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三菱電機、車載・産業向けインテリジェントGUI搭載TFT液晶モジュール「DIAFINE(ダイアファイン)」
FlashやIllustratorデータを使えるGUIデザイナーで画面開発工数を大幅削減
(2013/5/7 17:43)
三菱電機は5月7日、車載・産業向けインテリジェントGUI搭載TFT液晶モジュール「DIAFINE(ダイアファイン)」のサンプル出荷を7月1日から開始すると発表した。
同社は車載・産業向けのTFT液晶モジュールをダイアファインの製品名で提供。今回発表された新製品は、グラフィックスボードを一体化したWVGA(800×480ドット)7型のものとなり、産業向けに手袋を装着しても操作可能な投影型静電容量方式(PCAP)のタッチパネル(2点マルチタッチ検出可能)を装備している。
●主な仕様
項目 | 仕様 |
---|---|
形名 | AM070M01 |
液晶サイズ | 対角7.0インチ |
解像度 | WVGA(800×480ドット) |
輝度 | 900cd/m2 |
視野角 | ー85度~+85度(水平、垂直とも) |
グラフィックスボード 通信I/F | UART、RS232C |
グラフィックスボード 映像入力 | CVBS(アナログ)、LVDS(デジタル) |
タッチパネル | 投影型静電容量方式(PCAP) |
サンプル価格 | 120,000円 |
三菱電機 液晶事業統括部長 蔵田哲之氏は、同社の液晶事業の基本方針から紹介。車載向けや、産業機械向けの液晶モジュールは長期にわたって使われるため、通常の民生用は3年~4年であるのに対し、10万時間(連続点灯で11年)超長寿命を保証するほか、長期にわたる供給体制、全製品の製造履歴のトレーサビリティを確立しているとする。
また、産業用では-30℃~80℃の、車載用では-40℃~85℃の動作温度に対応し、屋外での使用を想定した超高輝度、超広視野角の製品を提供できると言う。
今回発表した、インテリジェントGUI搭載TFT液晶モジュール ダイアファインは、液晶パネルにタッチパネルとグラフィックスボードを一体化しているのが特徴であり、同社独自の高速 ベクトルグラフィックス描画回路のSesamicro(セサミクロ)を搭載している。この描画回路用の開発ソフトウェア「GUIデザイナー」も提供することで、大幅な開発費削減が可能になるのがウリとなっている。
蔵田氏によると、産業用・車載用液晶モジュールの市場規模はそれぞれ1000億円程度。産業用は年5%ほど、車載用は年10%ほど市場が成長していると言う。その中で、同社の売り上げは330億円(2012年度実績、産業用4割、車載用4割、その他2割)であり、2013年度は400億円を目指すとした。
インテリジェントGUI搭載TFT液晶モジュール ダイアファインの特徴については液晶事業統括部 応用技術部長 森下均氏が解説。このような液晶モジュールの場合、画面開発に費用と期間がかかるが、GUIデザイナーを使うことで開発費が削減できることを強調。アドビのFlashやIllustratorで作った画面データをGUIデザイナーに読み込み、信号と関連づけることで、すぐにグラフックスメーターを作成できる。
たとえば、回転計を作るには、回転計の背景データと、針データを作成。針データは0rpm~4000rpmまで4000フレームのアニメーションデータを準備しておき、いずれもGUIデザイナーに読み込ませる。針データのアニメーションと、回転数の信号をプロパティで指定することで、3000rpmの信号が入ったときには3000番目の(3000rpmの角度の)針データが描画されるという具合だ。
GUIデザイナーでは、アナログメーター、ボタン、レベル、ピンチイン・ピンチアウト、拡大アニメーション、外部映像などの機能を提供でき、いずれの画面もこれまでより容易に開発できる。
今回発表されたWVGA7型のほか、将来的には10.6型、12.1型の提供を予定しており、産業用や車載のメーターパネルなどの用途を想定している。
このインテリジェントGUI搭載TFT液晶モジュール ダイアファインは、5月8日~10日に東京ビッグサイトで開催される「第16回 組込みシステム開発技術展」で一般公開される。