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F1日本GP予選リポート、メルセデスのロズベルグとハミルトンがフロントロー獲得

マクラーレンホンダの2台は14位と16位から追い上げ目指す

2015年9月25日~27日開催

決勝レースのポールポジションを獲得したメルセデスのニコ・ロズベルグ選手

 三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催中の「2015 F1日本グランプリ」。開催2日目の9月26日は予選が行われ、今シーズン大本命のメルセデス勢2台が、明日の決勝レースのフロントローを独占した。

 12時から始まったフリー走行3回目(FP3)の後、明日の決勝レースのスタート順を決定する予選がQ1、Q2、Q3の3回にわたって行われ、ポールポジションを獲得したのは、現在シリーズランキング2位となっているメルセデスのニコ・ロズベルグ選手、昨年の日本GPについで2年連続のポールポジション獲得となった。

メルセデスのルイス・ハミルトン選手

 2位は、同じくメルセデス勢で、昨年の日本GP優勝者で昨年のワールドチャンピオンのルイス・ハミルトン選手。3位はウイリアムズのバルテリ・ボッタス選手となった。

ウイリアムズのバルテリ・ボッタス選手

 復帰初年度で、久々のホームレースとなるマクラーレン・ホンダ勢は、フェルナンド・アロンソ選手が14位、ジェンソン・バトン選手が16位となっており、明日の決勝レースでは10位までに与えられるポイントを目指したレースを展開することになる。

マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ選手

FP3で見えてきた、メルセデス1強とウィリアムズ、レッドブル、フェラーリの拮抗した戦力図

 お昼の12時から行われたFP3では、昨日のFP1、FP2がいずれもウェットとなって、どの車もセッティングやテストなどが進められなかったことがあって、各車ともにセッティング、新パーツのテスト、タイヤのチェックといったことに時間を割くべく、様々なプロセスが省略されて、いきなりタイム計測に入ったチームが多かった。通常1周目はインストレーションラップといって、軽く流してストレートを通過せずにピットを戻るラップをいれるのだが、今回のFP3では各車ともそのインストレーションラップを行ったのはフェラーリ勢のみで、他のチームはほぼそのまま周回に入り、タイム計測を重ねた。

 FP3が始まると、多くの車が、今回用意された2つのタイヤ(プライム側のハードタイヤ、オプション側のミディアムタイヤ)のうちプライム側となるハードタイヤをはいて周回を進めた。セッションの最初をリードしたのは、インフィニティ・レッドブル・レーシング(以下レッドブル)のダニエル・リカルド選手で、まずハードタイヤで最速タイムを出すと、すぐにミディアムタイヤに切り替えてでていくと、1分34秒台のタイムを叩き出して、タイムシートの最上位を確保した。それに続いたのは、姉妹チームのスクーデリア・トロロッソ(以下トロロッソ)のマックス・フェルスタッペン選手とカルロス・サインツ Jr選手の2人、そのあとにリカルド選手のチームメイトとなるダニール・クビアト選手が続く展開になった。これに対してメルセデスAMGペトロナスF1チーム(以下メルセデス)勢およびその他のチームは、前半はハードタイヤで黙々と周回を続ける展開になり、ハードタイヤでのタイヤの持ちを確認しているかのような動きだった。

レッドブルのダニエル・リカルド選手

 中盤には、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトン選手がミディアムタイヤに履き替えると、それまでのタイムを5秒も短縮して、一気に4位にあがると、サーキット全体が盛り上がった。もちろんそれから多くの車がミディアムタイヤに履き替えてタイムを出すことが予想されるため、大きな意味がある訳ではないが、地元のマクラーレン・ホンダ勢が上位に来るという展開はファンも臨んでいるものであるため、盛り上がりを見せた。

 中盤に入ると多くの車がミディアムタイヤに履き替え、次々とそれまでのタイムを塗り替えていく展開に、ボッタスが2番手にあがるタイムを出すと、それまでトップだったリカルドも、2つ目のミディアムタイヤを投入し、それまでのトップタイムを短縮する1分34秒497を出した。これに対して、前戦シンガポールGPの覇者であるスクーデリア・フェラーリ(以下フェラーリ)のセバスチャン・ベッテル選手、そのチームメイトとなるキミ・ライコネン選手は、ミディアムタイヤではタイム更新を狙わず、ひたすらロングランに徹していた。

 残り25分になったところで、メルセデス勢の2台が新しいミディアムタイヤをつけてコースイン。すると、ニコ・ロズベルグ選手が、瞬く間にリカルド選手のトップタイムをすべてのセクターで上回って0.5秒差の1分33秒995をマークしてトップに浮上。それにチームメイトのルイス・ハミルトン選手が続いて2位のタイムをマークすると、やはりメルセデス勢が、この鈴鹿でも速いだろうという予想を裏付ける展開となった。

 FP3の終盤には、レッドブルのリカルド選手、トロロッソの2台が中古のミディアムタイヤでのレースランを始めて、レースペースでの周回を始めた。もちろんどのような燃料を積んでいるのかわからないのだが、1分40秒前後のラップタイムで安定したラップを刻み始めた。他のチームは、新品のミディアムでタイムアタックを始めるタイミングなだけに面白い戦略だ。その終盤にはフェラーリが新品ミディアムをはいてタイムアタックを開始したが、ベッテル選手は8位、ライコネン選手は6位というタイム。シンガポールを制したフェラーリ勢が思ったほど、あがってこない、そうした展開となったFP3になった。

 結局ロズベルグ選手が1位、チームメイトのハミルトン選手が2位、前半早々に最速タイムを出したリカルド選手が3位、ウイリアムズ・マルティ・レーシング(以下ウイリアムズ)のバルテリ・ボッタス選手が4位、同じくウイリアムズのフィリペ・マッサ選手が5位、フェラーリのライコネン選手が6位という展開になり、この時点では予選はメルセデス勢 vs レッドブルのリカルド選手とウイリアムズの2台、それに続いてフェラーリ勢という展開が予想されるFP3になった。

 マクラーレン・ホンダの2台はバトン選手が12位、フェルナンド・アロンソ選手は16位となった。マクラーレン・ホンダにとっては、バトン選手が12位となったことで、午後の予選に向けては、Q1突破がターゲットになったということができ、ライバルはザウバーの2台とロータスのパストール・マルドナード選手になりそうだ。

マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトン選手

FP3の結果

順位カーナンバードライバーチームタイムギャップ周回数
16ニコ・ロズベルグメルセデス01:33.995-19
244ルイス・ハミルトンメルセデス01:34.292+0.297s20
33ダニエル・リカルドレッドブル・レーシング01:34.497+0.502s22
477バルテリ・ボッタスウイリアムズ01:34.797+0.802s27
519フィリペ・マッサウイリアムズ01:34.934+0.939s25
67キミ・ライコネンフェラーリ01:35.082+1.087s16
733マックス・フェルスタッペントロロッソ01:35.160+1.165s26
85セバスチャン・ベッテルフェラーリ01:35.222+1.227s16
98ロマン・グロージャンロータス01:35.602+1.607s20
1055カルロス・サインツトロロッソ01:35.963+1.968s29
1127ニコ・ヒュルケンブルグフォースインディア01:36.110+2.115s19
1222ジェンソン・バトンマクラーレン01:36.174+2.179s15
139マーカス・エリクソンザウバー01:36.199+2.204s19
1426ダニール・クビアトレッドブル・レーシング01:36.294+2.299s23
1513パストール・マルドナードロータス01:36.307+2.312s21
1614フェルナンド・アロンソマクラーレン01:36.360+2.365s18
1711セルジオ・ペレスフォースインディア01:36.430+2.435s21
1812フィリペ・ナッサーザウバー01:36.919+2.924s24
1928ウィル・スティーブンスマルシア01:39.653+5.658s24
2053アレクサンダー・ロッシマルシア01:39.819+5.824s22

メルセデスの2人が他を0.5秒近く離してダントツのワンツー、3位以下は混戦

 15時から開始された予選は、予選1回目(Q1、18分)で5台が、予選2回目(Q2、15分)で5台が脱落し、予選3回目(Q3、12分)が残り10台で行われるという仕組みで行われた。FIA発表による路面温度38度、気温27度、路面はドライという環境の中で行われた。

フェラーリのセバスチャン・ベッテル選手

 予選1回目(Q1)で早々にトップタイムを出したのは、メルセデスの2人、ハミルトン選手とロズベルグ選手。いずれも1分33秒台と他車を引き離すタイムを出した。それに続いたのはフェラーリのライコネン選手、ウイリアムズのボッタス選手、フェラーリのベッテル選手、ウィリアムズのマッサ選手、それにレッドブルのリカルド選手という、いずれもFP3で上位に来た7人だった。彼等はいずれもハードタイヤでタイムを出していたが、5位だったベッテル以下のドライバーはもう一度のアタックが必要だと考えられたが、結局ピットから出ることなくQ1を通れると見たのか再度タイムアタックは行わなかった。

 マクラーレン・ホンダの2人はQ1突破を狙い最初からミディアムタイヤでのアタックをかけるが、ヘアピンの先でトロロッソのフェルスタッペン選手がパワーユニットからの出力がなくなるというトラブルでストップし、車を降りることになった。このため、その後を走っていたマクラーレンの2台、ザウバーの2台などがタイムアップすることができず、結局みなタイムを更新することができず、アロンソ選手は15位でギリギリQ2へ進出することができたが、バトン選手は16位に終わり、Q2に進むことができなかった。なお、フェルスタッペン選手は8位でQ1を突破したが、規定によりQ2には進めず15位のグリッドが確定になった。

ウイリアムズのフィリペ・マッサ選手

 15時25分からスタートした予選2回目(Q2)では、いずれの車も最初からオプション側のミディアムタイヤをつけてのアタックとなっている。1回目の走行が終わると、トップはメルセデスの2人で、ロズベルグ選手、ハミルトン選手の順となったが、2人の差は3/100秒で、ほとんどないも同じだ。3位はフェラーリのライコネン選手、その後にウイリアムズのマッサ選手、ボッタス選手、フェラーリのベッテル選手の順になった、6位のベッテル選手までの6人は1回目の走行で十分だと判断したのか、2回目は走らずピットで他の選手の状況を見ることになった。

 結局6位のベッテル選手までのタイムを脅かすドライバーは現れず、7位リカルド選手、8位フォース・インディアのペレス選手、9時レッドブルのクビアト選手、10位ロータスのグロージャン選手までがQ3に進むことになった。マクラーレンのアロンソ選手は、ミディアムタイヤを節約するためか、1回目の走行を行わず、2回目の走行だけを行ったが、タイムアタックをした中では最も最下位の14位に終わり、残念ながらQ3に進出することができなかった。

フェラーリのキミ・ライコネン選手

 予選3回目(Q3)は15時48分から始まった。レッドブルのクビアト選手を除いた9台は2回アタックを敢行し、クビアト選手だけが1回のアタックにして他車とタイミングをずらす作戦にでた。1回目のアタックでトップタイムを出したのは、メルセデスのニコ・ロズベルグ選手、チームメイトのハミルトン選手とは、わずか7/100秒差!メルセデスの2人だけに集中して見るのであれば、非常に緊迫した予選になっていた。それに続いたのがウイリアムズのボッタス選手、フェラーリのベッテル選手、ウイリアムズのマッサ選手、フェラーリのライコネン選手、さらにレッドブルのリカルド選手という7位まで。やはり予想通り、メルセデスの2台が飛び出し、そこにウイリアムズ、フェラーリ、レッドブルのリカルド選手が絡むという展開にになった。

 残り3分半で、各車最後のアタックにピットアウトしていく。一番最初に動いたのは、ウイリアムズのボッタス選手、続いてレッドブルのクビアト選手、リカルド選手、メルセデスのロズベルグ選手、フォースインディアのペレス選手、さらにはメルセデスのハミルトン選手が続く展開。ロータスのグロージャン選手を挟んで、最後のフェラーリの2人が続くというなかなかしびれる展開だ。今回の鈴鹿では昨日雨が降ったため、後になればなるほど路面ができあがっていくため、後からアタックする方が有利だと考えられるが、それがどのような影響を及ぼすのか。

 ところが、ヘアピンで、レッドブルのクビアト選手が大クラッシュ。クビアト選手は無線での呼びかけにすぐ応え、体には問題はないとみられるが、リプレイで映し出されたクラッシュシーンでは、左フロントを草の上にのせると、左フロントからバリアに突っ込み、そのまま車は宙返りという非常に大きなアクシデントだった。レッドブルの左側は完全に破壊されていたが、クビアト選手が無事だったのは幸いだった(ただし、ウォーニングランプが点灯したため、クビアト選手は念のためドクターチェックを受けることになった)。

 これにより、全員ほぼ全員ラップタイムを更新することができず、結局1回目のアタックのままの順位で予選は決着した。1位はニコ・ロズベルグ選手、2位ルイス・ハミルトン選手、3位がバルテリ・ボッタス選手、4位がフェラーリのセバスチャン・ベッテル選手、5位がフィリペ・マッサ選手、6位がキミ・ライコネン選手となった。タイムから見れば、やはりメルセデス2台のタイムは際立っており、おそらく明日のレースはメルセデスの2台によるマッチレースとなるのは確実だろう。ロズベルグ選手がポールポジションを獲得するのは、第5戦のスペインGP以来であり、現在41点差に開いているポイント差を縮めることができるのか、そこが焦点になるだろう。

 ただ、3位以下に目をやると、3位、4位、5位、6位にぞれぞれウイリアムズとフェラーリのドライバーが入っており、7位に入ったレッドブルのダニエル・リカルド選手もこの3位争いに絡んでくる可能性が高い。ウイリアムズ2台+フェラーリ2台+リカルド選手のレッドブルの5台による3位争いが、明日のレースでのもう1つの焦点となるだろう。

予選の結果(なおカーナンバー27 ニコ・ヒュルケンブルグ選手は前戦でのペナルティにより3グリッド降格が決定済み、また、カーナンバー33 マックス・フェルスタッペン選手予選中の停止でダブルイエローフラッグにより他車のアタックを邪魔したため3グリッド降格)

順位カーナンバードライバーチームQ1Q2Q3周回数
16ニコ・ロズベルグメルセデス01:33.01501:32.63201:32.58416
244ルイス・ハミルトンメルセデス01:32.84401:32.78901:32.66015
377バルテリ・ボッタスウイリアムズ01:34.32601:33.41601:33.02411
45セバスチャン・ベッテルフェラーリ01:34.43101:33.84401:33.24511
519フィリペ・マッサウイリアムズ01:34.74401:33.37701:33.33712
67キミ・ライコネンフェラーリ01:34.17101:33.36101:33.34710
73ダニエル・リカルドレッドブル・レーシング01:34.39901:34.15301:33.49717
88ロマン・グロージャンロータス01:34.39801:34.27801:33.96719
911セルジオ・ペレスフォースインディア01:35.00101:34.174-16
1026ダニエル・クビアトレッドブル・レーシング01:34.64601:34.201-15
1127ニコ・ヒュルケンブルグフォースインディア01:35.32801:34.390-13
1255カルロス・サインツトロロッソ01:34.87301:34.453-15
1313パストール・マルドナードロータス01:34.79601:34.497-13
1414フェルナンド・アロンソマクラーレン01:35.46701:34.785-8
1533マックス・フェルスタッペントロロッソ01:34.522--8
1622ジェンソン・バトンマクラーレン01:35.664--6
179マーカス・エリクソンザウバー01:35.673--5
1812フィリペ・ナッサーザウバー01:35.760--6
1928ウィル・スティーブンスマルシア01:38.783--5
NC53アレクサンダー・ロッシマルシア01:47.114--5

昨年のような展開にはならないと自信を見せるポールポジションのロズベルグ選手

予選上位3人の記者会見に参加した3人のドライバー

 予選終了後、予選上位に入った3人のドライバーによる記者会見が行われた。以下その日本語訳になる(翻訳:筆者)。

(TV用記者会見)

Q:ニコ、おめでとうございます。もう1度ここでのポール、2度目の走行の時に何が起こったのかを聞く必要があるけど、その前に今週始まるときに、ライバルのルイスに対してここではアドバンテージがあるだろうと言っていましたが、まさにその通りになりました

予選でポールポジションを獲得したニコ・ロズベルグ選手(メルセデス)

ロズベルグ選手:そうだね、本当ハッピーだよ。今日は本当にいい日で、チームにとってもいい形で戻ってくることができた。先週みたいなつらい週末をすごした後だと僕らの普段の強さを見せることができて本当に嬉しい。チームには本当に感謝したいね。本当にこのサーキットにすべてがぴったりはまったんだ。僕にとっては、今日はラップは本当に完璧だったし、明日に向けてこのポジションを得れたことは本当に嬉しいよ。

Q:ルイス、1周のうちいくつかのミスがあったようだけど、2回目のラップでは何が起きたの?

予選で2位になったルイス・ハミルトン選手(メルセデス)

ハミルトン選手:そんなに大きな問題ではなかったんだ。でも2回目のラップは本当に完璧だったように思えたよ。最初のラップではわずかにタイムをロスした、特にターン11(筆者注:ヘアピン)と最終コーナーかな。今週はニコが非常にいいドライビングを見せていたし、僕も最後のラップはかなりいい感じでやれいて、やったーって思ってたんだけど…リカルドかクビアトかわからないけど、彼が無事だとわかって本当よかったよ。

Q:クビアト選手でしたが、大丈夫でしたよ。彼は自分で車から降りましたし…

ハミルトン選手:本当安心したよ。

Q:バルテリ、ウイリアムズ vs フェラーリ vs レッドブルという戦いで勝利してどれだけびっくりしましたか?

予選で3位になったバルテリ・ボッタス選手(ウイリアムズ)

ボッタス選手:僕たちにとっては非常にいい展開だよね。ここはシンガポールとは全く違う種類のサーキットだし、僕たちの車にはいつでもいいサーキットなんだ、今週末はドライであれば非常にいいセットアップがあったし、今日のFP3や予選でいい仕事ができたと思っている。この土曜日は、昨日が雨になったことこれまでで最も厳しい土曜日だったし、ここでは何よりも予選順位が大事だから、いい意味で驚きだったよ。

Q:ニコ、みな同じ条件ですが、通常であれば4時間のところ今日1時間のフリー走行で明日レースに向けてすべてを仕上げなければなりませんでした。明日のレースに向けて車は仕上がっていますか?

ロズベルグ選手:車の状態には自信があるよ、でも誰もがそうだけど、完璧な準備はできていない。それでも僕はいいバランスを見つけたと思っているし、今朝燃料タンクが重たい状態でもいいバランスだったので、大丈夫だと思っているよ。

(TV以外のメディア向けのプレスカンファレンス)

Q:ニコ、去年に続いてのポールポジションですが、去年は2位でした。今年はそれを変えることができますか?

ロズベルグ選手:願わくば明日もドライであって欲しいね、その方が僕には有利だ。それがまず重要な要素の1つかな。でも、今朝ドライで走ったときの車のハンドリングは本当に快適だったし、よいロングランもできた。問題ないと思うよ。

Q:ルイス、先週のつらい週末からするとメルセデスの調子が戻ってきたように見えますが?

ロズベルグ選手:僕らのクルーは本当に頑張って何が問題を見つけてそれを解決してくれたんだ。先週のなんんか変な状況からこうして戻って来れたことは本当にいいことだよね。今週は車の調子は本当にいいよ。

Q:お2人に伺いますが、2人とも完璧な車があって、すべてがいいとおっしゃいますが、今週に向けて何が違っているのでしょうか?

ロズベルグ選手:今日僕の車は本当に完璧だったし、それをドライブするのは本当に楽しいんだ。鈴鹿は本当に素晴らしいサーキットだから、そこを優れた車でドライブするってのはこれ以上にスゴイことなんてないよね…
ハミルトン選手:このスポーツにとって素晴らしいことは、本当に完璧な車なんてないってことだよね。いつでも進化させるべき部分はあるし、僕らはそれに向けて努力している、それはドライバーの仕事だし、エンジニアの仕事でもある。僕たちのエンジニアは先週から今週にかけて本当にいい仕事をしてくれて、セットアップを変えることで対処してくれた。それによって予選はエキサイティングなものになって、ニコとのバトルは本当に楽しかったよ。でも最後のラップを完成できなかったことは本当に残念だったね。

Q:バルテリ、ここで再びようグリッドを得ましたが、レッドブル、フェラーリとの激しい競争の中で、ウイリアムズがこのサーキットに合わせ混むことができたってことかな?

ボッタス選手:元々このサーキットに向けてはシンガポールよりはいいだろうとは思っていた。シンガポールで投入したダウンフォースを増す新しいパーツも、このサーキットでだいぶ役立っていると思う。特に操縦安定性が求められるハイスピードコーナーではね。ドライブしていて非常に快適なんだ。実際FP3からスムーズにいってて、僕らのチームは非常にいい仕事をしたと思うね。明日も同じように完璧にこなしていきたい。

Q:ニコ、昨年は雨の中で厳しそうだったけど、もし明日雨が降ったら、去年ルイスに遅れをとったようなことになると思いますか?

ロズベルグ選手:決して雨の中でつらくはなかったよ。去年僕が厳しかったのは、インターミディエイトのタイヤをはいたときだった。でも昨日インターミディエイトを履いたときにはいい感じだったし、自信があるよ、大丈夫さ。

Q:ニコ、練習走行や予選が進むにつれてトラックの状態は改善していきましたか?

ロズベルグ選手:そうだね、確かプライムタイヤを履いている時に1分33秒台のタイムを出したはずだけど、オプションタイヤに非常に近いタイムだった。僕にはそんなに改善していたとは思えなかったし、実際ソフト側のタイヤは少し性能以下しか働けてなかったんじゃないかな、実はもっと改善すると思っていたんだ。

Q:ニコ、去年のポールポジションのタイムを上回れなかったのはどうしてだと思いますか?

ロズベルグ選手:トラックの状態がよくなかったことが大きいと思う。(金曜日の雨で)ラバーが落ちてしまっていたんだろうね、それ以外には思いつかないな…

ティレル019、ウイリアムズ・ホンダ FW11、マクラーレン・ホンダ MP4/6などがデモ走行

ゲルハルト・ベルガー氏がドライブしたマクラーレン・ホンダ MP4/6、23年前のこの頃、ちょうどこの辺りでセナ選手がドライブする同マシンを追い越したはずだ…

 フリー走行3回目と予選の間には、クラシックF1カーのデモ走行が行われた。走行されたのは、1991年にゲルハルト・ベルガー氏(今回のF1日本GPに来場し、トークショーなどを行っている)がドライブして、日本GPに優勝したマクラーレン・ホンダ MP4/6、1987年にコンストラクターズタイトルとネルソン・ピケ氏のドライバーズタイトルを獲得したウイリアムズ・ホンダ FW11、さらには1990年に中嶋悟氏がドライブしたティレル019の3台で、マクラーレン・ホンダ MP4/6とティレル019は本人が、ウイリアムズ・ホンダ FW11は今年もインディカー・シリーズに参戦していた佐藤琢磨選手がドライブした。

中嶋悟氏がドライブしたティレル019
佐藤琢磨選手がドライブしたウイリアムズFW11

 特にオールドファンにとっては、ベルガー氏のドライブしたマクラーレン・ホンダ MP4/6は、懐かしさを感じた人も多いのではないだろうか。というのも、このMP4/6が走った1991年は、ナイジェル・マンセル氏がドライブするウイリアムズFW14・ルノーと、故アイルトン・セナのマクラーレン・ホンダ MP4/6が激しくチャンピオンを争った年で、やはりこの鈴鹿サーキットの日本GPまでタイトル決定が持ち越されていた。結果から言えば、マンセル氏が1コーナーでスピンアウトすることで、チャンピオンはセナが獲得することになるのだが、その最終ラップ、それまで独走していたセナが、最終コーナーで急にアクセルを緩めると、2位を走っていたベルガー氏に勝利を譲ってゴールするというレースになったからだ。

 それまでセナが人に勝利を譲るところなんて誰も見たことがなかっただけに誰もが唖然としたレースになったのだが、実はセナはベルガー氏がマンセル氏とのタイトル争いを援護してくれると約束してくれたことに感謝しており、レース前から譲ることを決めていたのだという。それなら、譲るにしてももっと前に自然に譲っていればよかったのに、わざわざ譲ったことを最終コーナーで明白にするあたり、セナのキャラクターのなせるところだと、賛否両論だったが、ベルガー氏は「勝ちは勝ちだ」と当時も気にしていなかった姿が印象的だった…

 その時2人が乗っていたマシンが、このマクラーレン・ホンダ MP4/6で、そのマシンを当時のヘルメットでベルガー氏がそれから24年経った鈴鹿サーキットを走るというのだから、当時のファンにとってはかなりの胸アツなイベントとなったのではないだろうか。なお、このクラシックF1カーのデモ走行は、明日(9月27日)の決勝日にも予定されている。

 なお、明日の決勝レースは、昨年より1時間繰り上がって14時からが予定されている。当日券も用意されているので、クラシックF1カーに興味があるオールドファンも、ハミルトン vs ロズベルグの行方に興味がある新しいファンも、明日は鈴鹿サーキットに集合だ。

(笠原一輝/Photo:奥川浩彦)