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ロールス・ロイス、ドロップヘッドスタイルの新型4シーター「ドーン」日本初公開

和洋折衷のティーセレモニーで“ドーンの存在理由”を紹介

2016年3月16日 開催

 ロールス・ロイス・モーター・カーズは3月16日、2015年9月のフランクフルト・モーターショーの会場で実車を初披露し、日本市場でも1月から受注を開始したドロップヘッドスタイルの新型4シーターモデル「ドーン(DAWN)」を都内で日本初公開した。

 ドーンの価格は3740万円からとなっており、納車は2016年第2四半期からの開始を予定。ボディサイズは5295×1945×1500mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3110mm。パワートレーンにはV型12気筒6.6リッター 直噴ツインターボエンジンとZF製の8速ATを組み合わせて搭載。エンジンの最高出力は420kW(570PS)/5250rpm、最大トルクは780Nm/1500-5000rpmとなり、駆動方式は2WD(FR)のみ。車両重量は2640kg。

ロールス・ロイス「ドーン」。同社の「ファントム ドロップヘッド クーペ」と同じく車両後方側にヒンジを設定し、前方側が開く2ドアスタイルとなっている
ボディサイズは5295×1945×1500mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは3110mmと、同社ラインアップ中では比較的小柄なサイズ。同じソフトトップを採用するファントム ドロップヘッド クーペは、ドーンのリリースを受けて販売を終息。ドロップヘッドスタイルのモデルはドーンに集約されるとのこと
「ゴースト」と同様に、車両外側が上下に大きく、外周に設定するライン状のLEDをスモールランプとするヘッドライトデザイン。リアコンビネーションランプにもLEDを採用する
マフラーはリアバンパーと一体化したインテグレーテッドタイプ。左右に1本ずつレイアウトする
ノーズ部分に社名エンブレムとボンネットマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」を設定。ボンネット中央には、このスピリット・オブ・エクスタシーから船の航跡や風の流れをイメージしたメッキモールとキャラクターラインがボンネット上に用意される
フロントフェンダー後方のサイドウインカーにも社名エンブレムを設定
タイヤはコンチネンタル製を装着し、サイズはフロントが255/40 R21、リアが285/35 R21
エンジンはゴーストや「レイス」などにも搭載するV型12気筒6.6リッター 直噴ツインターボを採用。最高出力420kW(570PS)/5250rpm、最大トルク780Nm/1500-5000rpmを発生し、SAT機能付き8速ATを介して後輪を駆動。0-100km/h加速は4.9秒となる
ラジエターコアサポートとフロントストラットタワーをパイプで接続。オイルフィラーキャップにも「RR」のマークを設置
トランク内部のトリムに毛足の長い素材を使って荷物を保護。トランクリッドは電動クローズを備える
ソフトトップの開閉でトランク内の高さが変化。展開時はソフトトップが表に出てトランクが広くなり、フルサイズのゴルフバッグが2個搭載可能になるとのこと。奥行きもたっぷりと用意されている
ソフトトップの展開シーン。メタルトップ並みの快適な車内空間を実現するため、6層式のファブリック製ルーフを採用し、ステッチも風切り音などを低減する「フレンチシーム」を導入
本革、木目パネル、メッキ加飾などをふんだんに使ったインパネ。英国車ながら展示車両は左ハンドル仕様。日本のロールス・ロイス車ユーザーは左ハンドル車に慣れているケースが多く、需要の割合も左ハンドルの方が多いとのこと。もちろん、ハンドル位置は希望に応じて左右どちらでも購入時に選択できる
リアシートの中央にもセンターコンソールを設置する4人乗り。ドアラインは車両後方に向かって高くなるデザインで、リアシートの乗員を包み込むような安心感を演出しているという
フロントシートの肩口にシートバックのロック解除レバーを設置
ソフトトップを収納するリアデッキやドアトリムなどにウッドパネルを設置。リアデッキは強度が高く、耐候性に優れるオープン・ポア仕上げとなっている
ドアアームレストにウィンドウ開閉や電動シートのメモリーのスイッチ類をレイアウト

クルマにとって本当に大切なことは“どのように感情に訴えかけるか”

ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 プロダクトアンドオペレーションズマネージャー スヴェン・グルンヴァルト氏

 車両の公開に合わせ、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 プロダクトアンドオペレーションズマネージャーのスヴェン・グルンヴァルト氏が解説を実施。

 グルンヴァルト氏は「このドーンを生み出すための第1段階として、『オープントップであり、かつラグジュアリーという意味で妥協を許さないモデルを造りたい』と考えました。ドーンは内外装ともに力強く、本当に美しいラインを見て取れると思います。また、搭載するV12エンジンはツインターボチャージャーによって570PSを発生し、お客さまが望めば5秒以下で静止状態から100km/hまで加速します。しかし、みなさんも経験によってご存じのとおり、クルマにとって本当に大切なことはこういった情報ではなく、エモーションの部分です。どのように感情に訴えかけるか、そしてお客さまのライフスタイルにいかにフィットするか。そういった点がより重要だと考えます」と解説した。

 具体的には、外観ではボールドでカリスマ性のあるデザインに仕上げ、フロントノーズのあご先から始まり、スピリット・オブ・エクスタシーから風のたなびく線が後方に伸びるようにボンネット上に描く“ウェイクチャネル”を設定。また、ドアラインは平坦ではなく、車両後方に向かって高まるようにデザイン。これによりショルダーラインが上がって後席乗員が「コートの襟を立てているようなプライベートな空間だと感じてもらえる」と説明。ソフトルーフでも妥協を許さず、6層構造のファブリックと空気抵抗を抑えるフレンチシームを採用。ソフトトップを閉めた状態では同社のレイスと同等の静音性を実現したと説明し、さらに開閉の静かさも自慢できる点であると解説している。

内外装のポイントや使い勝手などについて解説するグルンヴァルト氏
スピリット・オブ・エクスタシーから後方に続くラインを“ウェイクチャネル”と呼ぶことを紹介

 この車両公開に先立ち、新型モデルであるドーンとロールス・ロイスについてより深く紹介する趣向として、会場となった東京 西麻布にある「櫻井焙茶研究所」でドーンをイメージしたティーセレモニーが実施された。

 通常、新車発表会などの催しでは、広い会場に多くの報道関係者を招いて1回、または2〜3回程度の回数で実施される。しかし、今回は事前申し込みで取材陣をグループ分けして、数組が参加する発表会を5回に渡って開催した。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 北部地域 広報マネージャー ローズマリー・ミッチェル氏

 この理由について、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 北部地域 広報マネージャーのローズマリー・ミッチェル氏は「ロールス・ロイスにとって、全く新しいモデルの導入というのはめったにないことです。そんな珍しいこの機会を利用して、これまでとは違うことに挑戦したいと思いました。『ロールス・ロイスらしい、ロールス・ロイスならではの記者会見』を開くためにはどうしたらいいのかといろいろ考え、ロールス・ロイスでほかと違うことはたくさんありますが、まずはエクスクルーシブであり、パーソナルな体験を提供するメーカーだということです」

「例えばロールス・ロイスでは、購入した人が(英国)グッドウッド工場に行って職人さんやデザイナーと直接話したり、自分のクルマがラインアウトするところを見に行くこともできます。また、2つめの独自要素は伝統とモダンを両立していること。ロールス・ロイスは長い歴史によるヘリテージ持つことで愛されているブランドではありますが、新しいお客様に我々の魅力をお伝えすることも重要です。そのためには常にブランドを再定義していく必要があります。3つめの要素はサプライズ、4つめの要素は職人技です。職人技を駆使した“ビスポークな製品”をお届けすることがロールス・ロイスにとって必要不可欠です。そういった要素を、このイベントを通じて体験していただければと企画しました」

「今日お披露目するクルマの車名は『ドーン』。夜明けという、1日の始まりを意味するクルマです。私はイギリス出身ですが、イギリスではお茶を飲むことで1日が始まります。私は『お茶をいれましょうか』という言葉を聞くだけで上機嫌になるほどです。お茶を飲んで落ち着いて、相手といることを楽しみます。それこそがドーンの存在理由です。時間を友達と楽しく過ごすこと。では、お茶をいただきましょう」とミッチェル氏は語り、ティーセレモニーをスタートさせた。

ティーセレモニーでは、櫻井焙茶研究所の所長である櫻井真也氏から2種類のお茶が饗された。まずは、ロールス・ロイスが持つ伝統とモダンをテーマにした「泡煎茶」。お湯ではなく炭酸水を使ったお茶で、シャンパンで乾杯するイメージも込められているという
ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 リージョナル・ディレクター ポール・ハリス氏

 櫻井焙茶研究所の所長である櫻井真也氏が、新型車をイメージして製作したオリジナルブレンド「DAWN 夜明け(BESPOKE BLEND)」を煎れる時間を利用して、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 リージョナル・ディレクター ポール・ハリス氏からも、日本のおけるロールス・ロイスやドーンについて語られた。

 ハリス氏は「我々の『ルネッサンス』はファントムの発売から始まりました。2010年にはゴースト、2013年にはレイスを上市して、『最速のファストバッククーペであるロールス・ロイス』が誕生しました。そして昨年の2015年にジュネーブでドーンの発売を公表。このたびは日本にドーンが到着する最初の機会となりました」とコメント。

 また、「ロールス・ロイスの車名はどこから来るのか?という質問をよく受けますが、私が知っているいくつかのセオリーの中で、近年になって私たちが発売したモデルでは、必ず自分たちの歴史のどこかにヒントがあると思います。例えばドーンでは、1928年に前身となるドロップヘッドクーペがありました。このように、近年では自分たちの歴史やヘリテージにつながるものを意識しているのです。また、名称で重要な部分は、みんなが一般的に知っている言葉でありながら、それが表わす物体がない、つまり手で触れることができないものであることが重要な共通点です」と解説した。

オリジナルブレンド「DAWN 夜明け(BESPOKE BLEND)」を煎れる櫻井氏
オリジナルブレンド「DAWN 夜明け(BESPOKE BLEND)」と、これに合わせて特別に用意した夜明けをテーマにしたお茶菓子
櫻井焙茶研究所の兄弟店である八雲茶寮の職人が手がけたお茶菓子。手前側(下側)から朝日が昇っていく様を模し、赤い部分に置かれた胡麻は、遠くから見た朝焼けに浮かぶドーンをイメージしているという
「DAWN 夜明け(BESPOKE BLEND)」はレモングラス、ローズレッド、静岡県のやぶきた茶の3種類をブレンド。夜明けにふさわしい、眠気を覚ますすっきり感を演出。1日を健やかにすごせるようにとの思いが込められている
店内には「DAWN 夜明け(BESPOKE BLEND)」のティーセットも展示。残念ながら販売の予定はないとのこと
店頭には、発表会に合わせて「WAKUI MUSEUM」から貸し出された1929年式の「ロールス・ロイス 20hp Open-Tourer」も展示された

(編集部:佐久間 秀)