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東京ビッグサイトで開幕した「東京モーターサイクルショー2015」

ホンダ「RC213V-S」やカワサキ「H2」「H2R」など話題のマシンが登場

2015年3月27日~29日開催

東京ビッグサイト

東京ビッグサイトで開幕した「東京モーターサイクルショー2015」。世界初公開モデルもお披露目

 オートバイの大規模展示会「第42回 東京モーターサイクルショー2015」が、東京ビッグサイトにて3月27日から29日の3日間の日程で開催されている。同ショーでは、国内外のオートバイメーカーの最新モデルが公開されているほか、多数のカスタムパーツ・用品も展示され、初日から多くの観客を集めている。

 前週は大阪モーターサイクルショーが開催されており、そこで公開済みの新モデルもそろっているが、この東京モーターサイクルショーで初披露されるモデルのアンベールイベントも行われ、発売前のオートバイをいち早く間近で見られるまたとないチャンスとなっている。ここでは主要オートバイメーカーの展示を中心にお届けする。

MotoGPマシンのプロトタイプモデル「RC213V-S」と、コンセプトモデル「BULLDOG」で勢いを見せるホンダ

MotoGPライダー マルク・マルケス選手の驚異的なバンク角を再現

 大阪モーターサイクルショーで発表されたとおり、本田技研工業はアウトドアレジャーをイメージしたコンセプトモデル「BULLDOG(ブルドッグ)」を展示している。ブルドッグは、ずんぐりとしたボディーと前後15インチという特殊なサイズのタイヤを装備し、399ccの水冷DOHC直列2気筒エンジンを持つ。シート高を730mmに抑え、車体自体も低重心を意識したフォルムとすることで足つき性を高め、バンパーを装備して女性も安心して扱える設計。前後にキャリアを設けているほか、ガソリンタンクのサイドにも開閉可能な収納を用意するなど、ユーティリティ性能も高めている。

ブルドッグ

 トラスフレームや片持ちスイングアーム、目立ちにくいアップタイプマフラーで、軽量感のあるスタイリングを実現したストリートファイター風のネイキッドコンセプトモデル「SFA」もお目見えしている。エンジンは単気筒であること以外公表されていないものの、全体的にはモタードにも見えるスリムな車体で、SFAが意味する「Small Fun Advance」の名のとおり、先進的な雰囲気とコンパクトさからくる楽しさ、パフォーマンスの高さを予感させる。

SFA

 ダカールラリーに参戦するホンダワークスマシン「CRF450 RALLY」をイメージした「CRF250 RALLY」も展示。249ccの水冷DOHC単気筒エンジンを搭載し、タイヤは前21インチ、後ろ18インチのブロックタイヤ。比較的大きめのカウルとスクリーンが装備され、長距離のオフロードを走破するのに長けたアドベンチャーモデルとなっている。

 本格的なアドベンチャーモデル「True Adventure」と、MotoGPの技術を結集して作り上げたプロトタイプモデル「RC213V-S」も参考出品されている。特に後者のRC213V-Sは、価格が2000万円を超えるとも噂される、MotoGPマシンのコピーモデルとも言える車両で、注目度は高い。片側のカウルが外されエンジンが見える状態で展示されており、芸術的な造形を細部まで眺めることが可能だ。

「CRF250 RALLY」
「True Adventure」
RC213V-S

カワサキは300PS超えのモンスターマシン「H2R」「H2」などを展示

 すでに発表され大きな話題を呼んでいる、スーパーチャージャー搭載のモンスターマシン「H2R」と公道仕様の「H2」を大々的に展示しているのが川崎重工業。300PSという常識外れのポテンシャルもさることながら、カーボンパーツやクロームパーツを多用した独特かつ先進性を感じさせるフォルムで、その迫力を感じ取ることができる。

「H2R」(右)と「H2」(左)
公道仕様の「H2」

 カワサキの車両のカスタマイズや輸入販売を手がける「ケイズスタイル」が、オリジナリティあふれるカスタム車両を多数展示しているのも目を引く。全身真っ黒に塗られたフラッグシップメガスポーツ「ZX-14R」や、海外でしか販売されていない海外専用車種の「J300」など、こだわりをもつユーザーに響く数々の魅力的なモデルが目を楽しませてくれる。

真っ黒にカスタマイズされた「ZX-14R」
海外でしか販売されていない「J300」

最新スーパースポーツ「YZF-R1」、「YZF-R3A」など豊富なラインアップのヤマハ

 最新技術を惜しみなく盛り込んだMotoGPマシンのホモロゲーション的なモデル「YZF-R1M」と、スーパースポーツのフラッグシップ「YZF-R1」を発表しているヤマハだが、今回展示しているのはそのうち「YZF-R1」のレースベース車両のみ。

「YZF-R1」

 しかしながら、3気筒ネイキッド「MT-09」のツアラーバージョンである「MT-09 TRACER」や、320ccエンジンのライトウェイトスポーツ「YZF-R3A」など、バリエーション豊かなラインアップで来場者を楽しませている。

スズキはスポーツネイキッド「GSX-S1000」などにまたがれる

 ほかの国内主要メーカーがきわめてハイスペックなコンセプトモデルや市販モデルを発表しているのと比べると、ややパワー不足の感を否めない2015年のスズキではあるが、スーパースポーツ「GSX-R1000」のDNAを受け継ぐスポーツネイキッドモデル「GSX-S1000」と、そのフルカウルモデル「GSX-S1000F」を展示し、巻き返しを図っている。

「GSX-S1000」

 この2車種は、従来ありがちだったスーパースポーツがデチューンされたようなスペックではなく、フルアジャスタブルサスペンションやブレンボ製モノブロックキャリパーなどを採用し、まさしくスーパースポーツをネイキッド化したモデル。実際にまたがることもできるので、来場の際にはぜひ試してみてほしい。

2015年からMotoGPに再参戦する「GSX-RR」。28日以降はまたがれるという

KTMはワールドプレミアの「RC250」と「250DUKE」を発表

 海外メーカー勢で、近年積極的に活動し気を吐くメーカーがKTMだ。この東京モーターショー2015でワールドプレミアとなる「RC250」と「250DUKE」の2車種を初めて発表し、車検不要ということもあり日本市場で人気の高い250ccカテゴリーに本格的に切り込む。

 これまでKTMではライトウェイトスポーツモデルとしてフルカウルの「RC390」やネイキッドの「390DUKE」を発表し、海外モデルとは思えないリーズナブルな価格設定もあいまって、注目度を高めてきた。

RC250
250DUKE

 今回発表された「RC250」と「250DUKE」は、そのRC390と390DUKEのパッケージを引き継ぎボアダウンした上で各部を最適化させたイメージではあるが、特に「RC250」についてはスリッパ―クラッチをビルトインし、スポーツ走行に適した性能を備える。いずれも特徴的なトラスフレームをもち、248.8ccの水冷DOHC単気筒エンジン、ラジアルマウントキャリパー、前後WP製のサスペンション、アルミキャストホイールを採用。ABSも装備したうえで、車重は「RC250」が約147kg(燃料を除く)、「250DUKE」が約139kg(同)と、きわめて軽量に仕上げた。

ニューモデルの「1290 SUPER ADVENTURE」
左の「1050 ADVENTURE」もニューモデルとなる

インディアンがオールブラックの「Chief Dark Horse」を初披露

 トラディショナルなアメリカンスタイルのオートバイブランド、インディアンモーターサイクルとビクトリーモーターサイクルも出展している。インディアンはワールドプレミアとなる「Chief Dark Horse」のアンベールイベントを行い、全身ブラックで統一された「ブラックアウトスタイル」で、シックながらも存在感のある車体を初披露した。

Chief Dark Horse

 排気量1811cc、最大トルク16.4kgmという余裕のあるエンジンと、細部までこだわったデザイン性の高い各部のパーツがトラディショナルなアメリカンらしさを引き立てているが、ABSやクルーズコントロール、キーレスイグニションといった最新装備も搭載し、さらなる安心感と快適さをも兼ね備えた。3月27日当日より販売を開始し、価格は267万8400円。

Indian Scout(左)と、Indian Road Master(右)も人気という

(日沼諭史)