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ロールス・ロイス、ドロップヘッドスタイルの新型4シーター「ドーン」日本初公開
和洋折衷のティーセレモニーで“ドーンの存在理由”を紹介
(2016/3/17 00:00)
- 2016年3月16日 開催
ロールス・ロイス・モーター・カーズは3月16日、2015年9月のフランクフルト・モーターショーの会場で実車を初披露し、日本市場でも1月から受注を開始したドロップヘッドスタイルの新型4シーターモデル「ドーン(DAWN)」を都内で日本初公開した。
ドーンの価格は3740万円からとなっており、納車は2016年第2四半期からの開始を予定。ボディサイズは5295×1945×1500mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3110mm。パワートレーンにはV型12気筒6.6リッター 直噴ツインターボエンジンとZF製の8速ATを組み合わせて搭載。エンジンの最高出力は420kW(570PS)/5250rpm、最大トルクは780Nm/1500-5000rpmとなり、駆動方式は2WD(FR)のみ。車両重量は2640kg。
クルマにとって本当に大切なことは“どのように感情に訴えかけるか”
車両の公開に合わせ、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 プロダクトアンドオペレーションズマネージャーのスヴェン・グルンヴァルト氏が解説を実施。
グルンヴァルト氏は「このドーンを生み出すための第1段階として、『オープントップであり、かつラグジュアリーという意味で妥協を許さないモデルを造りたい』と考えました。ドーンは内外装ともに力強く、本当に美しいラインを見て取れると思います。また、搭載するV12エンジンはツインターボチャージャーによって570PSを発生し、お客さまが望めば5秒以下で静止状態から100km/hまで加速します。しかし、みなさんも経験によってご存じのとおり、クルマにとって本当に大切なことはこういった情報ではなく、エモーションの部分です。どのように感情に訴えかけるか、そしてお客さまのライフスタイルにいかにフィットするか。そういった点がより重要だと考えます」と解説した。
具体的には、外観ではボールドでカリスマ性のあるデザインに仕上げ、フロントノーズのあご先から始まり、スピリット・オブ・エクスタシーから風のたなびく線が後方に伸びるようにボンネット上に描く“ウェイクチャネル”を設定。また、ドアラインは平坦ではなく、車両後方に向かって高まるようにデザイン。これによりショルダーラインが上がって後席乗員が「コートの襟を立てているようなプライベートな空間だと感じてもらえる」と説明。ソフトルーフでも妥協を許さず、6層構造のファブリックと空気抵抗を抑えるフレンチシームを採用。ソフトトップを閉めた状態では同社のレイスと同等の静音性を実現したと説明し、さらに開閉の静かさも自慢できる点であると解説している。
この車両公開に先立ち、新型モデルであるドーンとロールス・ロイスについてより深く紹介する趣向として、会場となった東京 西麻布にある「櫻井焙茶研究所」でドーンをイメージしたティーセレモニーが実施された。
通常、新車発表会などの催しでは、広い会場に多くの報道関係者を招いて1回、または2~3回程度の回数で実施される。しかし、今回は事前申し込みで取材陣をグループ分けして、数組が参加する発表会を5回に渡って開催した。
この理由について、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 北部地域 広報マネージャーのローズマリー・ミッチェル氏は「ロールス・ロイスにとって、全く新しいモデルの導入というのはめったにないことです。そんな珍しいこの機会を利用して、これまでとは違うことに挑戦したいと思いました。『ロールス・ロイスらしい、ロールス・ロイスならではの記者会見』を開くためにはどうしたらいいのかといろいろ考え、ロールス・ロイスでほかと違うことはたくさんありますが、まずはエクスクルーシブであり、パーソナルな体験を提供するメーカーだということです」
「例えばロールス・ロイスでは、購入した人が(英国)グッドウッド工場に行って職人さんやデザイナーと直接話したり、自分のクルマがラインアウトするところを見に行くこともできます。また、2つめの独自要素は伝統とモダンを両立していること。ロールス・ロイスは長い歴史によるヘリテージ持つことで愛されているブランドではありますが、新しいお客様に我々の魅力をお伝えすることも重要です。そのためには常にブランドを再定義していく必要があります。3つめの要素はサプライズ、4つめの要素は職人技です。職人技を駆使した“ビスポークな製品”をお届けすることがロールス・ロイスにとって必要不可欠です。そういった要素を、このイベントを通じて体験していただければと企画しました」
「今日お披露目するクルマの車名は『ドーン』。夜明けという、1日の始まりを意味するクルマです。私はイギリス出身ですが、イギリスではお茶を飲むことで1日が始まります。私は『お茶をいれましょうか』という言葉を聞くだけで上機嫌になるほどです。お茶を飲んで落ち着いて、相手といることを楽しみます。それこそがドーンの存在理由です。時間を友達と楽しく過ごすこと。では、お茶をいただきましょう」とミッチェル氏は語り、ティーセレモニーをスタートさせた。
櫻井焙茶研究所の所長である櫻井真也氏が、新型車をイメージして製作したオリジナルブレンド「DAWN 夜明け(BESPOKE BLEND)」を煎れる時間を利用して、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋 リージョナル・ディレクター ポール・ハリス氏からも、日本のおけるロールス・ロイスやドーンについて語られた。
ハリス氏は「我々の『ルネッサンス』はファントムの発売から始まりました。2010年にはゴースト、2013年にはレイスを上市して、『最速のファストバッククーペであるロールス・ロイス』が誕生しました。そして昨年の2015年にジュネーブでドーンの発売を公表。このたびは日本にドーンが到着する最初の機会となりました」とコメント。
また、「ロールス・ロイスの車名はどこから来るのか?という質問をよく受けますが、私が知っているいくつかのセオリーの中で、近年になって私たちが発売したモデルでは、必ず自分たちの歴史のどこかにヒントがあると思います。例えばドーンでは、1928年に前身となるドロップヘッドクーペがありました。このように、近年では自分たちの歴史やヘリテージにつながるものを意識しているのです。また、名称で重要な部分は、みんなが一般的に知っている言葉でありながら、それが表わす物体がない、つまり手で触れることができないものであることが重要な共通点です」と解説した。