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ジャガー、新型スポーツクロスオーバーのコンセプトモデル「C-X17」を日本初公開

“アイアンマン”デザインも取り入れた「C-X17」市販モデルの日本導入は「そう遠くない」

ジャガー関係者とスポーツクロスオーバーのコンセプトモデル「C-X17」
2014年6月17日発表

 ジャガー・ランドローバー・ジャパンは6月17日、都内で新型スポーツクロスオーバーのコンセプトモデル「C-X17」の発表披露会を開催した。発表会にはジャガー・ランドローバー・ジャパンの代表取締役社長マグナス・ハンソン氏とともに、英国本社からグローバル・ブランド・マーケティング担当のアンナ・ギャラガー氏、インテリア・アドバンストデザイン チーフデザイナーのサンディー・ボイーズ氏が参加し、C-X17の概要について語った。

 なお、C-X17は一般公開され、今回の東京会場(スパイラルガーデン)に加え、大阪会場(グランフロント大阪ナレッジプラザ)でも展示を行う。東京会場は6月18日のみ、大阪会場は6月22日、23日の2日間にわたって行われる。開催時刻は東京会場が11時~20時、大阪会場が22日10時~17時、23日10時~20時30分となっている。

ジャガー・ランドローバー・ジャパンの代表取締役社長マグナス・ハンソン氏
英国本社のグローバル・ブランド・マーケティング担当であるアンナ・ギャラガー氏
同じく英国本社のインテリア・アドバンストデザイン チーフデザイナーのサンディー・ボイーズ氏

ガソリン、ディーゼルに加えプラグインパワートレーンも想定

 C-X17は2013年のフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされた5名乗車が可能なスポーツクロスオーバー車。大きな特徴としてアルミニウム製モノコックを採用したことが挙げられ、今後アルミニウム製モノコックをジャガーブランドのラインアップに展開するとしており、その第1弾はプレミアムC/Dセグメントに投入予定の新型スポーツセダン「XE」で初採用されることになる。XEについては、新設計の4気筒ディーゼルおよびガソリンに加え、Fタイプに搭載するV6エンジンの搭載も可能にしているという。

 C-X17は4718×1959×1649mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2905mmという体躯を持ち、エクステリアではラグジュアリーセダン「XJ」のノーズを進化させたデザインや、スポーツモデル「Fタイプ」を連想させるボディーサイド後部の立体的なライン、グロスブラックカラーの23インチアルミホイールなどの採用により、SUVでありながらスポーティであり、かつジャガーブランドのモデルであることを強く主張するデザインになっている。

C-X17のボディーサイズは4718×1959×1649mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2905mm。フランクフルトモーターショーで公開された際は4名乗車仕様だったが、今回のコンセプトモデルは5名乗車が可能と、異なる仕様であることが発表されている
スポーティなデザインのC-X17。ホイールサイズは23インチとかなり大きい

 発表会の冒頭、アンナ・ギャラガー氏は、新たに導入するアルミニウム製モノコックについて触れ、「アルミニウム製モノコックは理想のプロポーションとともに、ベストな乗り心地、ベストなハンドリング性能を実現してくれる。見て素晴らしく、運転して素晴らしく、そして所有コストが魅力的なクルマを作ることができる」と述べるとともに、パワーユニットについても言及。現時点で新開発のガソリンエンジンとディーゼルエンジンをC-X17のプロダクションモデルに搭載することを明らかにしているが、ギャラガーさんはこれらに加え「(C-X17は)プラグインパワートレーン技術にも対応する」と、電動車両の展開も示唆した。

 一方、チーフデザイナーのサンディー・ボイーズ氏はC-X17のデザインについて紹介。C-X17のエクステリアでは、高いパフォーマンスを強調するデザインが施されたボンネットフードや、ロングルーフを強調するリアゲートスポイラー、ダイナミックさを強調するボディーサイドを走る2本のキャラクターラインが特徴であると述べるとともに、インテリアでは「伝統的な高級素材とモダンな仕上げ技術を融合したデザインを採用し、カラーは漆黒と黄褐色を組み合わせたもの」と解説。中でもキャビンに開放的な雰囲気を提供する、傾斜のついた翼状のユニークなルーフを採用しており、ルーフからは楕円形のパノラマビューを楽しむこともできるという。

 また、そもそもデザインチームがどのようなものからインスピレーションを受けるか、デザインの考え方についても紹介。ボイーズ氏は建物やファッションなどからもデザインのヒントを得ていることについて触れるとともに、デザインにはユーモアも必要として、C-X17のエンジンをかけるとせり上がってくるギアシフトの回転ダイヤルは映画「アイアンマン」の心臓部に触発を受けたものだと解説を行った。

C-X17のインテリアは押出しアルミニウム製のランプシェードや格子フレームのスツール、ファッションアイテムなどからインスピレーションを得てデザインしたという。傾斜のついた翼状のユニークなルーフはC-X17を語る上で大きなポイントの1つになっている
ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・PRディレクター、若林敬市氏

 発表会の最後にはジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・PRディレクターである若林敬市氏も挨拶を行い、グローバルにおけるジャガー・ランドローバーブランドの販売台数について紹介を行った。若林氏によれば、グローバルでは2012年度が37万4636台だったのに対し2013年度は43万4311台と、16%増となっており、「つい3年前には20万台規模だったので、大変伸びている会社であるとご理解いただきたい」と述べるとともに、日本市場では2012年度が2854台だったのに対し2013年度は4414台と、55%増という好成績を収めた。

 このことについて、若林氏は「(販売台数の伸びは)ランドローバーによるところが大きいが、これからはジャガーの時代になる」とし、XJ、XF、Fタイプといった同社のラインアップについてや、今後導入予定の新型スポーツセダン「XE」を紹介。さらに「ジャガーが最新のテクノロジーや美しい素材を使い、優雅なディティールを持ち、イギリスの伝統を具現化したC-X17を日本にも導入する。日本の街を走る日もそう遠くない」と述べ、具体的に市販化されるタイミングなどは発表されなかったものの、C-X17のプロダクションモデルが日本でも販売されることを明らかにしている。

ジャガー・ランドローバーブランドの販売台数について。グローバルでは2012年度が37万4636台だったのに対し2013年度は43万4311台に増加
日本市場では2012年度が2854台だったのに対し2013年度は4414台と、約1.5倍の伸び

(編集部:小林 隆)