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日産、「バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池の技術」をAPBにライセンス供与
APBが全樹脂電池の定置用バッテリーの製品化を目指す
2020年4月16日 16:03
- 2020年4月16日 発表
日産自動車は4月16日、全樹脂電池による定置用バッテリーの製品化を目指すAPBに対して「バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池の技術」をライセンス供与すると発表した。
バイポーラ電極構造を有する全樹脂電池は、液体状の電解質と金属製の電極を組み合わせる従来の電池構造を、電解質と電極の両方を樹脂に置き換えるもの。日産が研究開発に取り組んでいるリチウムイオンバッテリーの要素技術をAPBにライセンス供与する。
APBでは同技術を活用して、次世代型リチウムイオン電池である全樹脂電池の定置用バッテリーとして製品化を目指すとともに、国内企業からの出資を受けて、日本国内に年間ギガワットアワー(GWh)クラスの充電量を持つ電池の生産が可能な工場建設を計画している。
APBが製品化を目指す全樹脂電池の定置用バッテリーは、従来の定置用リチウムイオンバッテリーからバイポーラ電極構造を有する全樹脂電池とすることで、同じ充電容量で大幅なサイズダウンとコストダウンを実現できることに加えて、さらなる安全性の向上が期待できるという。
また、全樹脂電池の定置用バッテリーが普及することで、個々のユーザー単位でも深夜電力や太陽光パネルなどで発電した再生エネルギーの有効活用を、少ない投資によって実現することが可能になるとしている。
日産の経営戦略本部 理事の木俣秀樹氏は「日産は自社で開発した技術を自社利用だけに留めず、社外における自社開発技術の有効活用を積極的に推し進めることにより、社会や産業全体での技術の発展に寄与していきます。今回のAPBへの先進的なリチウムイオン電池の要素技術の供与もこの取り組みの一環です。同技術が広く用いられることにより、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現にインフラ面から貢献できるほか、日本政府が推進する持続可能な低炭素社会の実現への一助にもなると確信しています」とコメントしている。