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ブリヂストン、新スタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX(ブリザック ヴイアールエックス)」発表会
夏のディズニーリゾートで積雪路試乗会も開催
(2013/7/19 12:24)
ブリヂストンは7月18日、新スタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX(ブリザック ヴイアールエックス)」を発表。同日、東京ディズニーリゾート内にあるディズニーアンバサダーホテルにて発表会を開催するとともに、積雪路を駐車場に設置。夏のディズニーリゾートで、スタッドレスタイヤの試乗会を実施した。
ブリザック VRXは9月1日から135/80 R12から245/40 R20まで108サイズを全国一斉発売。価格はすべてオープンプライスとなる。サイズ表や基本技術については、関連記事を参照していただきたい。
ブリザック VRXはブリザック25年の集大成
ブリヂストン 常務執行役員 兼 ブリヂストンタイヤジャパン 代表取締役社長 清水実氏は、ブリザック VRXをスタッドレスタイヤ「ブリザック」25年の集大成製品であると紹介。ブリザックの歴史を振り返った。
ブリヂストンは国内向けスタッドレスタイヤとして1982年にウインターラジアル W708を発売。1986年には「HOLONIC(ホロニック)」ブランドでWT-07を投入している。
現在につながる発泡ゴムを開発した1988年には、スタッドレス製品ブランドを「BLIZZAK(ブリッザック)」とし、PM-10を発売。このブリザックという名前は、当時の清水氏と同僚の2人で考案したもので、ブリザード(吹雪)でもザクザク効くタイヤの意があるとのことだ。
PM-10、PM-20、PM-30と続いたブリザック第1世代だが、ミラーバーン現象が問題化した1994年にミラーバーン対応のブリザック第2世代MZ-01を発売。この第2世代のブリザックは、MZ-02、MZ-03と進化した。2003年にはドライ性能を向上させた第3世代ブリザックのREVO 1を発売。これもREVO 2、REVO GZと進化し、25年目にVRXとなり第4世代に突入したことになる。
このVRXには、VERTEX(最高点・頂点)という意が込められており、文字どおりスタッドレスタイヤの最高峰であるとした。
ブリザック VRXのマーケティングや開発の背景については、ブリヂストンタイヤジャパン 常務執行役員 消費財タイヤ事業統括本部長 大森繁氏が解説。ブリザックシリーズは、同社調べであるものの、北海道・北東北主要5都市での装着率は12年連続No.1スタッドレスであり、札幌市のタクシーの装着率も71.6%(444台のうち318台がブリザック)になるという。このように降雪地域やプロドライバーに選ばれたブリザックシリーズの出荷実績は累計で2億本を超え、海外への輸出も行っている。
その上で、今後のスタッドレスタイヤの性能向上要望を確認したところ、降雪地区では「凍結路」「積雪路」「燃費」の性能向上を、非降雪地区では「凍結路」「積雪路」「ウェット」の性能向上を望む声が多かったといい、ブリザック VRXではこれらの性能を強化。REVO GZに比べ、氷上ブレーキ性能とウェットブレーキ性能を10%向上、燃費に直結する転がり抵抗性能を10%低減している。
降雪地域と非降雪地域の販売割合は、ほぼ五分五分とのことで、両地域のユーザーの要望に応えるタイヤになっている。
新非対称パターンとアクティブ発泡ゴムで性能向上
ブリザック VRXに投入された技術については、ブリヂストン ダイヤ開発第2本部長 川原隆宏氏が解説。VRXでは新非対称パターンと、新たな発泡ゴム「アクティブ発泡ゴム」が新採用されており、それらによって性能向上が図られている。
一般的に非対称パターンでは、イン側のパターンが直進時に影響し、アウト側のパターンがコーナリング時に影響する。VRXではイン側から2列目のパターンがV字状になり、より鋭く氷に食い込むことで、ひっかき効果を拡大している。
また、アウト側から2列目のパターンでは、交差したラグ溝をREVO GZより増やすことで、雪を掴む能力を向上。雪上性能を上げている。
氷上性能に関しては、アイスバーンをしっかり捉えるよう、接地面圧の適正化を図り、水が湧きにくいパターンにしてある。ブリザックシリーズを特徴付ける発泡ゴムに関しても、親水性コーティングを施した「アクティブ発泡ゴム」となり、空乏の約80%まで水を吸い上げることができるという。この親水性コーティングは、昨年北海道地区で限定販売した氷上性能特化型の「ブリザック SI-12」と同じもの。ただし、コーティングは同じだが、ベースとなっているゴム(コンパウンド)は異なり、VRXのほうがさまざまなシーンに対応可能なものとなっている。
タイヤ形状に関しても、REVO 2では対象形状だったが、REVO GZでイン側・アウト側が異なる非対称形状を導入。これにより安定性の向上を図ったが、VRXでは燃費性能が上がるエコ形状を追加導入。エコ形状+非対称形状のエコ・ラク形状となっている。
これら各種の技術投入により、REVO GZから、氷上ブレーキ、ウェットブレーキ、低燃費性能を向上することができた。
夏のディズニーリゾートで積雪路試乗会
発表会の後は、ホテル近くの駐車場でスタッドレスタイヤと夏タイヤの性能比較試乗会が開催された。性能比較路は、このために特設された30mの積雪路面。路面にドライアイスを敷くことで、路面からの熱をできるだけ遮断。その上に、スノーマシンで人工雪をかぶせていた。
夏タイヤとの比較のため、当然ながらVRXが圧勝。性能比較のデモというより、ブリヂストンがこのVRXにかける思いを、夏の積雪路面に見ることができた。
今シーズンは、昨シーズンまでトップモデルであったREVO GZがセカンドラインに落ち、VRXがトップモデルとして販売される。おそらく昨年より安くなるだろうREVO GZと、それよりは高い価格で販売されるであろうVRXの製品選びに迷うシーズンになるだろう。
発表会場には、ブリザック25年の歴史を振り返るという意味もあったのか、歴代ブリザックが展示されていた。各ブリザックのトレッドパターンの写真を最後に掲載しておく。
なお、ブリヂストンが東京ディズニーリゾートで発表会を開いたのは、同社がオフィシャルスポンサーとなっているため。「東京ディズニーランド」では「グランドサーキット・レースウェイ」を、「東京ディズニーシー」では「ハンガーステージ」を提供しており、イクスピアリ内には7月19日~9月1日まで特設のTAIYA CAFE(タイヤカフェ)がオープンする。