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トヨタ、本格ハイブリッドが加わった新型「ヴォクシー」「ノア」

ハイブリッドは23.8km/L、ガソリンは16.0km/Lでクラストップの燃費

3代目は2種類のフロントマスクなど選択肢が増加
2014年1月20日ガソリンモデル発売、2月24日ハイブリッドモデル発売

ガソリンモデル:218万円~280万円

ハイブリッドモデル:285万円~297万円

サイドリフトアップシート装着車:262万円~281万1000円(非課税)

 トヨタ自動車は、ミドルクラスミニバンの新型「ヴォクシー」「ノア」を発表。ガソリンモデルを1月20日、ハイブリッドモデルを2月24日に発売する。価格はガソリンモデルが218万円~280万円、ハイブリッドモデルが285万円~297万円。また、福祉車両として非課税となるサイドリフトアップシート装着車も4月に発売を予定しており、価格は262万円~281万1000円。

ヴォクシー(ハイブリッドモデル)

モデルハイブリッドシステム駆動方式価格
Vリダクション機構付きのTHS II2WD(FF)2,970,000円
X2,850,000円

ヴォクシー(ガソリンモデル)

モデルエンジン変速機駆動方式定員(人)価格
ZS直列4気筒DOHC 2.0リッターCVT(7速モード付)2WD(FF)72,600,000円
82,570,000円
4WD72,789,000円
82,759,000円
V2WD(FF)72,600,000円
82,570,000円
4WD72,800,000円
82,770,000円
X2WD(FF)72,400,000円
82,370,000円
4WD72,600,000円
82,570,000円
X Cパッケージ2WD(FF)72,210,000円
82,180,000円
4WD72,410,000円
82,380,000円

ヴォクシー(サイドリフトアップシート装着車)

モデルエンジン変速機駆動方式価格
X サイドリフトアップシート装着車直列4気筒DOHC 2.0リッターCVT(7速モード付)2WD(FF)2,620,000円
4WD2,811,000円

ノア(ハイブリッドモデル)

モデルハイブリッドシステム駆動方式価格
Gリダクション機構付きのTHS II2WD(FF)2,970,000円
X2,850,000円

ノア(ガソリンモデル)

モデルエンジン変速機駆動方式定員(人)価格
Si直列4気筒DOHC 2.0リッターCVT(7速モード付)2WD(FF)72,600,000円
82,570,000円
4WD72,789,000円
82,759,000円
G2WD(FF)72,600,000円
82,570,000円
4WD72,800,000円
82,770,000円
X2WD(FF)72,400,000円
82,370,000円
4WD72,600,000円
82,570,000円
X Vパッケージ2WD(FF)72,210,000円
82,180,000円
4WD72,410,000円
82,380,000円

ノア(サイドリフトアップシート装着車)

モデルエンジン変速機駆動方式価格
X サイドリフトアップシート装着車直列4気筒DOHC 2.0リッターCVT(7速モード付)2WD(FF)2,620,000円
4WD2,811,000円
新型ノア「ハイブリッド G」
新型ヴォクシーの「ハイブリッド V」

 今回で3代目となるヴォクシーとノアでは、従来からある連続可変バルブリフト機構「バルブマチック」搭載の直列4気筒DOHC 2.0リッターエンジンに加え、新たにプリウスαでも使用されている1.8リッターエンジンを中心としたハイブリッドシステムをラインアップに追加。また、先代から設定されている3ナンバーモデルはフロントマスクの意匠などを中心に5ナンバーモデルと大きく差別化。ヴォクシーとノアの2つの個性をベースに、ハイブリッド、ワイドボディー車など選択の幅が広がっている。

ヴォクシーで3ナンバーボディーを採用するZS。専用フロントバンパーは大型のサイドポンツーンを備え、フロントフェンダーまで直線的に連続するラインでワイドさと安定感を表現。ボディーサイズは4710×1730×1825mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2825mm
標準ボディーのヴォクシー V。上下2分割のヘッドライトは初代から続くアイデンティティ。新型ではグリルまでラインを連続させてシャープな印象を演出。厚みのあるスクエアなバンパー形状で力強さと立体感を強調。ボディーサイズは4695×1695×1825mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは同じく2825mm
ノアで3ナンバーボディーを採用するSi。シルバー加飾のアッパーグリルとブラックアウトさせたバンパーでアグレッシブさを表現。バンパー下部の両サイドをスポイラー形状に広げたデザインでエアロフォルムをアピールする
標準ボディーのノア X Vパッケージ。バンパーのアンダーグリルとフロントグリルを一体化してブラックアウト。クラウンロイヤルとの共通性も感じさせるデザインで堂々とした存在感を発揮する

 ボディーカラーでは、トヨタ車として初めて塗料の光輝材にマイカではなくガラスフレークを使用して、高い透明度と鮮やかな発色を実現する「ブラッキッシュアゲハガラスフレーク」を新開発してヴォクシーに専用設定。また、ノアにも落ち着きと華やかさを合わせ持つ「ダークシェリーマイカメタリック」を専用設定し、さらに新規開発色の「オーシャンミントメタリック」など全8色を用意している。

ヴォクシー専用色の「ブラッキッシュアゲハガラスフレーク」
ノア専用色の「ダークシェリーマイカメタリック」
新規開発色の「オーシャンミントメタリック」
「ボルドーマイカメタリック」
「ダークバイオレットマイカメタリック」
「ホワイトパールクリスタルシャイン」
「ブラック」
「シルバーメタリック
ハイブリッドモデル専用デザインの15インチアルミホイール
3ナンバーボディーのZS/Si用16インチアルミホイール
V/Gグレード用の15インチアルミホイール
Xグレード系は15インチのスチールホイールに樹脂フルキャップの組み合わせ

23.8km/LのJC08モード燃費を実現する本格ハイブリッド

 パワートレーンでは、新設定のハイブリッドシステムは基本的にプリウスαと同スペックで、直列4気筒DOHC 1.8リッターの2ZR-FXEエンジンは73kW(99PS)/5200rpmの最高出力、142Nm(14.5kgm)/4000rpmの最大トルクを発生。5JM交流同期電動機のモーターとの組み合わせでシステム最高出力100kW(136PS)を手に入れる。これにより、同クラスでハイブリッドモデルをラインアップするセレナのS-HYBRIDモデルがマークする16.0km/LのJC08モード燃費を大きく上まわる23.8km/Lという燃費を実現。また、2.0リッターガソリンエンジンの3ZR-FAEエンジン搭載車も燃焼効率を大幅に改善。さらに変速比幅をトヨタ車最大とした新しいCVT、蓄冷エバポレーターを利用するアイドリングストップ機能の追加などによって、ガソリンモデルの2WD(FF)車で最高16.0km/LのJC08モード燃費を達成している。

 シャシー性能では、リアサスペンションを新開発し、フロントサスペンションも快適な乗り心地とハンドリング性能を追求してチューニング。ボディーには超高張力鋼板を使用して約180点のスポット溶接増し打ちを実施。フロア下のリアサスペンション付近には路面からの入力を受け止めるブレースバーを追加して剛性の高いボディーを作り上げ、優れた操縦安定性と快適なキャビンを実現している。

 このほか、安全装備としてはSRSエアバッグ(運転席/助手席)とSRSニーエアバッグ(運転席)を全車標準装備し、SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)、SRSカーテンシールドエアバッグ(フロント/セカンド/サードシート)も全車にオプション設定。合計7個のエアバッグを設定する。また、シフト操作の間違いによる急発進を抑制し、衝突時の被害を軽減する「ドライブスタートシステム」を全車に標準装備している。

ハイブリッドモデルの燃費は23.8km/L。ガソリンモデルでもセレナのS-HYBRIDモデルと肩を並べる16.0km/Lの燃費を実現した
フロントシートの下にニッケル水素バッテリーを設置。ボディー剛性も磨き上げてクルマとしての基本特性を高めている
「ドライブスタートシステム」では、アクセルが踏み込まれた状態のままシフト操作が行われたときなどにエンジン出力を抑制。急加速などを回避しながらマルチインフォメーションディスプレイに警告表示を点灯させ、ドライバーに注意喚起
最大7個のエアバッグを装着可能

 インテリアでは新開発の低床パッケージを採用。スライドドアからの乗り込み口を360mmという地上高に設定し、ノンステップで乗り降りしやすくフラットなフロアを実現したほか、車内高は1400mmとして広々とくつろげるキャビンスペースを確立している。また、車内では跳ね上げ式のサードシートを薄型化して格納時の車内張り出しを縮小。これと合わせて7人乗り仕様に装着されているセカンドキャプテンシートに左右スライド機構を持たせ、シートレールを後方まで延長して格納したサードシート脇まで後退させられる設定として、810mmという超ロングスライドが可能になった。

内装色は、ヴォクシーは「ダークブルー&ブラック」を基本に、ZSでは刺激的な「オレンジ&ブラック」が選択可能。ノアは「アイボリー」を中心にダークブルー&ブラックを設定。Siはダークブルー&ブラックのみ、ハイブリッド&ガソリンのGグレードはアイボリーのみを設定。ほかは選択可能としている
7人乗り仕様でシート表皮はファブリック
8人乗り仕様でシート表皮は幾何学模様と顔料ペイントを使うファブリック(ハイグレード)
3ナンバー車専用のエアロ専用ファブリック。エメラルドの光沢糸をセンター部分に使用している
セカンドシートをチップアップして前方にスライドさせ、サードシートを跳ね上げ格納した「ビッグラゲージモード」
セカンドシートとサードシートをフルフラットにして一体化した「リアフラットソファモード」
ラゲッジの床下収納スペースはガソリンモデルで134L。補機バッテリーを右脇に搭載するハイブリッドモデルは111Lとなる。デッキボードはガソリンモデルが一体型、ハイブリッドモデルは6:4分割型
スライドドアの「後席用サンシェード」は全車標準装備
ツインムーンルーフはヴォクシーのZS/V、ノアのSi/Gにオプション設定
フロントシート間のセンターコンソールトレイに「おくだけ充電」を設定。ハイブリッド専用装備となっている
「助手席シートバックティッシュポケット」はヴォクシーのV、ノアのGに標準装備
ダッシュボード中央に設置されるマルチインフォメーションディスプレイにはアナログ時計、ハイブリッドモデルの「エネルギーモニター」、ガソリンモデルの「エコドライブインジケーター」などを表示可能
ヴォクシーのZS/V/X、ノアのSi/G/Xにオプション設定される8型ワイドディスプレイのSDナビゲーションシステム。駐車時にステアリングを自動操作してくれる「インテリジェントパーキングアシスト」はノーマルモード(画角 約130°)とワイドモード(画角 約180°)を選択できる
新たに通常の生産ラインで作られることになった「車いす仕様車(スロープタイプ)」

 3代目ヴォクシー/ノアでは福祉車両のウェルキャブも充実。サイドリフトアップシート車に「標準タイプ」と「脱着タイプ」を設定し、「助手席リフトアップシート車」「ウェルライド(フレンドマチック取付用専用車)」などをラインアップする。

 また、福祉車両は車いすなどを載せる必要がなくなってからが困るからと導入をためらうユーザーがいることに着目して開発された「車いす仕様車(スロープタイプ)」は、車いすの設置スペースにあとから追加装着できる「後付けセカンドシート」を販売店装着オプションとして設定。さらにラゲッジスペースに設置された手動スロープは、これまで収納時は直立した状態になるのが一般的だったが、新たにヒンジ機構を追加して前方に倒せるよう設計を変更。荷物の出し入れのじゃまにならず、日常的な使い勝手をスポイルしないスタイルとなった。

スロープを前方に倒してサードシートも使用可能。車両重量が増えるなどの変更点はあるものの、ベースとなる車両とそれほど使い勝手に差もなく、導入しやすいよう工夫されている
サイドリフトアップシート車の「標準タイプ」
サイドリフトアップシート車の「脱着タイプ」
「助手席リフトアップシート車」
「ウェルライド(フレンドマチック取付用専用車)」

(編集部:佐久間 秀)