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パガーニ、最高出力700hpの「ウアイラ」日本1号車を公開

「ゾンダ」後継モデルは価格1億5000万円から

発表会にはパガーニ・アウトモビリのオラチオ・パガーニ代表、パガーニ・ジャパンの武井真司社長が出席
2013年6月24日開催

 パガーニ・ジャパンは6月24日、イタリアのパガーニ・アウトモビリが手がけるハイパフォーマンスカー「ウアイラ(Huayra)」の日本1号車を公開した。パガーニ・アウトモビリは購入者と対話しながら車両を購入者の理想に近づけていくクルマづくりをフィロソフィとしているため、一定の車両価格を定めてはいないが、目安となる基本価格を1億5000万円からとしている。

パガーニ・ウアイラ

 ウアイラは、ドイツのニュルブルクリンクで数々の最速タイムを記録してパガーニの名を世界に知らしめたハイパフォーマンスカー「ゾンダ(Zonda)」の系譜を受け継ぐモデル。さらなるパフォーマンスを追い求めるユーザーの声を受け、全長とホイールベースを拡大したボディ、さらに力強いエンジンを搭載して2011年にデビューし、すでにヨーロッパで3つのカー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

 ボディーサイズは4605×2036×1169mm(全長×全幅×全高。ミラーを含めた全幅は2356mm)で、乾燥重量は1350kg。前後重量配分はフロント44%、リア56%となる。このボディの基礎となるカーボン・チタニウム製のセンターモノコックは完全新設計となっており、開口部の大きなガルウイングドアを採用していながら過去最高レベルのボディー剛性を実現。また、軽量化も追求し、ボディーに配置されるベンチレーションやエアダクト類の統合による集約によって余計なパーツやダクトを廃している。さらにトランスミッションはデュアルクラッチシステムの搭載も検討されたが、重量が70kg増加することで変速時間の短縮によるメリットを相殺してしまうと判断され、Xtrac社製のわずか96kgというシーケンシャル7速ミッションが採用されることになった。

ルーフ中央まで開く本格的ガルウィングドアを採用。最先端のコンポジットマテリアルによって実現される高いボディー剛性は、走行性能を引き上げると共に万が一の場合の高い乗員保護性能も発揮
優雅な2トーンカラーのレザーシートは長距離の運転をアシストする快適性と、ハード走行の強烈な横Gでドライバーを支えるサポート性を両立する
フロアマットにもレザー素材を使用
カーボン素材を多用するインテリア。アルミ製のメーターパネルはスイス製の機械式腕時計をデザインモチーフとしている。マニュアルギアシフトへのモニュメントとしてデザインされた機械式アルミニウム製ギアレバーは、過去を否定しない進化の象徴となってい

 キャビン後方のボディ中央に搭載するエンジンは、ゾンダに引き続いてメルセデス・ベンツのチューニング部門であるAMG製のV型12気筒「M158型」を採用。6リッターDOHCツインターボによって最高出力700hp、最大トルク1000Nmを発生する。この強力なエンジンパワーを路面に伝える足まわりには、前後サスペンションアームに鍛造アロイ合金製のダブルAアームを使用。プッシュロッド式のオーリンズ製アジャスタブルショックアブソーバーと組み合わせて路面をしっかりとホールドする。エアロダイナミクスでは一般的な前後ウイングの代わりに、翼をコンセプトとした「コントロールフラップ」をボディーの前後に設置。車両の速度やヨーレート、横G、ステアリング角度、スロットル開度などの情報と連動してフラップが作動し、コーナーリングフォースや制動力を高め、安定した走りを実現する。

両側ドア、ボディーリアセクションなどを開けた状態
M158型エンジンは高い横Gを受けても適切な潤滑が可能なドライサンプ式を採用。金色の垂直フィンはタンクの冷却能力を向上させるアイテム。インテークマニホールド上にはエンジンを組み上げたAMGのマイスターの名前が刻まれている
リアタイヤ前方スペースに手荷物を収納するスペースを用意
タイヤはウアイラ専用チューニングを施されたピレリ P ZEROを前後輪に装着
空力への影響も考慮してフロントフェンダーに設置されるカーボンミラー。木の葉を思わせる形状も特徴的
片側に4つのランプを組み合わせてヘッドライトを構成。ボンネット部分のカーボンパーツがフロント側の「コントロールフラップ」
開口部が広いラジエターグリルやスポイラーにカーボンパーツを使用
リヤバンパー中央に4本まとめて出るエキゾーストはゾンダから受け継ぐデザインアイコン。リア側の「コントロールフラップ」は展開状態

 発表会では、このタイミングに合わせて来日したパガーニ・アウトモビリのオラチオ・パガーニ代表がスピーチを実施。逐次通訳を挟みながら1時間以上にわたってニューモデルであるウアイラの魅力を解説した

自慢のニューモデルのサイドシルに腰掛けて解説を続けるオラチオ・パガーニ代表。センターモノコックにはゾンダ Rに向けて開発したカーボンファイバーとチタンのコンポジット素材を投入し、高速走行を可能とするウアイラの安全性を確保している
「イタリア語で芸術はアルテと言いますが、これはイタリア語で手を意味するアルトからできた言葉で、手を使ってつくり上げるという意味です。私達の会社のスタッフは、そんな手を使った芸術のように、お客様ごとにテーラーメイドするクルマを作っています」と語るオラチオ・パガーニ代表
パガーニ・ジャパンの武井真司社長は、活動の手始めとして今年9月にパガーニ東京ショールームを永田町に解説すると表明
パガーニ・ウアイラ日本1号車のアンベール
フロントボンネット上のコーポレートエンブレム
リアバンパー右側に車名ロゴを設置
前後のボディーパネルはレザーストラップで固定される
一見ただのマスコットのようだが、実はウアイラを起動させるインテリジェントキーを内蔵している
会場に展示されたパガーニ・ゾンダ F
パガーニ・ゾンダ エボリューション

(編集部:佐久間 秀)