伊フェラーリ、599XX向け「エボリューション・パッケージ」をワールドプレミア
ボローニャ・モーターショーで公開

エボリューション・パッケージを装着した599XX

2011年12月1日(現地時間)発表



新開発のアクティブ・リア・ウィングやリア・ディフューザーを装着する

 伊フェラーリは12月1日(現地時間)、第36回ボローニャ・モーターショーにおいてサーキット走行専用車「599XX」向けの「エボリューション・パッケージ」をワールドプレミアした。

 同パッケージは、2012-2013年シーズンにサーキットをベースとした研究開発プログラムに参加するユーザーを対象に開発されたもの。パッケージには車輌電子制御システムと統合された「アクティブ・エアロダイナミック・パッケージ」と新型ピレリ・タイヤが含まれる。

 アクティブ・エアロダイナミック・パッケージの最大の特徴は、より優れたコーナリング性能を得るために開発された、「オープニング・ギャップ」と呼ばれるアクティブ・リア・ウィング。F1マシンと同じように2枚のフラップを備えており、車輌速度や車体の状況に応じてフラップが電動で回転し、フロントとリアのアクスル間のダウンフォースをコントロールする。

 このアクティブ・リア・ウィングは、ESP(横すべり防止装置)、ABS、SCM(磁性流体ダンピング・システム)、トラクションコントロールシステム「F1-Trac」などの制御機能と統合され、操舵角、前後方向の加速、横方向の加速(横G)、車輌速度といった特定のパラメーターによって自動的に作動する。

 また、アクティブ・エアロダイナミック・パッケージには改良型エア・スプリッターと新型リア・ディフューザーが含まれており、200km/h走行時に発生する総ダウンフォースはフラップが開いた状態で330kg、フラップを閉じた状態では440kgに達するとしている。

 一方、エグゾースト・システムは側方排気システムを採用し、エンジン出力はベースモデルから20CV向上の750CVを発生。最大トルクは700Nmとなる。また、ファイナル・ギアレシオも微調整される。

今年のル・マン選手権などでチャンピオンに輝いたAFコルセ・チームの「458 イタリア GT2」458 イタリア GT2(右)の隣に並ぶのはFIA GT3選手権でドライバーズ・チャンピオンを獲得した「458 イタリア GT3」
2010年型F1マシン「フェラーリ F10」も展示されるフェラーリのワンメイク・レース車輌としては5代目となる「フェラーリ 458 チャレンジ」(左)とサーキット専用車「FXX」

(編集部:小林 隆)
2011年 12月 2日