ニュース

アルファ ロメオ、新型2シーターミッドシップ「4C」を日本導入

長澤まさみさんは「かわいらしさ、美しさ、デザイン性、走行機能などが魅力」とアルファ ロメオをアピール

長澤まさみさんと新型2シーターミッドシップ「4C」
2014年7月1日発売

783万円(4C)/891万円(4C Launch Edition)

 フィアットクライスラージャパンは5月27日、新型2シーターミッドシップ「アルファ ロメオ 4C(フォーシー)」を7月1日に発売すると発表した。価格は783万円。また、4Cの導入を記念した100台の限定車「4C Launch Edition(ローンチエディション)」を同じく7月1日に発売。こちらはフロント18インチ/リア19インチホイールやレザー/アルカンターラシートといった特別な装備が施されており、価格は891万円。

4Cのボディーサイズは3990×1870×1185mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2380mm

 4Cは2011年のジュネーブショーに出展された「4Cコンセプト」の市販モデル。市販モデルは2013年のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされている。

 ボディーサイズは3990×1870×1185mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2380mmとロー&ワイドな出で立ちとなっており、カーボンファイバー製パッセンジャーセルやアルミニウム製サブフレーム、低密度SMC(ガラス繊維強化樹脂)製ボディーパネルといった軽量素材をふんだんに使ったことで、車両重量は1100kg(乾燥重量は950kg)を実現する。

 パワートレーンでは、アルミ製シリンダーブロックや連続可変バルブタイミング機構などを組み合わせた直列4気筒DOHC1.75リッター直噴ターボエンジンと、6速乾式デュアルクラッチトランスミッション「アルファ TCT」を組み合わせる。最高出力177kW(240PS)、最大トルク350Nm(35.7kgm)となっており、0-100km/h加速は4.5秒(欧州仕様参考値)を実現。エンジンは車両後方に搭載されるミッドシップスタイルで、後輪を駆動する。

4Cのステアリング位置は左右から選択可能。搭載する直列4気筒DOHC1.75リッター直噴ターボエンジンは最高出力177kW(240PS)/6000rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/2100-4000rpmで、ハイオク仕様。最小回転半径は5.5mとなっている
4Cのインテリア。ドアを開けるとカーボンファイバー製パッセンジャーセルがダイレクトに見え、かなりレーシーな仕上がりになっている

 5月27日には4Cの発表会を都内で開催。発表会にはフィアットクライスラージャパンの代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏、フィアットクライスラーグループ アルファ ロメオ エクステリアチーフデザイナーのアレッサンドロ・マッコリーニ氏、フィアットクライスラーグループ アルファ ロメオ 4Cチーフエンジニアのドメニコ・バニャスコ氏が登壇するとともに、アルファ ロメオのキャンペーンキャラクターを務める女優の長澤まさみさんが来場し、それぞれ4Cの魅力について語った。

4Cの導入に加え、「アルファ ロメオ ジュリエッタ」のラインアップをリニューアルするとともに、一部装備内容の変更を行って6月7日に発売する。価格はジュリエッタ スプリントが311万400円、ジュリエッタ スポルティーバが352万800円となっている
こちらは「アルファ ロメオ ミト」

バイクのように自分とマシンが一体化していることを実感して欲しい

 発表会の冒頭、ポンタス・ヘグストロム社長はアルファ ロメオブランドの概況について説明したほか、4Cについて「エクステリアからインテリアまで、細部に至って機能性と卓越した運動性能に必要な要素だけが感じられるモデル。アルファ ロメオのレースの精神と個性が体現されている。日本でようやく4Cを紹介できることを非常に嬉しく思っている」と述べるとともに、限定車である4C ローンチエディションについては、100台のみの設定であることから「ただちに完売されると思われる」と自信を覗かせた。

 次にエクステリアチーフデザイナーのアレッサンドロ・マッコリーニ氏が、4Cのデザインについて説明。

フィアットクライスラージャパンの代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏
フィアットクライスラーグループ アルファ ロメオ エクステリアチーフデザイナーのアレッサンドロ・マッコリーニ氏

 マッコリーニ氏は、市販モデルの4Cがコンセプトモデル(4Cコンセプト)に忠実に従ったデザインであると述べるとともに、性能面に影響しない個所を排除する一方で、「どうしても与えなければならなかったのがエレガントなエクステリアデザインで、すぐにアルファ ロメオと分かることが必須だった」と解説。その中で、4Cのデザインを手掛けるにあたって同社のヒストリックレーシングカー「Tipo33」の公道バージョン「Tipo33/2ストラダーレ」が、4Cのデザインにもっとも大きな影響を与えたモデルだったという。

 加えて、フロントノーズ部に配置される伝統の「盾」の左右に設置されるフロントグリル、その上にマウントされる涙滴型のヘッドライトユニット、抑揚のあるボディーライン、丸型テールランプを配したテールエンドなどは「8Cコンペティツィオーネ」のイメージを用いたものとなっている。

 インテリアでは、強化型複合材の構造体に軽量パッドを組み合わせたシートや、熱間成型製シェルを用いたインストルメントパネルとともに、カーボンファイバー製のパッセンジャーセルなどを採用したことを紹介したマッコリーニ氏は、「こうした技術やデザインのアプローチはモーターサイクルの世界に大変似ている。バイクを運転する人は、バイクと自分が一体化していることを実感しているはず。ぜひ4Cでも同じ感覚を皆さんに味わってほしいと願っている」とし、解説を終えた。

フィアットクライスラーグループ アルファ ロメオ 4Cチーフエンジニアのドメニコ・バニャスコ氏

 一方、車両全体については4Cチーフエンジニアのバニャスコ氏が語った。4Cの開発にあたり、まず重視したのがパワーウェイトレシオだったそうで、「4kg/PS未満という優れたパワーウェイトレシオを実現するには“まずパワーを上げればよい”という考えもあるが、パワーを上げれば車両価格も維持費も上がり、手が届きにくいクルマになってしまう」。そこで乾燥重量を1000kg以内に収めることとともに、優れた空力性能を実現すること、2シーターであること、リアミッドシップ+横置きエンジンレイアウトであること、パーフェクトな前後重量配分を目指してフロント40:リア60とすることなどを目標に掲げたという。

 中でも、950kgという乾燥重量を実現するにあたり中心的役割を担ったカーボンファイバー製パッセンジャーセルについて、「モノコックの動力性能は、ほかの素材やテクノロジーでは考えられないレベルに達している」と述べるとともに、ボディーパネルに採用した低密度SMC(ガラス繊維強化樹脂)を「この素材を使うことでデザインの自由度が得られ、最適なエアロダイナミクスを得ることができた」と評価。

 また、搭載する直列4気筒DOHC1.75リッター直噴ターボエンジンについては「パワープラントも、重さを感じさせない走りの実現に大きく貢献している」とし、アルミ製ブロックの採用によって鋳鉄製よりも22kg軽いこと、新世代ターボチャージャーや超高圧式直噴インジェクター、吸排気側に備える連続可変バルブタイミング機構などにより「このサイズのエンジンとして最高レベルの出力を実現した」(バニャスコ氏)。

 4Cもステアリングやエンジンなどを統合制御する「アルファ ロメオD.N.A.システム」を搭載するが、従来の「ダイナミック」「ノーマル」「オールウェザー」に加え、ABSが介入する緊急時を除きESC(横滑り防止装置)などがOFFになる「レース」モードが用意されるのが大きな特徴となっている。

 これらを紹介したあと、バニャスコ氏は「0-100km/h加速は4.5秒、最高加速度1.1G以上、最高減速度1.25G以上、100-0km/hの制動停止距離はわずかに35m」「4Cの走行テストはニュルブルクリンク 北コース(ノルドシュライフェ)でも行い、わずか8分04秒のタイムを実現している」と、4Cの走行性能についてアピールを行った。

4Cのパワーウェイトレシオは4kg/PS未満
4Cの構造
前後重量配分はフロント40:リア60
乾燥重量は950kgを実現
カーボンファイバー製パッセンジャーセルを採用
空力性能も追及
エンジンはアルミ製ブロックの採用により鋳鉄製より22kg軽いという
搭載エンジンで採用した技術
エンジン出力について
サスペンション形式はフロント:ダブルウィッシュボーン、リア:マクファーソンストラットを採用
前後異径タイヤを装備する
フロントブレーキはドリルドベンチレーテッドディスクとブレンボ製4ピストンキャリパーの組み合わせ
4Cでもアルファ ロメオD.N.A.システムを採用し、新たに「レース」モードを追加
0-100km/h加速は4.5秒、最高加速度1.1G以上、最高減速度1.25G以上、100-0km/hの制動停止距離は35m
ニュルブルクリンク 北コースで8分4秒のタイムをマーク

女優の長澤まさみさんがアルファ ロメオをアピール

 なお、発表会にはアルファ ロメオの魅力を伝える「I WANT ALFA ROMEOキャンペーン」(http://www.alfaromeo-jp.com/iwantalfaromeo/)のミューズ(女神)役を務める、女優の長澤まさみさんも参加。

 アルファ ロメオの魅力について聞かれた長澤さんは、「なんといっても情熱的な赤のイメージが強いですが、赤にはかわいらしさもありつつ、美しさ、デザイン性、走行機能などが優れているところが魅力なんだなと、改めてミューズ役を務めさせていただいたことで再確認できた」と述べるとともに、「アルファ ロメオの持っている強さとか美しさ、伝統などがこれからの私を応援してくれるような気がするし、歴史あるアルファ ロメオのミューズをやらせていただき責任を感じるし、頑張らないといけないと思っている」と、アルファ ロメオとコラボレーションした感想について語った。

 最後に、「私自身、クルマで色々と出かけたりするのが好きなのですが、やっぱり自分が一番キラキラしていられるクルマを皆さんにも見つけて欲しいですし、それがアルファ ロメオであって欲しいと思っています。これからもアルファ ロメオの素晴らしさと魅力を伝えていきたいと思っています」と今後の意気込みを語った。

 このI WANT ALFA ROMEOキャンペーンでは、5月31日までジュリエッタがプレゼントされるイベントも展開中。詳細はキャンペーンの特設サイトを参照いただきたい。

アルファ ロメオ 4C主要諸元

アルファ ロメオ 4C
ステアリング位置右/左
全長×全幅×全高[mm]3990×1870×1185
乗車定員(名)2
ホイールベース[mm]2380
前/後トレッド[mm]1640/1605(スポーツパッケージ装着車は1640/1595)
車両重量[kg]1100
エンジン直列4気筒DOHC1.75リッター直噴ターボ
ボア×ストローク[mm]83×80.5
最高出力[PS/rpm]177(240)/6000
最大トルク[Nm/rpm]350(35.7)/2100-4000
JC08モード燃費12.1km/L
トランスミッション6速乾式デュアルクラッチ「アルファ TCT」
前/後サスペンションダブルウィッシュボーン/マクファーソンストラット
前/後ブレーキベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
前/後タイヤ205/45 R17 / 235/40 R18(スポーツパッケージ装着車は205/40 R18 / 235/35 R19)

(編集部:小林 隆)