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「初めてのF1、復活のF1」まだ間に合う2015 F1日本グランプリ観戦ガイド(前編)

1万円以下で3日間観戦できます

 F1日本グランプリが今年も鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催される。鈴鹿サーキットで初めてF1日本グランプリが開催されたのは1987年。F1日本グランプリは今年で29年連続開催となるが、途中の2年は富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催されたので、鈴鹿サーキットを舞台に開催されるF1日本グランプリは27回目となる。

 筆者は1987年から、富士スピードウェイの2年を含めて28年間、金、土、日と皆勤賞でF1日本グランプリを観戦してきた。振り返ると、鈴鹿サーキットは大幅に改修されて観戦しやすくなり、交通網が整備されたことで観戦の行き帰りも楽になった。昔は往復ハガキを使って申し込みをした観戦チケットも、昨今ではインターネットやコンビニなどで簡単に買えるようになった。

2003年、ジェンソン・バトン
2005年、シューマッハ対アロンソ
2006年、佐藤琢磨

 読者のなかには「1度は生でF1を見てみたい」というF1未体験の方や、「20年前の独身時代は見に行ったけど、最近はTV観戦。また見に行きたいなあ」というF1リバイバル願望を持つ方もいるだろう。そこで今回は「初めてのF1、復活のF1」をテーマに、意外と楽に行けるF1観戦ガイドをお届けする。前編はチケットの入手方法や観戦エリアについて、後編は電車などの公共交通を使った行き方や、クルマで向かう場合のルートや駐車場、宿泊などについて説明したい。

F1のチケットって高いんでしょ? いいえ、1万円以下で3日間観戦できます

 筆者は知人から「家族でF1観戦すると何十万円も掛かるんでしょ」と言われたことがある。その言葉には筆者が毎年F1観戦をしていて、子供が小さかったころには子連れで観戦していたことをその知人が知っていたという背景がある。おそらく読者のなかにも、同じように「F1観戦=高い」というイメージを持っている方もいることだろう。

 記憶は薄いが、十数年前には小学生なら数百円のゆうえんち入場料で観戦できた。加えてそのころは、S字、逆バンクあたりも自由席で、おそらくチケット代は親子合わせても1万円程度だったと思われる。

2001年と2002年のF1日本グランプリで撮影。S字付近は自由席だった。当時小学生だった娘は、今年出産をして母親となっている

 数十万円のパドッククラブやVIPスイートは別格として、今年のF1日本グランプリで最も高価な席はグランドスタンド最上段(V2-10~12)の7万8200円(大人1名、3日間)。この席は人気が高くすでに完売となっている。3日間観戦できるチケットで最も安いのは西エリアチケットで、大人(24歳以上)9000円、U23(15歳~23歳、中学生を除く)6000円、子供(3歳~中学生)3000円だ。金曜日だけ観戦できるチケットなら大人4200円、大学生・高校生3100円、中学生1700円となっている。西エリアチケットが3日間で9000円というのは、音楽フェスティバルやアミューズメントパークに3日間行くのと比べても高くはないだろう。

 グランドスタンド最上段は完売しているが、まだ買える指定席はたくさんある。指定席の価格には幅があり、最も安いE-1席は1万4400円、人気の高い2コーナースタンド2階(B2席)は5万8700円、ヘアピン(I席)は3万6000円、シケイン2階席(Q2席)は4万9400円などとなっている(いずれも大人、3日間)。チケットは観戦場所により価格に幅があるので、懐具合に応じて選択すればよいだろう。

金曜日はお得? スケジュールを確認しよう

 チケット購入に向けてまずはF1日本グランプリのスケジュールを確認しよう。今年の開催日程は9月25日~27日。シルバーウィークの連休直後の金、土、日の3日間だ。9月開催は過去29年間で2回目。27日が決勝となるのは開催史上最も早い日程となる。逆に11月開催や10月下旬開催で凍えるような寒さだったこともあるが、今年は日程的に暖かいF1ウィークになりそうだ。走行スケジュールは

9月25日
10時~11時30分 フリー走行1回目
14時~15時30分 フリー走行2回目

9月26日
12時~13時 フリー走行3回目
15時~16時 公式予選

9月27日
14時~16時 決勝(53周)

 となり、予選は赤旗が出るとセッションの遅延で終了時刻が遅くなることがある。決勝は晴れればレース時間が1時間半ぐらい。フォーメーションラップや表彰式などを含めて2時間とみればよいだろう。

F1日本グランプリ タイムスケジュール

http://www.suzukacircuit.jp/f1/timeschedule/

 セッション時間を見ると、初日の金曜日は1時間半のフリー走行が2回で合計3時間。土曜日は1時間のセッションが2回で2時間。日曜日は決勝が2時間ほどで合計7時間となる。ちなみに2014年の入場者数は金曜日が3万人、土曜日が4万8000人、日曜日が7万2000人。走行時間が最も長く、比較的空いている金曜日はお得感がある。

比較的空いている金曜日も人気席は観客であふれる。ヘアピン(I席)とシケイン(Q2席)の写真

 走行スケジュールは金曜日から始まるが、木曜日にはレーシングコースを歩けるコースウォークやピットウォーク、サイン会なども開催されるので、日程にゆとりのある方は参加されるとよいだろう。

まだまだ人気席も大丈夫。チケットの販売状況を見てみよう

 次はチケットだ。F1日本グランプリのチケットは鈴鹿サーキットのオンラインショップとローソン、ミニストップ、ローチケで購入できる。鈴鹿サーキットのオンラインショップ(http://www.suzukacircuit.jp/f1-ticket/#TICKET)で購入できるのは9月18日まで。それ以降はローソンとミニストップの店頭、オンラインショップのローチケ(http://l-tike.com/sports/f1/)での販売となる。

 ローソン、ミニストップ、ローチケでは指定席の座席位置を選択できるので、「上段の通路側がいいな」「エリアのできるだけ右側がいいな」といったこだわりのある方はローソン、ミニストップ、ローチケで購入しよう。

 執筆時点(9月7日)の鈴鹿サーキットのオンラインショップ、ローチケの代表的なチケット在庫状況は以下のとおり。実際にはV1-1指定席+○○駐車場、V1-1指定席+△△駐車場、V1-1指定席+□□駐車場のように各指定席と駐車場の組み合わせがあったり、グループチケットで2名、3名、4名……と複数人のチケットがあったりして、200種類以上のチケットが発売されている。すべてを表記すると見づらいと思われるので、ここでは代表的なチケットのみを表記した。価格は大人1名の場合とした。○は販売中、△は残りわずか、×は完売。一部チケットは鈴鹿のみ、ローソンのみで販売しているので、取り扱いのない場合は非販売とした。

チケット情報(9月7日時点)
指定席、観戦エリア/グランドスタンド下段券種価格鈴鹿サーキットローチケ
V1-1大人63,800円
V1-2大人63,800円
V1-3大人63,800円
指定席、観戦エリア/グランドスタンド上段券種価格鈴鹿サーキットローチケ
V2-1大人70,000円××
V2-2大人65,900円
V2-3大人65,900円
V2-43歳以上共通料金74,100円××
V2-5大人70,000円
V2-6大人65,900円
V2-73歳以上共通料金78,200円××
V2-8大人74,100円×
V2-9大人65,900円
V2-103歳以上共通料金78,200円××
V2-113歳以上共通料金78,200円××
V2-12大人78,200円××
指定席、観戦エリア/ストレートエンド券種価格鈴鹿サーキットローチケ
A1大人42,200円
A2大人48,400円
指定席、観戦エリア/2コーナー券種価格鈴鹿サーキットローチケ
B1大人44,300円
B2-1大人58,700円
B2-2大人58,700円
B2-3大人58,700円
指定席、観戦エリア/2コーナー~S字券種価格鈴鹿サーキットローチケ
C-1大人28,800円
C-2大人28,800円
C-3大人28,800円××
C-4大人33,000円××
C-5大人33,000円××
C-6大人33,000円××
指定席、観戦エリア/応援シート券種価格鈴鹿サーキットローチケ
C HONDA応援席大人38,100円×
C レッドブル応援席大人38,100円非販売
C ルイス・ハミルトン応援席大人38,100円
C メルセデスAMG応援席大人38,100円
指定席、観戦エリア/S字~逆バンク券種価格鈴鹿サーキットローチケ
D-1大人18,600円××
D-2大人18,600円
D-3大人18,600円××
D-4大人38,100円
D-5大人38,100円
指定席、観戦エリア/逆バンク~ダンロップ券種価格鈴鹿サーキットローチケ
E-1大人14,400円
E-2 ローソンシート大人29,900円非販売
指定席、観戦エリア/ヘアピン券種価格鈴鹿サーキットローチケ
I大人36,000円
指定席、観戦エリア/ヘアピン~200R券種価格鈴鹿サーキットローチケ
J大人22,700円
指定席、観戦エリア/シケイン券種価格鈴鹿サーキットローチケ
Q1大人29,900円××
Q2-1大人49,400円××
Q2-2大人49,400円
Q2-3大人49,400円
指定席、観戦エリア/最終コーナー券種価格鈴鹿サーキットローチケ
R大人45,300円
指定席、観戦エリア/ファミリーシート券種価格鈴鹿サーキットローチケ
S ファミリーシート一組2名大人1名+中学生以下1名41,300円非販売
指定席、観戦エリア券種価格鈴鹿サーキットローチケ
西エリア(G・L・M・N・O)大人(24歳以上)9,000円
指定席、観戦エリア券種価格鈴鹿サーキットローチケ
金曜日券大人4,200円
指定席、観戦エリア/カメラマンエリア券種価格鈴鹿サーキットローチケ
カメラマンエリア(B2/ヘアピン入場可)B2/ヘアピン入場可63,800円
カメラマンエリア(ヘアピン入場可)ヘアピン入場可43,200円××
カメラマンエリア(C/D/E/M入場可)C/D/E/M入場可39,100円
指定席、観戦エリア/レディースシート券種価格鈴鹿サーキットローチケ
V1 レディース(1名)共通料金(1名)51,500円
V2 レディース(1名)共通料金(1名)72,000円×
B2 レディース(1名)共通料金(1名)53,500円××

 一例としてQ2席を見ると、Q2-1は鈴鹿もローチケも×、Q2-2は鈴鹿は△、ローチケは○、Q2-3は鈴鹿もローチケも○となっている。Q2-1がメインストレート側、Q2-3が130R側でメインストレート側の方が人気が高いということだ。Q2-1は完売となっているが、Q2全体で見ればそこそこ席は残っている。

 同様にV2席、C席、D席なども細分化された一部のエリアは完売しているが、まだまだ購入可能なエリアは残っている。唯一、Q1(シケイン1階席)だけすべての席が完売となっている。人気の高いV2席(グランドスタンド)、B2席(2コーナースタンド2階席)、I席(ヘアピン)、Q2(シケインスタンド2階席)なども現段階では購入可能だ。なお、指定席と駐車場を組み合わせたチケットは、駐車場が完売となっているためどの席もチケットの在庫はない。駐車場については次回で紹介するが、鈴鹿サーキットは周辺の駐車場が充実しているので、クルマを駐めるのに困ることはないだろう。

あなたはどの席を選ぶ? 各指定席をジックリ見てみよう

 サーキット全体の観戦エリアを確認しておこう。メインストレートの下段がV1席、上段がV2席。1コーナー側のストレートエンドにA1席とA2席。2コーナーのスタンドは1階がB1席、2階がB2席。その隣の左右に長いスタンドがC席だ。S字から逆バンクまでコースに沿ってSの字状に続くのがD席。逆バンクの立ち上がりからダンロップコーナーに沿ってL字になっているのがE席。ここからアルファベットの欠番があり、ヘアピンがI席。その先で200Rの外側にJ席。スプーンカーブ、西ストレート、130Rには指定席はなく、シケインスタンドの1階がQ1席、2階がQ2席。最終コーナーにR席とS席。S席はファミリーシートとなっている。

観戦エリアマップ

 ザックリ言うと、東コースはほとんどが指定席で、西コースはヘアピンと200R以外は自由席といった感じだ。ただし、金曜日はV1/V2席以外の指定席は自由席となっているので、自分が持っていない指定席で観戦することが可能だ。例えばヘアピン(I席)のチケットを持っている人は、金曜の午前は2コーナーのB2席、金曜日の午後はシケインのQ2席、土曜日の午前は自由席のスプーンカーブ、予選と決勝は購入したI席で見るといった観戦スタイルも可能となる。金曜日は走行時間が長く、空いていてお得と書いたが、さらに色々なスタンドでも観戦できるので、金曜日はメッチャお得なのだ。

 では、各席について具体的に見ていこう。すべての席を細かくチェックしていだくことも可能だが、例えば予算が1人3万円以下とか5万円以下とか、自分の条件に合わせて該当する席の詳細だけをチェックしていただき、そのなかから選択するのもよいだろう。

V1席

 V1席はグランドスタンドの下段。スタートシーンやストレートを駆け抜けるマシンを間近で見ることができる。3エリアに分かれていて、V1-1が1コーナー側、V1-3が最終コーナー側、V1-2はその中間となる。ただし、金網越しの観戦となるので左右の視界はあまりよくなく、最終コーナーや1コーナーは見づらい。現段階でチケットが完売になっているエリアはない。

V1-1のパノラマ写真
V1-2のパノラマ写真
V1-3のパノラマ写真

 鈴鹿サーキットのチケットページには各席の詳細な情報が掲載されている。各席のよい点、わるい点が中立な立場でコメントされているので参考にしていただきたい。チケットを購入すると同封されてくる座席表がPDFでアップされており、「席の詳細はこちら」をクリックすると、エリア内の複数個所から撮影した動画が大量に掲載されている。各動画ごとに「V1席Bブロック6列3番」など、撮影した席の番号まで公開されている。よくぞここまで作ったなと感心する力作なので、すでにチケットを購入済みの方も一見の価値があると言える。

V1席Bブロック6列3番

 ローチケでは座席を指定して購入できるので、動画を見れば実際に座る席付近からコースを見るイメージを事前に確認することができる。なお、各席のページで使われているトップ写真は筆者が撮影したパノラマ写真で、この記事内にあるパノラマ写真と同じものだ。記事で掲載している写真の方が解像度は高くなっているので、検討する際はあわせて参考にしていただきたい。

V1席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_v1.html#Contents

V1席の詳細(26個所の動画を公開)
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/v1.html

V2席

 V2席はグランドスタンドの上段。上下4段、左右に3ブロックで計12エリアに分割されている。人気が高いのは最上段と1コーナー側のブロックですでに完売となっている。最上段は見晴らしがよく、屋根があるので雨が降っても濡れることが少ない。1コーナー側のブロックはパッシングポイントである1コーナーへの進入を見ることができる。海外のサーキットは上位チームがピットレーンの入り口側のピットボックスを使用することが多いが、鈴鹿は例年ピットレーン出口側に上位チーム(前年のコンストラクター上位)が並ぶ。そんな理由もあって1コーナー側の人気が高い。

 最上段と1コーナー側の6つのエリアは完売だが、残りの6エリアは購入可能だ。この席も詳細な情報が鈴鹿サーキットのチケットページに動画付きで掲載されているのでご確認いただきたい。最終コーナー側の下段ほど1コーナーは見づらくなる。そこにこだわりのある方は、動画やパノラマ写真、ローチケの座席を見て判断してほしい。最終コーナー側にもメリットはある。チェッカーフラッグと表彰式は最終コーナー側のブロックなら間近で見られ、価格も少し安くなる。さまざまな要素を加味して検討すればよいだろう。

V2席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_v2.html#Contents

V2席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/v2.html

 公式サイトにはV2-12(最上段の最終コーナー側)のパノラマ写真が掲載されているので、この記事ではV2-2(最下段の真ん中)、V2-6(2段目の最終コーナー側)、V2-8(3段目の真ん中)、V2-10(最上段の1コーナー側=最も人気のある席)のパノラマ写真を掲載しておこう。

V2-2(最下段の真ん中)のパノラマ写真
V2-6(2段目の最終コーナー側)のパノラマ写真
V2-8(3段目の真ん中)のパノラマ写真
V2-10(最上段の1コーナー側)のパノラマ写真。ただし完売
A1席

 メインストレートの1コーナー側。ピット出口とリーダーボードタワーが目の前となる常設席がA1席だ。例えばピット戦略でアンダーカットを仕掛けたマシンが最終コーナーから駆け下り、対応したマシンがピットロードから出てくるといった緊迫の瞬間を間近で観戦できる。チケットは鈴鹿もローチケも販売中だ。

A1席のパノラマ写真(公式サイトと同じ写真だが高解像度)

A1席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_a1.html#Contents

A1席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/a1.html

A2席

 常設席のA1のさらに1コーナー側、ストレートエンドの仮設スタンドがA2席だ。鈴鹿サーキットを代表するパッシングポイントが目の前となる。チケットは鈴鹿は残りわずか、ローチケは販売中だ。

 公式サイトに掲載されたパノラマ写真は春に撮影したため仮設スタンドがなく、A1席左斜め後ろの土手から撮ったもので、実際の仮設スタンドはもっと1コーナー側に設置される。この記事に掲載するパノラマ写真はF1開催の数日前に仮設スタンドが完成し、コース内の各所で準備作業が行われているときに撮影したもの。実際のスタンドに近いイメージとなっている。残念ながらA2席の詳細ページには各席の動画がない。F1開催の前後にしか仮設スタンドがないため撮影できなかったと思われる。来年に期待しよう。

A2席のパノラマ写真(実際の仮設スタンドから撮影)

A2席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_a2.html#Contents

A2席の詳細(動画なし)
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/a2.html

B1席

 2コーナーにある大きなスタンドの1階席がB1席だ。2階席であるB2席と位置的には同じだが、視線の高さの差は歴然。金網越しにコースを見ることになるのでやや見づらい印象もある。逆に雨天のときは2階席が雨よけとなってくれる。屋根があるスタンドはV2の上段とここだけだ。だが、少々老朽化が進んでいて豪雨になると雨漏りも起きる。チケットは鈴鹿もローチケも販売中だ。

 公式サイトのパノラマ写真はB1席の中央付近で撮ったものが掲載されているので、この記事では右端と左端で撮ったパノラマ写真を掲載しておこう。

B1席右端のパノラマ写真
B1席左端のパノラマ写真

B1席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_b1.html#Contents

B1席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/b1.html

B2席

 B2席は2コーナースタンドの2階席で左右に長いスタンドとなっている。1コーナー側からS字方向にB2-3、B2-2、B2-1となっていて、B2-3はやや離れた中2階(と筆者は呼んでいる)のスタンドだ。個人的には鈴鹿サーキットで最高の観戦席はこのB2-3だと思っている。特に中2階の右側の席からはメインストレート奥まで見えるので、ストレート、1コーナー、2コーナー、S字と最高のバトルを見ることが可能だ。

 B2-2、B2-1は高い位置からコースを見とおすことができる。SUPER GTなどでエリア指定されるときも1コーナー側から席が埋まっていく印象なので、人気はB2-3、B2-2、B2-1順だろう。現在チケットはB2-3の鈴鹿が残りわずかとなっているが、それ以外は鈴鹿もローチケも大丈夫だ。

 個人的に気になったので、ローチケのサイトでB2-3のどこが空いているか確認してみた。すると、「スゲー、この席が座席指定で買えるんだ。ローチケ恐るべし」と思った筆者だった。画面キャプチャを掲載しようかとも思ったが、出遅れて記事を読んだ方が期待した席が売り切れていてガッカリすることもあるかと思い、掲載は見送ることにした。

 公式サイトのパノラマ写真はB2-1の左端から撮ったもの。B2で1番人気のないところだ。控え目にその写真を選んだのかもしれないが、この記事ではB2-3 中2階の右端で撮ったパノラマ写真を掲載しよう。メインストレートをジックリ見ると、コントロールラインからチェッカーが振られる遠い方のゲートまで見通せることが分かる。もう1枚は2階席の右端。B2-2の右側の席から撮ったパノラマ写真だ。

B2-3 中2階の右端で撮ったパノラマ写真
B2-2の右端のパノラマ写真

B2席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_b2.html#Contents

B2席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/b2.html

C席、応援席

 C席は2コーナーからS字まで左右に長いスタンドだ。スタンドを上下に2分割、左右に3分割し、C-1~C-6にエリア分けして販売されている。応援席もC-5とC-6の間に設置されている。下段の2コーナー寄りにあるC-3と上段のC-4~C-6までが完売となっていて、購入できるのはC-1、C-2と応援シートだ。やはり金網の影響を受けない上段の席の人気が高い。

 この席に限らず、指定席内のエリアは通路や階段で区分されていることが多い。例えば完売となったC-3と販売中のC-2は隣同士で階段で区分けされている。C-3の左端の席とC-2の右端の席は距離にして1~2mだ。同様にC-4とC-1は横移動の通路で分けられている。C-4の最前列とC-1の最後列も距離にして数mの差となる。ローチケで購入すれば、C-3に近いC-2やC-4に近いC-1を座席指定で購入できる可能性がある。

 公式サイトのパノラマ写真は完売となったC-3(下段2コーナー側)となっているので、この記事では購入可能なC-2とC-1のパノラマ写真を掲載しよう。個人的には高い金網のあるC-3より、C-2やC-1の方が見やすい席だと思っている。

C-2のパノラマ写真
C-1のパノラマ写真

C席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_c.html#Contents

C席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/c.html

「Honda応援席」「レッドブル応援席」「ルイス・ハミルトン応援席」「メルセデスAMG応援席」はC席の上段中央だ。いずれも残りわずかなので、購入したい方は急いだ方がよさそうだ。応援席の詳細はC席と同じページに用意されている。

応援席のパノラマ写真

応援席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/ouen-seat.html#Contents

D席

 D席はS字から逆バンクまでコースに沿ってSの字状に続くスタンドだ。2コーナーからS字までを見渡せるD-5とD-4はチケット価格が高く、逆バンクが見えるD-3、D-2、D-1は、D-5とD-4に対して半額以下となっている。D席はD-3とD-1が完売となっている。席の左右の位置で見え方が大きく異なるので、購入しようと思う席に近い席の動画を見て事前に確認しておきたい。指定席内で大きな価格差がある理由の1つはサーキットビジョンの有無だ。D-5の前方に設置されたサーキットビジョンはD-4でも見ることができるが、D-3、D-2、D-1はそのサーキットビジョンが見えない。ただし、D-1のダンロップコーナー側は隣のE-2用に設置されたサーキットビジョンを見ることができる。

 公式サイトのパノラマ写真はD-1とD-5が掲載されているので、この記事では購入可能なD-4とD-2のパノラマ写真を掲載する。

D-4のパノラマ写真
D-2のパノラマ写真

D席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_d.html#Contents

D席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/d.html

E席

 E席は逆バンクの立ち上がりからダンロップコーナーに沿ってL字になっているスタンドだ。逆バンク側がE-2、ダンロップコーナー側がE-1となっている。E-2は「ローソンシート」となっていて、鈴鹿サーキットのオンラインショップでは販売していない。E-1、E-2とも現在購入は可能だ。

 E-2は高い位置にあるスタンドなので、最上段から2コーナーをチラ見することもできる。筆者は最近このスタンドに行ったことがないので、手持ちの古い写真を探してみた。2006年、サーキット改修前でまだ土手だったころに、この付近から2コーナー方向を移した写真を掲載しよう。

逆バンクの内側に池があったころの写真
切り抜くと遠方に2コーナーが見える

 E-2は正面にサーキットビジョンがあるが、E-1にはビジョンがないためチケット価格はE-2の半額ほどとなっている。全指定席の中で最も低価格な席がこのE-1だ。E-1はダンロップコーナーからデグナーに向かうマシンを至近距離で見ることができる。シケインから最終コーナーに向かうマシンも、やや距離はあるがチラ見することもできる。

 東コースの観戦エリアでマシンが1番近くを走り抜けるのがE-1だ。2コーナーから逆バンクまでは報道カメラマンなどが移動する車両が通過できる幅のサービスロードが設置されている。例えば逆バンクは、コースの外にランオフエリア、スポンジバリア、タイヤバリア、ガードレール、サービスロードがあって観客席となっているが、E-1はランオフエリアがほとんどなく、スポンジバリアもタイヤバリアもサービスロードもないためメッチャメッチャ近い。

 一昨年までこの場所は「音が最高」な観戦ポイントだった。とくに二十数年前のV型12気筒エンジンの時代には、身震いするようなサウンドを聞くことができた。昨年からパワーユニットが変更となってF1が持つ音の魅力は減少したが、それでもアクセル全開で加速するマシンを至近距離で見られるのはE-1の魅力だろう。

E-2のパノラマ写真(公式サイトと同じ写真だが高解像度)
E-1のパノラマ写真

E席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_e.html#Contents

E席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/e.html

I席

 ヘアピンの立ち上がり側にあるスタンドがI席だ。例年だと常設スタンドの左側、クリッピングポイント側に仮設スタンドも用意される。常設席のエリアがI席で、その下の金網手前と左右の土手がカメラマンエリアとなる。I席は立体交差下からマシンを見ることができ、ヘアピン進入のブレーキングバトル、200Rに向け加速していくマシンを間近に見ることができる。

 人気のスタンドなので鈴鹿サーキットのチケットセンターは残りわずかとなっている。席の位置による優劣はあまり感じないが、強いて言えば上段が観戦向き、下段が撮影向きだと思われる。金曜日のI席は自由席なので、セッション開始間際に行くと入れないほど混雑することもある。

 座席の動画は用意されていない。仮設スタンドのA2席とJ席は撮影自体が不可能だったと思われるが、I席は時間切れでたどり着けなかったため動画撮影できなかったと想像している。最終コーナーのR席、S席の動画を見るとすっかり夕方の景色となっているので、東コースの撮影が精一杯だったのだろう。この席の動画も来年に期待しよう。

I席のパノラマ写真(公式サイトと同じ写真だが高解像度)

I席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_i.html#Contents

I席の詳細(動画なし)
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/i.html

J席

 ヘアピンからスプーンカーブに向かう200Rのアウト側、2輪専用シケイン付近に位置する仮設スタンドがJ席だ。ヘアピンを立ち上がったマシンが全開で加速して目の前を通過し、スプーン方向に走り去っていくシーンを楽しめる。さらにヘアピンに進入するマシンもチラッと見える。目の前にサーキットビジョンが設置されるようになったのでレースの流れもつかみやすい。

 2009年のサーキット改修後、全席指定席化のときは1万1000円の低価格席だったが、人気の高さから完売することも多く、サーキットビジョンも設置されて現在では倍以上の価格となった。それでも鈴鹿サーキットのチケットセンターは残りわずかとなっているので、隠れ人気席といった存在だ。

 J席は仮設スタンドなので、やはり各席の動画は用意されていない。また公式サイトのパノラマ写真はA2席と同じく仮設スタンドがない時期に撮影したので、金網付近に高い脚立を立てて撮影したもの。そのため、実際のスタンドより視線が低い写真となっている。

 この記事では仮設スタンドの完成後に撮ったパノラマ写真を掲載する。目の前ではスポンジバリアの撤去作業が行われているが、実際のスタンドに近いイメージとなっているので参考にしていただきたい。

J席のパノラマ写真(実際の仮設スタンドから撮影)

J席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_j.html#Contents

J席の詳細(動画なし)
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/j.html

Q1席

 Q1席はシケインを抜け、最終コーナーに向けて加速していくマシンを目の前に見ることができる。鈴鹿サーキットとローチケでともに完売している唯一の指定席だ。Q1席の右後方にあるQ2席は改修の際にできた巨大なスタンドだが、Q1席は昔からある常設席だ。下段の席は2重金網となるのでやや見づらい印象がある。今年は完売となっているが、来年以降で購入を検討される方は各席の動画を見て、上段下段の見え具合を確認することをお勧めしたい。

Q1席のパノラマ写真(公式サイトと同じ写真だが高解像度)

Q1席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_q1.html#Contents

Q1席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/q1.html

Q2席

 シケインにある巨大な常設スタンドがQ2席だ。立地の高さにスタンドの高さが加わり、鈴鹿サーキットで一番高い位置から東コースを一望できる。多くの指定席がベンチシートとなっているが、V1/V2席とこのQ2席は椅子が用意されていて快適だ。130R側からメインストレート側に向かってQ2-3、Q2-2、Q2-1と3ブロックに別れている。

 メインストレート側のQ2-1はすでに完売となっているが、Q2-2、Q2-3はまだ購入可能。Q2席は上段の席が見晴らしがよくお薦めだが、下段の席はかなり近い位置でマシンを見ることができる。下段を比べると、Q2-1は金網の影響が少ないが、Q2-2とQ2-3は金網越しにマシンを見ることになる。だが、Q2-3の下段はシケインが目の前なので、パッシングシーンやアクシデントを間近に観戦できる。

 公式サイトではQ2-2の上段のパノラマ写真が掲載されいるが、この記事ではQ2-1、Q2-2、Q2-3の上下段をすべて掲載しておこう。各席の動画とあわせて席選びの参考にしていただきたい。

Q2-1下段のパノラマ写真
Q2-2下段のパノラマ写真
Q2-3下段のパノラマ写真
Q2-1上段のパノラマ写真
Q2-2上段のパノラマ写真
Q2-3上段のパノラマ写真

Q2席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_q2.html#Contents

Q2席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/q2.html

R席

 最終コーナーに位置するのがR席だ。シケインの出口からマシンが見えて、最終コーナーは目の前、メインストレートを真後ろから見ることもできる。下段は金網越しの観戦となるのでお薦めは上段の席。チケットは鈴鹿もローチケも販売中だ。

R席のパノラマ写真(公式サイトと同じ写真だが高解像度)

R席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_r.html#Contents

R席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/r.html

S席(ファミリーシート)

 R席のメインストレート側の隣に位置するのがS席で、現在はファミリーシートとして販売されている。周囲の観客も子供を連れた観戦客なので、あまり気遣いがいらないのは家族連れにとってうれしいポイントだ。大人1名+子供1名、大人2名+子供1名などを組み合わせたチケットがあり、大人、子供を自由に追加できるので、ファミリー+お爺ちゃんとかファミリー+友人など、自由な組み合わせで観戦できる。チケットは鈴鹿サーキットのチケットセンターで販売中。こちらはローチケでは扱っていない。

S席(ファミリーシート)のパノラマ写真(公式サイトと同じ写真だが高解像度)

S席(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/family-seat.html#Contents

S席の詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/s.html

西エリアチケット/金曜日券

 今年から新登場したのが西エリアチケットだ。西コースの立体交差と130RのG席、スプーンカーブのM席がなくなり、数年前になくなったスプーンのL席とN席、西ストレートのO席を合わせて西エリアチケットとなった。ザックリ言うと、西コースの多くの場所は自由席になったということだ。

西エリアチケットの観戦エリア

 西コースだけで楽しめるの?と思う方もいると思うが、金曜日はV1/V2席とカメラマンエリア以外は自由席となるので、例えば金曜日のフリー走行1回目と2回目は人気の高いB2席(2コーナー)、Q2席(シケイン)、I席(ヘアピン)といった常設指定席で観戦し、土曜日、日曜日はエキストラビューや西コースのG/L/M/N/Oエリアで観戦することができる。欲張りな人は金曜日の1時間半のフリー走行中に2コーナーから逆バンクまで移動したり、シケインからヘアピンまで移動することも不可能ではない。個人的には金曜日は東コース、土曜日は130Rや西ストレートで観戦し、決勝はスプーンカーブがお勧めだ。

 チケットは鈴鹿もローチケも販売中だが、かなり好評と聞いているので、もしかするとローチケのみの販売に移行する9月19日あたりには完売しているかもしれない。このチケットは座席指定自体が存在しないので、どちらで買っても差はない。

Gエリア130R側のパノラマ写真
Gエリアの立体交差側のパノラマ写真
Lエリア(スプーン進入)のパノラマ写真
Mエリア(スプーン2つ目)のパノラマ写真
Nエリア(スプーン出口)のパノラマ写真
Oエリア(西ストレート)のパノラマ写真

西エリアチケット(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/seat_west.html#Contents

 金曜日券も観戦エリアは西エリアチケットと同じと考えてよいだろう。小売業などで土日に休めない人が、それでもチラッとF1を見てみたいというときに最適だ。何度も書いているが、金曜日は走行時間が長く、空いていて、ほとんど自由席という超お得な日なのでお薦めできるチケットだ。

金曜日券(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/friday_ticket.html#Contents

カメラマンエリアチケット

 筆者のようにカメラでF1マシンを撮影したい人に最適なのがカメラマンエリアチケットだ。撮影しやすい複数のエリアに入ることができる。

カメラマンエリアの撮影ポイント

 基本となる撮影ポイントはC席横の土手、D-5席、D-1席、E-2席の後方、スプーンカーブMエリア手前などで、これらのポイントはカメラマンエリアチケットがあれば誰でも入ることができる。現在、大きく分けて3種のチケットが用意されている。B2席とヘアピンに入れるチケット、ヘアピンに入れるチケット、B2席もヘアピンも入れないチケットだ。

 ヘアピンの人気は圧倒的で、ヘアピンに入れるチケットは完売となっている。B2席とヘアピンに入れるチケットとB2席もヘアピンも入れないチケットは現在も購入可能だ。大きな荷物を預かってくれるクロークサービス付のチケットもあるので公式サイトでご確認いただきたい。

 カメラマンエリアのチケットを持っている人は割安で参加できるイベントもあるので、興味のある方は参加されるとよいだろう。

鈴鹿サーキット、9月25日~27日のF1日本グランプリで「カメラマンミーティング」など開催

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150907_719327.html

カメラマンエリア(鈴鹿サーキット公式サイト)
http://www.suzukacircuit.jp/f1/ticket/cameraman-seat.html#Contents

カメラマンエリアの詳細
http://www.suzukacircuit.jp/ticket_s/f1_seat_info/camera.html

 以上で代表的なチケットの説明は終了だ。鈴鹿サーキットの公式サイトには情報が満載なので、この記事と公式サイトを見てチケット選択の参考にしていただきたい。

 ちなみに、鈴鹿サーキット大改修後の2009年から2015年までに筆者が購入したチケットは、B2席×2回、D-4、G席、J席×2回、Q2席となっている。最近は友人3人でチケットを買っても、筆者は取材で購入したスタンドには行けないことが多く、友人2人は「荷物置き場として使わせてもらっています」と言っている。

観戦の便利グッズはラジオ? スマホ?

 敷地が広いサーキットはコース全体を見渡すことができない。スピーカーによる場内放送はあるが、マシンが走り出すとエキゾーストノートで聞こえなくなる。レースを楽しむには、レース展開を把握するためのグッズがあるとより楽しめる。

 便利グッズの代表はFMラジオだ。イヤホンを使用すればエキゾーストノートにかき消されることなく常にレース展開を聞くことができる。鈴鹿サーキットでは場内FM放送「Pit-FM」を流してる。ほとんどの観戦エリアでこのFM放送を聞くことができるが、場所によって電波が弱くて聞こえないこともある。

 ところが今年から、鈴鹿サーキットでは地元FM局の「Suzuka Voice FM」が場内FM放送を中継して流している。地元FM局なので鈴鹿サーキットだけでなく、鈴鹿市内全域で聞こえる圧倒的な電波の強さが魅力だ。

 筆者は8月末に開催されたSUPER GT 第5戦で、実際にSuzuka Voice FMの放送を聞きながら撮影してみた。電波の強さは圧倒的で、逆バンク付近のトンネル内でも受信できるほど。快適度は大幅に向上した。敢えて欠点を挙げると、00分の時報に合わせて1分ほどのCMが流れることだ。1000km、6時間という長丁場のレースでは何度も時報による中断があったが、F1の場合はスタート1時間後の15時00分だけなのでそれほど問題はないだろう。もしかすると鈴鹿サーキットがこのCMを買い取って中断なしの放送が実現するかもしれない。Suzuka Voice FMの周波数は78.3MHz。要チェックだ。

「F1ライブタイミング」で順位やラップタイムなどを確認できる

 もう1つ、強い味方となるのがスマートフォンだ。順位の把握は「F1ライブタイミング」(http://www.formula1.com/content/fom-website/en/f1-live.html)を見れば、順位やラップタイム、マシンごとのギャップをリアルタイムで把握できる。

 サーキットビジョンがない席や西エリアチケットで観戦する人の強い味方が「フジテレビNEXT smart」(有料)だ。フジテレビNEXT smartを利用すれば、スカパー!の中継を見ながら観戦することが可能となる。

フジテレビNEXT smart
http://otn.fujitv.co.jp/nextsmart/

 F1ライブタイミングやフジテレビNEXT smartは、日本グランプリの前週となる9月18日~20日に開催されるF1シンガポールグランプリで操作方法などを確認しておくと、現地で操作に困ることはないだろう。

 次回の後編では電車などの公共交通を使った行き方、クルマで向かう場合のルートや駐車場、宿泊などについて説明したい。まずはどの席で観戦するかをジックリ検討していただきたい。

(奥川浩彦)