的にクラッシュを喫してしまったことで、「インディ500を勝つ難しさを痛感した」という。だが、2017年にインディ500の常勝チーム「Andretti Autosport」に移籍。素晴らしい環境を手に入れたことで再度チャンスを手にし、見事優勝を飾ることになる。
報告会では、今回のレースのキーポイントとなった残り5周の攻防について、「5周あればどんな状況になっても巻き返すことができる」と勝算があってのことだったと説明。残り2周でエリオ・カストロネベス選手のアタックを防いでからは「ウエイトジャッカー、アンチロールバーを使って絶対にリアは滑らせない、アンダーを出さないように風向きを考えながら走った」「エリオ選手にパターンを読まれてスリップストリームに入られないようにストレートごとに自分が動いた」と、TV画面からでは分からない細かな戦略の積み重ねがあったことを明かした。
また、コントロールラインを超えてからの絶叫がファンの間でも話題になっていたが、これについては「レース後にすぐに無線で皆にありがとうと言いたかったが、声にならなかった。無線のスイッチがONになっていたことに気づかずヘルメットの中で絶叫していた」と語った。
琢磨選手に続いて、本田技研工業 代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘氏が登壇。琢磨選手に「日本人初のインディ500の優勝。このような偉業、本当におめでとうございます」とお祝いを述べた。続けて「シーズンが始まる前に、今年こそ優勝しようと話をしていた。インディ500でそれが実現したということでホンダ全員が感動している」と話すとともに、ホンダからのサプライズプレゼントとして琢磨選手に「NSX」が贈られた。
この後、質疑応答が行なわれた。本誌でもお馴染み、インディの先輩であるモータージャーナリストの松田秀士氏が賞金について質問すると、「賞金は1つのステータスにもなっているし、モチベーションにもなっている。ただ、賞金のためだけだったらおそらく2012年にチャレンジをしていない。契約で決まっているのですべて僕のものではないけれど、いただいて、納税して、チームの皆にも思い出として何かプレゼントしたい。少し残ったら貯金したいと思います(笑)」と答えた。