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ロールス・ロイス、3800万円の“究極のラグジュアリー・オフローダー”新型「カリナン」受注開始発表会

ガラス製パーティションを備える“3ボックススタイル”も設定

2018年6月11日 受注開始

3800万円

ロールス・ロイス初のSUV「カリナン」が6月11日に受注開始。発表会でアンベールされた車両の横に立つのは、左からロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 リージョナル・ディレクター ポール・ハリス氏、ロールス・ロイス・モーター・カーズ カリナン商品企画マネージャー ジョン・シアーズ氏

 ロールス・ロイス・モーター・カーズは6月11日、同車初のSUV「カリナン」の受注を開始し、同日に神奈川県横浜市で記者発表会を開催した。

「究極のラグジュアリー・オフローダー」と位置付けられるカリナンは、最高出力420kW(571PS)/5000rpm、最大トルク850N・m/1600rpmを発生するV型12気筒6.75リッターツインターボエンジンを搭載し、駆動方式にロールス・ロイス初の4WDを採用。足まわりはフロントが新型のダブルウィッシュボーン式、リアが5リンク式となり、“4輪ステアリングを追加した場合と同様”というラテラルロール・シアフォース制御を可能としている。価格は3800万円で、納車は2019年第1四半期を予定している。

新型SUVのカリナン。ボディサイズは5340×2000×1835mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3295mm。車両重量は2660kg
4人乗り仕様の「インディヴィジュアル・シート」を装着するカリナン
オプション設定のフルポリッシュ・ディッシュホイール。タイヤサイズはフロントが255/45 R22、リアが285/40 R22
5人乗り仕様の「ラウンジ・シート」を装着するカリナン
オプション設定の7スポーク・ポリッシュホイール。タイヤサイズはフロントが255/45 R22、リアが285/40 R22
最高出力420kW(571PS)/5000rpm、最大トルク850N・m/1600rpmを発生するV型12気筒6.75リッターツインターボエンジンを採用

世界に「SUVのロールス・ロイス」という新しいベンチマークを紹介

「カリナンはお客さまの琴線に触れるモデル」と解説するポール・ハリス氏

 発表会では車両のアンベールに先立ち、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 リージョナル・ディレクター ポール・ハリス氏がプレゼンテーションを実施。

 ハリス氏は「この『カリナン』というクルマは、ロールス・ロイスの従来の基準から大きく脱却したクルマです。ロールス・ロイスにしかできない方法で新しい世代のお客さまの要望にお応えする存在です。価値の面で妥協したり、平凡なラグジュアリーを提供するため大量生産するつもりは一切ありません。それにより、世界に『SUVのロールス・ロイス』という新しいベンチマークを紹介するのです」。

「カリナンがロールス・ロイスファミリーの中でどのような位置を占めるかですが、誤解を招かないように言っておけば、フラグシップモデルは今後も変わらず『ファントム』です。これに並んで2番目がエグゼクティブサルーンの『ゴースト』、印象的で刺激的に自由な時間を楽しませてくれるクルマが『レイス』であり『ドーン』です。つまり、カリナンはレイスやドーンに続き、ロールス・ロイスファミリーのラインアップでお客さまの琴線に触れるモデルになります」。

「では、カリナンを求めるユーザーはどのような人でしょうか。スタイルを意識するカリナンのお客さまは周囲よりも目立ちたいと考え、若く、多忙で活発。社交的でアウトドアの活動を愛し、そして冒険も好む人です。そんな面も大切にしつつ、現代的な生活を送ってフットワークは軽くスポーツ好きな人です」と語り、カリナンの立ち位置や想定するユーザー層などを紹介した。

カリナンがアンベール
カリナンについて概要説明するジョン・シアーズ氏

 アンベールでカリナンがお披露目された後には、ロールス・ロイス・モーター・カーズ カリナン商品企画マネージャー ジョン・シアーズ氏から車両の概要説明を実施。

 シアーズ氏は「他のロールス・ロイスモデルが持つソフトでデリケートなサイドラインではなく、彫刻のように力強く大胆な造形を与えている」「わずか1600rpmの低回転から850N・mの大トルクを発生するエンジンが“魔法のじゅうたん”と称される特徴的な乗り心地の源泉になっている」「既存のエアサスペンションのシステムにオフロード要の大型エアストラットを追加し、エンジンがスタートすると車高が40mm高まる」「車両後方にはロールス・ロイス初の開閉式テールゲートで上下2分割の『ザ・クラスプ』を採用」「シートバックのセンターにシャンパンなどを冷やしておけるクーラーを内蔵した4人乗りの『インディヴィジュアル・シート』では、ラゲッジスペースとキャビンをガラス製パーティションで分割して騒音や熱気などの侵入を防いで快適さを保っている」「ドアトリムに最新のUSB Type-Cポートを充電用に用意している」などのカリナンが持つ特徴を紹介した。

「パンテオン・グリル」やエンジンの存在感をアピールするボンネットなどの共有要素を持ちつつ、SUVらしい力強さをデザインで表現
ボディのサイドパネルとウィンドウの比率はどちらが大きいということはなく、完全にバランスされていると解説
前後にヒンジを備える特徴的なドアを開け、車内についても説明
クーラーで冷やしたシャンパンで喉を潤しながら旅が楽しめると語るシアーズ氏
カリナンのインパネ。メーターパネルはデジタル表示でアクセルペダルはオルガン式
助手席側にアナログ時計を設定
エアコンパネルは風量や温度設定がひと目で分かるアナログタイプ
ナビゲーション・エンターテインメント・システムなどを操作するセンターコンソールの「スピリット・オブ・エクスタシー・ロータリー・コントローラー」
シート表皮やドアトリムなどのカラーは3種類から選んで組み合わせることが可能
ガラスサンルーフはチルトやスライドで開放感を高められる
セパレートタイプのインディヴィジュアル・シート。中央のリッド内部にクーラーを備え、シャンパンのボトルやグラスを冷やしておける
センターコンソールにスピリット・オブ・エクスタシー・ロータリー・コントローラーや収納スペース、パワーシートの操作パネルなどを設定
ドアは観音開きタイプ。Bピラーに厳かなVINプレートを設定する
インディヴィジュアル・シートの装着車は、「ザ・クラスプ」の下側ハッチに格納式の簡易シートとテーブルを装備
ザ・クラスプはハッチのボタン操作で上下別々に開閉するほか、リモコンキーの操作などで一括開閉も可能
「ラウンジ・シート」の後席は、ラゲッジスペース側面やリアドアに設定されたスイッチで電動格納&復帰を操作できる。ヘッドレストは座面を回避するため、格納操作に連動してリフトアップ
フルラゲッジ状態の容量は1930L
“よりファミリー向けの選択肢”というラウンジ・シートの後席はベンチタイプの3人掛け
ドアトリムにも「スピリット・オブ・エクスタシー」をエンボス加工で施す
リアドアの内部に雨傘を収納
リアドアには後席の操作スイッチに加え、USB Type-Cの充電ポートを設定する