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パナソニック、9V型大画面カーナビ「CN-F1XD」など2017年モデル「ストラーダ」発表会レポート
新製品8機種を発表
2017年9月5日 09:31
- 2017年9月4日 発表
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は9月4日、2017年モデルとなる新型SDカーナビステーション「ストラーダ」の発表会を都内で実施した。
今回発表となったSDカーナビステーション「ストラーダ」の新製品は、9V型大画面およびBlu-rayプレーヤーを登載した上位モデルが「CN-F1XD」および「CN-F1SD」の2モデル、7V型画面およびBlu-rayプレーヤーを登載するベーシックモデルが「CN-RX04WD」「CN-RX04D」の2モデル、7V型画面を搭載するスタンダードモデルが「CN-RA04WD」「CN-RA04D」と流通経路の異なる「CN-RE04WD」「CN-RE04D」の4モデル。
新機種の中でも最上位モデルとなる「CN-F1XD」は、先代モデル「CN-F1D」で好評を得たフローティング機構「DYNABIG(ダイナビッグ) ディスプレイ」をさらに進化させた「DYNABIG スイングディスプレイ」を搭載しているのが最大のポイント。もともとのDYNABIG ディスプレイは、2DINの本体部からディスプレイ部を離した構造とすることで、多くの車種に専用パネルを使わずに9型大画面ナビを装着可能としたもので、ディスプレイ部は上下、奥行、チルトの調節が可能となっていた。今回のDYNABIG スイングディスプレイは、さらに左右方向への首振りを可能とすることで、より見やすく操作しやすいナビ&AV環境を手に入れたことになる。
発表会にはパナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 インフォテインメントシステム事業部 市販・用品ビジネスユニット ビジネスユニット長 荻島亮一氏、同事業部 市販・用品ビジネスユニット 市販事業推進部 部長 高島浩二氏、同事業部 市販・用品ビジネスユニット 市販事業推進部 商品企画課 課長 渡邉洋氏が出席した。
最初に登壇した荻島氏は、まずカーナビのアフターマーケット市場を解説。カーナビの場合、新車の販売に大きく左右されるものの直近では450万台前後をキープしており今年度も前年度並みで、カーナビも台数ベースでは堅調に推移すると予想。多くのデジタル機器がスマホの台頭により市場を縮小しているなか、カーナビは一定の需要を維持しているものの、「今度とも油断することなくさらなる価値の向上に繋げていきたい」とした。
その一方、単価の下落も進みつつあるものの昨今の大画面化の流れにより下げ止まり感があるとしつつも、同時に廉価なスタンダードナビの需要も根強く「ハイモデルとスタンダードの2極化が顕著に表れている」と分析した。
また、自動ブレーキなどの安全機能、車両連携機能が急速に広がっていることから「純正、用品ナビの装着率が徐々に上がっている」とし、「これは市販ナビの魅力、または新たな価値の創造が不十分だった」と反省。それを踏まえてリリースしたのが昨年発売したCN-F1Dで、これは「従来のように車種別パネルを使わずに9インチの大画面が使える画期的な提案だったと考えている」とするとともに、現在280車種を超える車両に取り付けできることを確認していることから、「当初の計画を大きく上回る出荷をしている。このモデルが起爆剤となって2016年度は順調に販売を伸ばすことができた」と振り返った。
出荷台数を伸ばした半面、CN-F1Dを購入したユーザーからは「大画面故に反射が気になる」「自分の方を向かせたい」といった声が寄せられていたと明かし、新機種となる2017年モデルは「(CN-)F1Dをご利用されているお客様の声を大きく反映したもの」で、さらに「それらに加えて操作性の改善も大きく加えて改良をして参りました」と説明した。
最後に「カーナビゲーションの新たなカタチを提案しながら、若い方からシニア、女性の方まで積極的にドライブを楽しむことができる、そういう環境作りをこれからも進めて参りたいと考えている」と締めくくった。
荻島氏に続いて登壇した高島氏が新機種について説明を行なった。まず、「7インチは見づらい、操作しづらい」が「大画面カーナビは装着に難がある」という相反する課題に対し、「画面を2DINから解放する」コンセプトで解決したのが、昨年発売したDYNABIG ディスプレイを搭載したCN-F1Dだったと前置き。「2017年度はDYNABIG ディスプレイにさらに磨きを掛けた大画面カーナビを提案させて頂く。それがさらに進化したDYNABIG スイングディスプレイを搭載した新ストラーダ、CN-F1XD」と発表、アンベールを行なった。
高島氏は「CN-F1XDが目指したのは圧倒的な見やすさ」であるとし、それを実現するポイントとしてDYNABIG スイングディスプレイと、「ブリリアントブラックビジョン」の2つを挙げた。前者については「大画面カーナビ初の左右方向に15°傾けられるスイング機能」で上下、チルト、奥行きに加えて左右のスイングを加えることで「ドライバーにとってより鮮明で見やすい角度にディスプレイを調整できる」とするとともに、「走行中の振動対策をさらに強化、F1Dに対して振動や揺れを大幅に軽減」しているとした。後者については「反射を抑える「AGAR低反射フィルム」、タッチパネルと液晶パネルの間の乱反射を抑えるボンディングによる「エアレス構造」、「広視野角IPS液晶」の採用により、「かつてない表現力のディスプレイに仕上げました」と説明した。
デザイン面では車内での存在感にこだわって開発したといい、「画面OFF時に画面部分がブラックアウトして前面がフルブラックになる」「側面のアルミフレームにブラック調ヘアラインを採用。エッジにはダイヤカットによるアクセントを施した」とポイントを紹介した。
説明を引き継いだ渡邉氏は実車に装着されたCN-F1XDを前に、デザインやフローティング構造を解説。また、実車でのテスト結果から「暗いシーンはもちろん日中の明るいシーンでも見やすさは歴然。自信を持って皆様にオススメできるし、必ずやご満足頂けると思っている。新しく生まれ変わった(CN-)F1XDの圧倒的な見やすさをより多くのお客様に御体感頂きたいと思っている」と新機種の仕上がりに自信を見せた。
実機をチェック
発表会後は内覧会となり実機を触ることができたので軽くレポートしたい。実機を前にして驚くのは、画面の美しさだ。昨年モデルのCN-F1Dを単体で見た時にはそれほど気にならなかったが、CN-F1XDと並べると表示品質の違いは一目瞭然。CN-F1XDはコントラストが高く、視野角も比べものにならないぐらいに広い。また、スペックでは謳われていないがパネル解像度自体はHD相当とのことで、スケーリングによりワイドVGA表示となっている。掲載写真は縮小されているとは言え、比べてみればその違いが分かるはず。現状ではその性能を生かし切っているとは言えず勿体ないと感じるものの、今後に期待したいところ。
DYNABIG スイングディスプレイについては、文句なく便利。CN-F1Dではフローティング機構のため通常の2DINスペースに装着するカーナビより画面を見る角度がキツくなって見づらい面があったが、スイングによりこれを解消。スライド機構のロックノブが大きくなるなど細かな改良も行なわれ、使い勝手もよくなっている。
ナビゲーション部のハードウェアはキャリーオーバーとのことながら、パネルの表面処理が異なることや、細かなチューニングによりレスポンスはよくなっている印象を受けた。早く実車で試してみたい、そんな風に思える1台だ。