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トヨタ、「しず・カー」も登場した新型「パッソ」発表会

新開発低燃費エンジンでガソリン登録車トップの27.6km/Lを実現

2014年4月14日発売

 トヨタ自動車は4月14日、コンパクトカー「パッソ」をマイナーチェンジして発売した。価格は109万8655円~165万2400円。新型パッソのグレード体系などの詳細は関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140414_644227.html)を参照されたい。

新型パッソのアンベールシーン。フロントマスクを中心に、外観デザインが一新されている
内外装で異なるイメージを与えられたパッソ +Hana。丸いモチーフの多用などによってフェミニンなイメージとしている
パッソ
パッソ +Hana

「2つの個性」「低燃費」「安心の快適」が開発キーワード

トヨタ自動車 製品企画本部 主査 鈴木敏夫氏

 東京・お台場にあるトヨタのアミューズメント施設「メガウェブ」で開催された発表会では、新型パッソの開発を担当したトヨタ自動車 製品企画本部 主査 鈴木敏夫氏が車両解説を実施。新型パッソについて「パッソが属するコンパクト2ボックスや軽自動車は経済性や燃費性能に優れ、ファミリーからシニア、新社会人など幅広い層の人に愛されています。通勤や送り迎えなど日常用途で使い勝手がよく、さらに休日の買い物や遠方へのドライブなど使用シーンもさまざまです」「近年はお買い得感のあるコンパクト2ボックスや軽自動車を選ぶお客様が増え、環境意識の高まりや多くのモデルが用意されている選択肢の多様さ、そして免税効果などによって販売台数が確実に伸長しており、とくに軽自動車の伸びは目覚ましいものがあります。そんな激戦区に投入する新型パッソは、コンパクト2ボックスはもちろんのこと、売れ行きの好調な軽自動車との接点を担う極めて重要なポジションに位置付けています」と紹介。コンパクトカーの競争が激化するなかでパッソの役割はますます増大し、幅広いユーザーのニーズを満たすべく、「低燃費」「デザインの刷新」「安心で快適なクルマ」を目指して開発を進めたと語っている。

新型パッソ開発のポイントは「2つの個性を進化させたデザイン」「ガソリン登録車No.1の低燃費」「より安心で快適な装備」という3点
“2つの個性”では、パッソとパッソ +Hanaが持つそれぞれの個性を進化させ、デザイン上の違いを明確化
パッソ +Hanaにはオプション設定として、ルーフやホイールキャップなどにシンジュパールマイカ塗装を施した2トーンカラーのボディーを用意。「サクラパールマイカ」「ウグイスメタリック」「スミレメタリックオパール」で選択できる

「ガソリン登録車No.1の低燃費」の解説では、パッソに採用する1.0リッターと1.3リッターの2種類のエンジンのうち、販売台数の約9割を占める1.0リッターエンジンには特に注力して開発を行っているという。エンジン本体の改良に関しては、4月10日に開催した発表会(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140411_643910.html)でも紹介が行われているが、アトキンソンサイクルの採用、圧縮比のアップ、バルブタイミングの最適化、クールドEGRシステムなどの地道な改善の積み重ねでエンジンの高熱効率化を追求。さらにアイドリングストップ機構の進化、空力性能の向上など最新の低燃費技術を惜しみなく投入。これにより、1.0リッターの2WD(FF)モデルで一部のグレードを除き、ガソリン登録車でNo.1となる27.6km/Lの低燃費を実現している。

1.0リッターの直列3気筒DOHCガソリンエンジン「1KR-FE」と1.3リッターの直列4気筒DOHCガソリンエンジン「1NR-FE」の両方を大幅に改善。1KR-FE搭載の2WD(FF)モデルの“V package”車以外では、ガソリン登録車でトップとなる27.6km/Lの低燃費を実現。1NR-FE搭載車でも19.0km/Lとなっている
4月10日に発表した“エンジン熱効率の最大化”のほか、「停車前アイドリングストップ機能」「減速時の回生強化」「転がり抵抗低減タイヤ」などの採用がガソリン登録車トップの低燃費を実現する
27.6km/Lを達成したモデルでは、エコカー減税も免税(100%減税)となり、自動車グリーン税制でも75%減税となる

 このほかに発表会では、以前からトヨタの企業広告キャンペーンの「ドラえもん 実写版CM」でしずかちゃん役を演じている女優の水川あさみさんが登場する新型パッソのテレビCMが紹介され、水川あさみさんがゲストとして登場。新しくなったパッソやCMの展開などについてトークショーを行った。

新型パッソのテレビCMで実写版しずかちゃん役を演じる女優の水川あさみさん
新型パッソを見た感想として「本当に素直にかわいいなと思います。色もかわいいですし、大きさも女の人が運転するのにちょうどよくて、初めて見たときは“かわいいかわいい”とはしゃいだことを覚えています」とコメント
「ハートを磨け!」が新型パッソのキャッチフレーズ。新エンジンの採用で燃費性能を磨いたパッソのように、テレビCMのなかでは“しずかちゃん”が自分を磨くため、パッソに乗って自分探しに出かけるストーリーになるという
トークショーには着ぐるみ版のしずかちゃんと、なぜかテレビCMとは違う実写版のび太くん(キャイ~ンの天野ひろゆきさん)も登場。2月に結婚したばかりの天野さんに水川さんから祝福の言葉が贈られ、天野さんは「このパッソのことを奥さんに教えたいと思います」と語っていた
2人のしずかちゃんと新型パッソのフォトセッション
テレビCMに出てくる3Dモデルのしずかちゃんをモチーフにしたマスコットカー「しず・カー(SHIZU-CAR)」

 トークショーの終盤には、新しくなったパッソをアピールするためのマスコットカー「しず・カー(SHIZU-CAR)」が製作されたことも明らかにされた。しずかちゃんのイメージをボディーカラーなどで表現したこのしず・カーは、発表会が行われたメガウェブで4月26日まで一般向けに公開されたあと、最初の遠征として5月に開催されるトヨタ主催の国内ゴルフトーナメント「中日クラウンズ」の会場で展示。その後、全国のトヨタカローラ店などのイベントに合わせて貸し出しが行われ、展示される予定となっている。また、このしず・カーに続き、ドラえもんやのび太くんなどをモチーフにしたマスコットカーも製作され、全5台が用意されるとのこと。

パッソ +Hanaをベースにピンクやグリーンなどでカラフルに彩られたしず・カー
しずかちゃんの黒髪に合わせ、ルーフがつや消しブラックに変更され、リヤハッチもピンクになっている
タイヤはグリーンに塗られている。トレッド面までカラーリングされており、走行しない展示用の車両となっている
ドアミラーやドアハンドルなどをピンクにカラーリング
ルーフ後端には「タケコプター」を装着
しず・カーの近くには「どこでもドア」が展示されていた
パッソのフロントマスク。すっきりとした印象で男女問わず好感が持てるようにデザインし、ワイド感を強調したロアグリルや低重心を表現するキャラクターラインを与えている
ヘッドライトはハロゲン式のマルチリフレクタータイプを標準装備。上級グレードにはディスチャージヘッドランプをオプション設定
丸いアッパーグリルや白いフォグランプベゼルなどでポップでキュートなイメージを進化させたパッソ +Hana
ハロゲンタイプのプロジェクター式ヘッドライトでフロントマスクに曲線デザインを追加。全車にディスチャージヘッドランプをオプション設定する
12個のLEDを採用するリアコンビネーションランプ。基本的なレイアウトは同一だが、色遣いの変化でパッソとパッソ +Hanaを差別化。パッソではレッドを全面に用い、パッソ +Hanaではブレーキとスモールランプ部分に薄くピンクを配色してキラキラ感を強調している
スモールランプの点灯でピンクに色付けされた部分のLEDランプが点灯。ブレーキペダルを踏むと、上の5個が強く光ってブレーキランプになる
パッソ +Hanaでは、フォグランプベゼルドアミラー、ドアハンドルなどをシンジュパールマイカでカラーリングし、ポップで元気なイメージを表現
1.0リッターの直列3気筒DOHCガソリンエンジン「1KR-FE」。2WD(FF)でアイドリングストップを装備しない“V package”車は23.4km/L、それ以外のグレードでは27.6km/Lを達成。4WDモデルでは21.0km/Lとなる
165/65 R14タイヤ+アルミホイールはパッソ 1.0+Hana“G package”で標準装備
パッソ +Hana専用の2トーンボディーカラーのオプション選択車は樹脂フルキャップもシンジュパールマイカ色にカラーリングされる
パッソのインパネ。基本的なデザインに変更はなく、エアコン吹き出し口周辺の加飾変更などによってイメージチェンジしている
CVTはガングリップタイプのコラムシフトタイプとなっている
メーターパネル右下に、平均燃費やアイドリングストップ作動時間などを確認できるディスプレイを全車に設置
パーキングブレーキは足踏み式
インパネの下側はオープンタイプの収納スペースとなっており、センターのマルチトレイは照明付き
センターロアボックスは引出しタイプのカップホルダーとしても利用可能。3kgまで対応する買い物フックは回転式で、未使用時に引っかからないようにできる
パッソ +Hanaはエアコン吹き出し口の外周にピンクゴールドの加飾を設置
カーナビは全車ディーラーオプション。写真の「スマートナビ(16GB SDナビ)」のほか、100GBのHDDを備える「エクセレントナビ」、8GB SDナビの「マルチリンクナビ」などを用意する
パッソのドアトリム
手触りにこだわってシート表皮も変更。フロントシートはパッソ +Hanaが全車ベンチタイプ、パッソはグレードによってベンチタイプとセパレートタイプを使い分ける
ベンチタイプフロントシート中央は収納スペースを備えるアームレストにもなる
座面をダイブダウンさせてフレキシブルに利用できるリアシートはパッソ独自の個性
1.0X/1.0X“V package”のリアシートは一体可倒タイプ
リアシートはロック位置によって2段階にリクライニングする

(編集部:佐久間 秀)