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日産、バッテリー事業をGSRキャピタルに譲渡

2017年12月末までに取引が完了する見込み

2017年8月8日 発表

 日産自動車は8月8日、同社が保有するバッテリー事業およびバッテリー生産工場を投資会社のGSRキャピタルに譲渡する株式譲渡契約を締結したと発表した。

 この取引は今後、労働組合との協議や規制当局の承認を経て2017年12月末までに完了する見込み。本取引における財務条件は開示していない。

 今回の取引で対象となるバッテリー事業には、2007年に設立した日産とNEC(日本電気)、NECエナジーデバイスが株を保有する高性能リチウムイオンバッテリーの開発・生産を担うオートモーティブエナジーサプライ(AESC)のほか、北米日産が保有する米国スマーナのバッテリー生産事業、英国日産自動車製造が保有する英国サンダーランドのバッテリー生産事業に加え、日産のバッテリー事業に関連する追浜、厚木、座間の開発・生産技術部門の一部が含まれる。

 日産自動車 社長の西川廣人氏は、「本日の発表は、日産とAESC双方にとってウィンウィンとなるものです。AESCは、GSRの幅広いネットワークや積極的な投資を活用し、新たな顧客の獲得により、その競争力の向上が可能となります。また、これは日産にとってはEVの競争力のさらなる強化にもつながります。AESCは引き続き当社の重要なパートナーでありつづけ、日産は市場をリードするEVの開発及び生産に専念することができます」とコメント。

 GSRキャピタル 会長のソニーウー氏は、「AESCの取得は、新エネルギー自動車産業に関わる当社にとって重要な1歩となります。私たちは、R&Dへのさらなる投資を行ない、米国、英国および日本で既存生産能力を拡大していきます。また、中国および欧州に新たな工場を建設し、世界中にお客さまへより良い製品を提供していきます。AESCが持つ優れた労働力、高い技術力、実績ある高い製品品質に加えて、これらの計画を実施することで、私たちは成長に向けた体制を整えていきます」とコメントしている。

 GSRキャピタルは北京、香港およびシリコンバレーに拠点を持つ民営の投資会社で、電気自動車、新エネルギー、現代農業、医療や無線技術といった高成長分野への投資に焦点を置いている。