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カラフルな車両やクラフトマンシップなどロールス・ロイスの世界に触れる入場無料の展示会「THE EIGHTH WONDER」

「より多くの人にロールスの世界を知ってほしい」

2019年9月14日 発表

入場無料

9月14日~16日に東京 六本木の六本木ヒルズ大屋根プラザで入場無料の展示会「THE EIGHTH WONDER(世界八番目の不思議)」を開催

 ロールス・ロイス・モーター・カーズは9月14日~16日に、六本木ヒルズ大屋根プラザでスピリット・オブ・エクスタシーにインスパイアされた展示会「THE EIGHTH WONDER(世界八番目の不思議)」を開催している。入場は無料。開催時間は10時~21時。

世界の八不思議はスピリット・オブ・エクスタシー

 世界七不思議とはよく言われるテーマで、そこにロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」を加えて世界の八不思議としたのが今回の展示会だ。

8つ目の不思議となったロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」

 会場には3台のロールス・ロイスと、ロールス・ロイスにおいて重要な要素を8つのコーナーに分けて表現。フィロソフィー、クラフトマンシップおよびビスポークサービスの魅力が伝えられる。その中にはイギリスのロールス・ロイス本社があるグッドウッドから職人が来日し、ロールス・ロイスの室内のウッドトリムを仕上げる手作業を解説。また、折り紙作家の有澤悠河氏が特別制作したスピリット・オブ・エクスタシーの折り紙が会場に展示され、折り方のデモンストレーションも行なわれている。

ロールス・ロイスのウッドトリムを仕上げる職人がグッドウッドから来日して作業を解説するなど、クラフトマンシップの魅力が伝えられる
スピリット・オブ・エクスタシーの折り紙のデモンストレーションも実施
スピリット・オブ・エクスタシーの折り方。興味がある方はぜひチャレンジしてみては

 さらに、3台の展示車両は大胆な色使いで、ドライバーズカーとしても評価が高いことをアピール。ロールス・ロイス初のSUV「カリナン」はトワイライト・パープル、ロールス・ロイスのダークな分身を表現するブラック・バッジシリーズの「ドーン ブラック・バッジ」はマグマ・レッド、そして「ファントム」はサラマンカ・ブルーのボディカラーとなっている。

トワイライト・パープルの「カリナン」
マグマ・レッドの「ドーン ブラック・バッジ」
サラマンカ・ブルーの「ファントム」

スピリット・オブ・エクスタシーのモデルは?

 今回、ロールス・ロイス・モーター・カーズリージョナル・ディレクターのポール・ハリス氏に、このイベントの目的や、SUVカリナンの話を聞くことができたので紹介する。

ロールス・ロイス・モーター・カーズリージョナル・ディレクター ポール・ハリス氏

──このイベントのそもそもの目的を教えてください。

ポール・ハリス氏:もっと多くの人、一般の人たちにもロールス・ロイスを見てもらおうというのが目的です。

 今回、タイトルを「THE EIGHTH WONDER」としています。これは世界の七不思議につながる8つ目の不思議を表しており、それはわれわれのマスコットでありミューズのスピリット・オブ・エクスタシィなのです。

 また、会場に展示しているクルマのボディカラーにも注目してください。クルマの色は白と黒ばかりではなく、こんなにもいろいろなカラーができるのです。そのうえでロールス・ロイスには色々な顔があるということを見せたかったのです。

 特にブルーのショートホイールベースのファントムを展示したのは、もっと若いお客さまなど幅広いお客さまに訴求するためです。このクルマのテーマは“ルールを書き換えよう”。つまり、今までのロールス・ロイスとは違うということを見てもらいたいのです。

 さらに工場から実際に職人が来ています。彼はウッドショップ、ウッドの制作をしている人で象嵌をやっています。また、折り紙は日本風にこのイベント、THE EIGHTH WONDER開催をお祝いしようということでお見せしています。

──そのスピリット・オブ・エクスタシーの不思議さとはどういうものでしょうか。

ハリス氏:スピリット・オブ・エクスタシーには不思議な点がたくさんあります。例えば、実際に誰がモデルだったかというのは実際には分かっていないのです。ロールス・ロイスの創設者の秘書だったとも言われていますが。

 このマスコットが取り付け始められた当時、他のメーカーのクルマのオーナーはそれぞれ好きなマスコットを取り付けていました。しかし、ロールス・ロイスは自分たちだけのマスコットを作ろうと、その時に人気のあった彫刻家のチャールズ・サイクス氏に頼んで作ってもらったのが最初です。

 その後、色々な変遷がありました。例えば、大きくなったり小さくなったり、ひざまずいているものもあります。そして、現在のスピリット・オブ・エクスタシィは最新の安全規制を満たし、この形に収まりました。

──私の中でロールス・ロイスの不思議の1つにエンブレムのカラーがあります。当初は赤でしたが、それから黒に変わりました。その理由は、創設者の1人、チャールズ・ロールス氏が飛行機事故で亡くなり、喪に服したことを表していたと聞いたことがあるのです。これは本当なのでしょうか。またその後に、再び赤が出てきたのはどういうことなのでしょう。

ハリス氏:まず、ブラック・バッジと呼ばれているシリーズから話を始めましょう。これは通常のモデルのシルバーと黒の色使いを反転させたものになっています。これは、ロールス・ロイスのダークサイドを表しているからです。したがって、クルマとしてもよりスポーティなドライバーズカーになっています。夜のドライブ、あるいはもう1人の自分、もう1人のロールス・ロイスを表しているのがブラック・バッジです。

 さて、どうして赤から黒になったのか。私もその話を聞いたことがありますが、本当のことは私も知らないのです。その理由は黒に変えた人たちがもう生きていませんから。ただ、そのような記録が残っているのも確かではあります。

 それから今、赤があるのは、赤のバッヂがついているクルマは実験的なクルマ、例えばプロトタイプのごく初期のもので、そういったクルマなどにしかつけられていません。

──(ハリス氏の胸元には赤のロールス・ロイス社の社章がつけられていたことから)あなたは赤バッヂのピンズをつけていますから、プロトタイプなのですね(笑)。

ハリス氏:私はまだ進行中、製作中ですから。みんなでもそうでしょう(笑)。

──イベントとは離れてカリナンの話を聞かせてください。評判はいかがですか。

ハリス氏:すごく評判はいいですね。世界中での評判はわれわれが期待していた以上です。バックオーダーが非常に多く、お待ちいただく結果となっています。今注文したとしても生産が始まるのは来年の第2四半期、納車は第3四半期ごろになるでしょう。ビスポークにするとさらに長くなります。

──ロールス・ロイスの販売台数の中で現在カリナンは何割ぐらいですか。

ハリス氏:今年は40~45%です。しかしロールス・ロイス全体が今年42%成長していますので、つまりカリナン分成長したということになるでしょう。


 どうしても、ロールス・ロイスというと自分たちとは違う世界と捉えがちで、それはわれわれ自動車ジャーナリストとて同じである。しかし、その世界観やクルマに触れることで、ロールス・ロイスというブランドがどのような成り立ちで、どういった人たちに乗ってほしいのか。また、その世界観を作り上げた背景も感じることができるこの展示会。少しでもロールス・ロイスに興味をお持ちなら、ぜひお出かけいただいて、本社から来た職人に話を聞いてもらいたい。自分の仕事に自信とプライドを持ち、どれだけ心を込めて作り上げているのかを語ってくれるはずだ。