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国交省と環境省、国産ディーゼルモデル6台の排出ガス路上試験結果公表
台上試験とは最大10倍程度の乖離
(2016/3/4 19:44)
- 2016年3月3日 発表
国土交通省と環境省は3月3日、独フォルクスワーゲンの排出ガス不正事案を受けて実施した、国産メーカー4社(トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、三菱自動車工業)のディーゼルエンジン搭載モデル6台の台上試験と路上走行試験の結果を公表した。
結果が公表されたのはマツダ「CX-5」「デミオ」、日産「エクストレイル」、三菱自動車「デリカD:5」、トヨタ「ランドクルーザー プラド」「ハイエース」の6台。
なお、今回公表された6モデルとともに「排出ガスサンプリング調査」の対象となっていた輸入車のメルセデス・ベンツとBMWの2モデルについては、現在測定中であり、結果は後日公表予定としている。
結果をまとめた「排出ガス路上走行試験等結果取りまとめ」によると、不正ソフトの搭載は確認されなかったが、台上試験と路上走行試験の結果を比較すると、一部車種を除き、2~5倍程度から最大10倍程度の乖離が発生するなど、NOxの排出量に乖離があることが確認された。
この乖離は、使用環境(気象、路面、車両重量、渋滞等)や運転方法(急発進、急なアクセルワーク、エアコン使用等)の相違によるもので、特にエンジンや排出ガス低減装置の保護のための制御が作動した場合に大きくなる傾向が確認された。
また、大幅な乖離については外気温が低い場合等に保護制御が働き、排出ガス低減装置の機能が停止したことによるものと同省は考察している。なお、同様な調査は欧米でも実施されており、同程度の乖離があることが確認されている。
同日開催された「排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会」では、今回の路上走行試験に使用したPEMS(Portable Emissions Measurement System)については、アイドル時等の排出ガス流量が少ない時の精度には課題があるものの、通常走行において、不正ソフトの有無の確認には有効であり、NOx排出量の傾向を把握するのに十分な精度を確保できると評価。
また、乖離の要因となっている排出ガス低減装置等を保護するための制御については、保護制御の範囲等に規定がなく、保護制御に関する考え方が自動車メーカーごとに相違することで、結果的に保護制御の範囲が相違していることを確認。同検討会では、今後の方向性として「路上走行検査の導入」や「保護制御の作動範囲の指針策定」などについて検討を進めていく。