ニュース

パイオニアとNTTドコモが資本業務提携

自動車利用者向けのクラウド情報サービス関連事業をさらに強化

2013年5月13日発表

 パイオニアとNTTドコモは5月13日、パイオニアを割当先とする第三者割当の新株式発行によって資本業務提携を行うと発表した。

 両社はこれまでもスマートフォン向けサービス「ドコモドライブネット」、車載用クレイドルの開発などで協力してきたが、パイオニアが保有する車載機器向けの地図や車両位置情報といった交通関連情報とNTTドコモのクラウドサービスを連携させ、新しい自動車利用者向けサービスの開発、ITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)やテレマティクス分野への本格的な事業参入などを視野に入れ、協業を加速させるため今回の提携に至った。

業務提携の概要
ITSテレマティクスのクラウド基盤構築とサービス開発・提供
ITSクラウドサービスに対応した通信対応車載機器の普及推進

資本提携の概要
出資時期:2013年6月28日(予定)
出資総額:約50億円
出資比率:約7%
出資方法:第三者割当増資

 今後は、自動車利用者向けのITSの関連サービスを提供するクラウドサービス基盤を両社が共同で立ち上げ、この基盤を使って事業を推進。双方の強みを生かしてユーザーに優良な情報サービスを提供し、スマートフォン、タブレットPC、車載機器といったデバイスでシームレスなサービス提供を目指す。また、クラウドサービスに対応した通信対応車載機器、通信モジュールの普及を推進していくと言う。

 このほか、パイオニアは同日の取締役会で三菱電機との業務提携強化についての決議も行っている。

 こちらもパイオニアを割当先とする第三者割当の新株式発行によって実施され、予定どおりに実施された場合、3月末までパイオニアの大株主は、上位3社がシャープ、ホンダ、全国共済農業協同組合連合会(JA共済)となっているが、新株式の発行後は上位からシャープ、三菱電機、NTTドコモに変化する。三菱電機との関係強化によって、市場競争のさらなる激化に対応するコスト競争力の向上、次世代ナビゲーションの開発力強化が実現し、企業価値の向上が可能となるとしている。

(佐久間 秀)