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ランボルギーニ、「ガヤルド」の後継となる新型「ウラカン LP610-4」発表会

CFRP×アルミの“ハイブリッドシャシー”と610HPのV10エンジンで最高速は325km/h

発表されたランボルギーニ「ウラカン LP610-4」
2014年7月17日発表

2750万円(税別)

 ランボルギーニ ジャパンは7月17日、新型「ウラカン(HURACAN)」を発表した。ガヤルドの後継となるモデルで、価格は2750万円(税別)。610HPを発生する新型のV型10気筒エンジン、4WDシステム、カーボンとアルミによって軽量化したハイブリッドシャシーなどが特徴となっている。

ランボルギーニ「ウラカン LP610-4」

新型のV10エンジン+DCTを搭載

 ウラカンに搭載されるパワーユニットは新開発のV型10気筒5.2リッター。“LP610”という名前のとおり、縦置きで搭載され、最高出力610HP/8250rpm、最大トルク560Nm/6500rpm。加給はせずに自然吸気のエンジンとなる。このエンジンにより、0-100Km/h加速は3.2秒。0-200km/hは9.9秒、最高速は325km/hとなる。

 新型エンジンは燃費の改善も行われており、100km走行あたりの複合燃料消費率は12.5L。アイドリングストップのストップ・アンド・スタートシステムの助けもあって、従来のガヤルド LP560-4との比較で11%改善されているという。

 トランスミッションはランボルギーニ初のデュアルクラッチトランスミッションとなる「ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ(LDF)」と名付けられた7速DCTを搭載する。2つのクラッチによる切り替え時間は、片方の伝達が切れてもう片方が伝達を開始するまで、百分の数秒にまで抑えているという。

 変速は完全な自動のほか、ステアリングホイールにあるパドルの操作によってマニュアル変速も可能。最大加速が必要な場面に備えて「ローンチコントロール」機能を装備している。駆動方式は新油圧式マルチプレートクラッチによる4WDで、フロント&リアのトルク伝達配分は、0:100~50:50という割合が可能。

 3つのドライビングモードを切り替えるシステム「ANIMA」は、イタリア語で魂という意味。エンジン、トランスミッション、4WD、ESCハンドリングシステムなどと連動。ステアリングホイールのスポーク下にあるボタンで、「ストラーダ(公道)」「スポルト(スポーツ)」「コルサ(レース)」のモード切り替えが可能。

 ステアリングは「エレクトロメカニカル・ラックアンドピニオン式パワーステアリング」で、車両片側がスリップしやすい路面でのブレーキ時や、カウンターステアリング時の修正を補助してくれる。オプションで「ランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング(LDS)」も用意される。

ヘッドライトはLEDによるもの
シャープなフロントのエアインテーク、メッシュの編み目は六角形
リアのエアインテークも六角形のメッシュ
ボトムライン
サイドミラー
サイドウインドーの後方下にフューエルリッドがある
ランボルギーニ ミウラに敬意を評してデザインしたというエンジンフード上のフィン。オプションで透明カバーもある
リアのディフューザー
車両後方をはね上げたダックテールスタイル。ウイング形状のスポイラーはない
Y型のテールランプ
リア中央にはランボルギーニのエンブレム

 ボディーサイズは4459×1924×1165mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2620mm。乾燥重量は1422kg。前後の重量配分は42:58となる。

 シャシーはアルミニウムと超軽量炭素繊維強化ポリマー(CFRP)のハイブリッドで形成。シャシー単体での重量は200kgにもならないとされており、従来のガヤルドのスペースフレームよりも軽量化。アクスルマウントのついたフロントとリアのセクションのほとんどは、RTM成形(樹脂注入成形)で作られた炭素繊維部品と軽量合金で構成されているという。

 エクステリアデザインは、フロントから車両のリアまでを1本のラインで繋げた特徴的なもの。リップスポイラーとアンダーボディーの上向きディフューザーの効果により、可変タイプのスポイラーを不要とした。サイドウインドーはランボルギーニ車の特徴でもある六角形とした。ライト類はヘッドライトを含めすべてLEDとしている。

 インテリアにおいても先進的な装備を満載。メーターパネルは1440×540ドットの12.3インチTFT液晶パネルで再現、モードによってはレブカウンターを中央に配して車速をデジタル表示するほか、ディスプレイのほとんどをマップ表示とすることも可能となっている。

 また、インテリアで特徴的な点は、センタートンネルにあるエンジンのスタート/ストップボタン。車両に乗り込んでエンジンを始動させるときに、赤いフラップを開いてからボタンを押すというギミックを備えている。

V型10気筒5.2リッターエンジンはリアミッドにマウント、X型のバーはCFRP製
20インチのタイヤ&ホイール。タイヤサイズはフロントが245/30 ZR20、リアが305/30 ZR20
キャリパーはシルバー塗装が標準だが、写真のオレンジなど別のカラーリングもオプション選択できる
インテリア
ステアリングホイールの下側スポークにあるボタンで3つのドライビングモードを切り替える「ANIMA」
メーターはほぼ全面を液晶ディスプレイで表示。タコメーターを小さくしたり、地図を表示することも可能
センターコンソールのメーターも液晶で表示する
センタートンネルのデザイン六角形がうまく使われている
エンジンスタートボタンは赤いフラップの下にある
オレンジのレザーインテリア。乗車定員は2人

ひと言で表現すれば「本能を呼び覚ますテクノロジー」

アウトモビリ・ランボルギーニ代表兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は、ウラカンに乗ってスモークのなかから登場した

 都内で開催された発表会では、来日したアウトモビリ・ランボルギーニ代表兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏がウラカンの説明を行った。ヴィンケルマン氏はウラカンが数々の新技術を搭載している点を「本能を呼び覚ますテクノロジー」と表現、ウラカンのドライバビリティについては「公道では乗りやすく、レーストラックではパフォーマンスを発揮する」と説明した。

 さらに、「クルマの成功に欠かせないのが、デザイン以外ではパフォーマンス」と語り、エンジンパワーの重要性を強調、自然吸気にこだわったという新型V10エンジンを搭載した点は「非常に低回転でも厚いトルクを生み出すことができる。パフォーマンスの高いランボルギーニらしいクルマ」と評価した。

 ヴィンケルマン氏はランボルギーニ社についても説明、毎年、売上高の20%を研究開発に投資していることや、3年前に発売したランボルギーニ アヴェンタドールは3000台以上を最初の3年間で販売し、加えて1年分の受注残があるという。これはかつて販売していたランボルギーニ ムルシエラゴの2倍の販売台数であるとして、好調さをアピールした。

左から、ランボルギーニ ジャパン カントリーマネージャーのエジナルド・ベルトリ氏、アウトモビリ・ランボルギーニ代表兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏、アウトモビリ・ランボルギーニ アジア太平洋地区代表 アンドレア・バルディ氏
ウラカンの説明を行う、アウトモビリ・ランボルギーニ代表兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏
新型V10エンジンのスペック
初採用した7速DCT「ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ(LDF)」
新しい4WDシステム
エレクトロニック・パワーステアリング
3つのドライビングモードを切り替えるシステム「ANIMA」
ウラカンのパフォーマンスはガヤルドよりも向上していると解説

(正田拓也)