ルノー、2つの個性を持った新型「メガーヌ」発表会 今夏に新型「ウインド」を導入、中止となっていた各イベントも再開 |
発表会はショッピングモールの二子玉川ライズで開かれた |
ルノー・ジャポンは5月26日、同日発売した新型「メガーヌ」5ドアモデルの発表会を、「二子玉川ライズ」(東京都世田谷区)で開催した。新型メガーヌは、二子玉川ライズに29日まで展示される。
新型メガーヌは、フレンチタッチの明るい内装を採用するラグジュアリーな「プレミアムライン」と、17インチアルミホイールやローダウンサスペンションを纏ったスポーティな「GTライン」を設定する。
先代メガーヌと同様に「デザイン フォー ザ ドライバー」(ドライバーのためにデザインされた車)の理念を継承し、エクステリアは2640mmのホイールベース、前後1545mmのトレッド、前後ショートオーバーハングなどによって低く安定感のあるフォルムとし、さらに伸びやかなボディーライン、流線型ヘッドランプなどで構成される個性的なフロントフェイスなどが特徴となる。
インテリアは、プレミアムラインがベージュ、GTラインがブラックを基調とし、前者はデジタルのスピードメーターとアナログのタコメーターを組み合わせたメーターパネルや、ファブリックとレザーを組み合わせたコンビシートを、後者は「メガーヌ ルノー・スポール」と同じスポーティなアナログメーターパネルや、サイドサポートが張り出したダークカーボンのファブリックとレザーを組み合わせたコンビシートが与えられる。
搭載されるエンジンは、いずれのグレードも最高出力103kW(140PS)/6000rpm、最大トルク195Nm(19.9kgm)/3750rpmを発生する直列4気筒DOHC 2リッターを搭載し、新開発の6速マニュアルモード付きCVTを介して前輪を駆動する。
●メガーヌ プレミアムライン
デザイン フォー ザ ドライバーのコンセプトに基づき、フロントシートは最適なポジショニングを得られるようシート高の調整幅を70mm、前後に240mmの調整幅を確保。さらにチルト&テレスコピック機能を備える | ||
ドアトリムもベージュで統一した | センターコンソールボックスの後方には後席用の送風口が2つ備わる | プレミアムライン、GTラインともスペアタイヤをラゲッジルーム下に装備する |
ルノー・ジャポン 商品企画 フレデリック・ブレン氏 |
発表会では、新型メガーヌについてルノー・ジャポン 商品企画 フレデリック・ブレン氏が概要を説明した。
ブレン氏によると、先に発売した3ドアクーペ「メガーヌ ルノー・スポール」はすでに販売目標をクリアするほど好調で、「メガーヌ ルノー・スポールは、日本でのメガーヌブランドの牽引役を担っている」と説明。そのメガーヌ ルノー・スポールのベースとなるのが、今回導入される新型メガーヌ(5ドア)となる。
新型メガーヌにおいて、特徴的な項目の1つとなるデザインに関しては、ルノーとして初めてデジタルデザイン技術を採用したと言う。このデジタルデザイン技術のソフトは社内で開発されたもので、開発の早い段階からリアリティのある画像を確認することができ、「それによってエンジニア、マーケティングなど関係各所からより多くのフィードバックを得ることができた」とブレン氏は言う。
エクステリア上での具体的なポイントは、ワイドトレッド、ロングホイールベース、ショートオーバーハングなどにより安定感を感じさせるダイナミックなフォルムや、Aピラーからボンネット先端のエンブレムへ続くプレスラインや流線型のヘッドランプ、フロントバンパーのエアインテークなどで表現される個性的で精悍なフロントマスクなどとした。
ボディーサイズについては先代モデルより全長、全幅、全高のいずれも一回り大きくなってダイナミックさが増すとともに、「室内のヘッドクリアランスの確保、ロングホイールベース、ワイドトレッド化による走行安定感の向上に寄与している」と説明。
また、ボディーサイズの拡大に伴い、前席のヘッドクリアランスは先代より40mm拡大され960mmとし、後席でも920mm(中央は910mm)を確保。そしてラゲッジルームの開口部を広く、そして372L(VDA方式)の容量を備えたことで、「パリからマルセイユの長距離でも家族・荷物を載せて快適に走らせられる」と、居住性や積載能力が高まったことを紹介する。
一方、走行性能については、フロントサスペンションと繋がるサブフレームの追加により、横方向の剛性が先代メガーヌよりも約3倍高められ、ステアリングの正確性が向上したこと、ステアリングギアレシオを17:1から16:1に変更するとともに、各種センサーの検知速度の向上などにより電動パワーステアリングの応答性や正確性が向上したこと、アンチロールバーの大径化、リアアクスルとボディーの接合部に使われる性質の違う2種類のゴムを組み合わせたブッシュの採用などにより、「特にコーナーで気持ちのよい運転が楽しめる」と、新型メガーヌの走行性能をアピールした。
また、GTラインではルノー・スポールがチューニングしたシャシーを採用し、フロントのバネレートを19%、リアを10%高めるとともに、12mm車高をダウン。さらに前後ダンパーの減衰力を向上させたことも紹介した。
●メガーヌ GTライン
インストルメントパネル上の液晶モニターには時刻や気温などが表示される | AUX端子やUSBポートが備わる | センターパネルのスロットにカードキーを差し込むとイグニッションをONにできる |
カードキー(左)とドアの開閉ができるスペアキー | フロントシートはサイドサポートが張り出した形状。ヘッドレストに「GTライン」のロゴが刺繍される |
後席は6:4分割可倒式で、座面を前方に引き上げるとシートバックを前方に倒すことができる。ラゲッジルームと後席の間には段差がある |
ルノー・ジャポン 大極司COO |
発表会会場では、ルノー・ジャポンの大極司COOも登壇し、新型メガーヌについての特徴を2点挙げた。
1つはデザインについてで、「先代モデルは直線を基調としたデザインで、クリフカットと呼ばれる直立したリアガラスが特徴だったが、新型では滑らかな曲線と伸びやかなプレスラインで形作られた。先代と新型でこんなにもデザインが違うのかと驚いたが、どちらもデザインのコンセプトは“推進力”を感じさせるものだった。同じコンセプトからこんなにも違うフォルムが生み出されるのは驚きだし、デザインの持つ力や可能性を感じる」と紹介。
もう1つはトランスミッションについてで、「このCVTは非常に綿密な制御をする最新世代のもので、日常の通勤や買い物からスポーティな走りまで、どんなシーンにも対応する走りの幅の広さが特徴」「CVTはルノーがプログラムを開発したもので、スムーズでありながら節度感のある、ルノー車らしいシフトフィーリングはルノーファンの期待を裏切らない」と、その完成度を強調した。
また、販売実績についても触れ、2010年度は対前年比で145%の2537台だったことを紹介。内訳は約半分がカングーで、1/4をルーテシアとトゥインゴ ルノー・スポールが締める結果となった。2011年1月~4月についても、東日本大震災の影響を受けつつ対前年比104%としている。
なお、今年度は新型メガーヌの発売を皮切りに、今夏に2シーターロードスター「ウインド」と「トゥインゴ ゴルディーニバージョン」を導入することを発表したほか、震災により中止となっていた各イベントを再開するとし、まずは7月にカングー・ジャンボリーを開催することを明らかにした。
(編集部:小林 隆)
2011年 5月 27日