ニュース

トヨタ、「Global Institute」とモータースポーツ競技の安全性を向上させる共同研究を開始

バーチャル人体モデル「THUMS」を用いて4年間の共同研究プロジェクト

2017年6月15日 発表

THUMS(WECモデル)

 トヨタ自動車は6月15日、モータースポーツの安全性を向上させるため、モータースポーツの安全研究を統括する団体「Global Institute(GI)」とバーチャル人体モデル「THUMS(サムス:Total HUman Model for Safety)」を用いた4年間の共同研究プロジェクトを開始した。

 今回のGIとの4年間に渡る共同研究では、これまで研究対象としていたレースカーだけでなく、ラリーカーの衝突も含めた幅広いモータースポーツでの衝突事故を研究の対象として、シートの構造やシートベルトの配置などの見直しを検討。研究結果をもとに、GIがモータースポーツのレギュレーションのアップデートなど、モータースポーツ車両の安全性向上につながる施策を検討していく予定としている。

 トヨタは2000年から、事故の際に脳や内臓といった体内の各部位に傷害が発生するメカニズムを、THUMSを用いてコンピューター上で解析。2007年以降は一般の車両だけでなく、FIA Institute(モータースポーツの安全性向上を図る研究機関。2016年末に廃止され、安全研究は新たに設立されたGIが引き継いでいる)やNASCAR(ナスカー:National Association for Stock Car Auto Racing 全米自動車競争協会)からの依頼で、モータースポーツにおける事故の傷害解析にも応用。衝突時の減速度により背骨や臓器に強い負荷が加わるメカニズムを解明し、その負荷を軽減するための方策を検討している。

THUMS WECモデル(TS050)