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クロネコヤマトの新拠点、ヤマトHD「羽田クロノゲート」見学記
(2013/10/11 00:00)
ヤマトホールディングスは9月30日、稼動開始を目前に控えた同社の総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」(以下、羽田CG)のプレス向け見学会を開催した。
羽田CGは同社が国内最大級の物流ターミナルとして建設したもので、単なる物流ターミナルではなくさまざまな付加価値機能を持っているのが特徴だ。同社が進める物流改革「バリューネットワーキング構想」を実現するための重要な位置付けが与えられ、羽田空港に近い立地を活かして国内外の物流を扱いながら、顧客にさまざまな付加価値を提供する。
名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる時間の神「クロノス」と、国内・アジアの「ゲートウェイ」になるという意味を掛け合わせた造語。「新しい時間と空間を提供する“物流の玄関”であるとともに、物流の新時代の幕開け」を表現しているという。
詳細は既報のとおりだが、前回は見ることができなかった「付加価値エリア」などについても見学できたのでリポートしていく。
1階~2階は「宅急便・航空便荷搬エリア」。ここではクロスベルトソータや前詰め搬送機、ロボットアームといった最新の仕分け設備を採用している。これらの投入によって従来型の施設では1時間あたり約2万4000個だった仕分け数を、1時間あたり4万8000個まで増やすことを実現したそうだ。また、1階にはクール宅急便を取り扱う「クールエリア」も設置されている。
3階より上の階は「付加価値エリア」となっており、7階には医療機器の貸し出しや洗浄・メンテナンスなどを行う「羽田メディカルセンター」がある。整形インプラントやカテーテル、ペースメーカー、人工弁などの手術用医療機器を取り扱い、病院からこれらの機器が返却されると、洗浄・メンテナンスを実施して再出荷する「ローナー支援サービス」を行うエリアだ。24時間365日稼動する設備で、洗浄と物流を1カ所で行うため、スピード化が図れる。
6階はオンデマンド印刷などを扱うエリア。フルカラーオンデマンド印刷機が設置されていて、1台で1時間あたり6600ページを印刷可能。販促品などを受注して印刷し、そのまま出荷できるのが強み。仕分けから封入、配達までをまとめて行う「メーリングソリューション」も取り扱う。
そのほか、羽田CGでは地域貢献として、一般の人も利用できるベーカリーや保育所、スポーツ施設なども用意されている。また、来年1月には一般向けの「羽田CG見学コース」も開設される予定となっている。