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今年もモリゾウ選手が参戦した「新城ラリー2013」リポート
秋晴れの新城総合公園に4万人のラリーファンが集結!
(2013/10/31 17:03)
10月26日、27日、愛知県新城市にて全日本ラリー選手権や地方選手権、TRDラリーチャレンジ等の最終戦が行われる複合イベント「新城ラリー」が行われた。初日午前中のSS(スペシャルステージ)は濃霧、前日の雨の影響もあり難しい路面状況でスタートした大会だったが、午後からは晴天に恵まれ心配されていた台風の影響は小さく、人口5万人弱の街に延べ4万人以上のラリーファンが足を運び、その華麗な走りを楽しんだ。
全日本ラリー選手権には、今シーズンの全日本ジムカーナチャンピオンでありSUPER GTでも活躍中の山野哲也選手がラリー初参戦。TRDラリーチャレンジにはモリゾウ選手(トヨタ自動車社長である豊田章男氏)や俳優の哀川翔さん、レーシングドライバーの佐藤久実選手も参戦した。
TRDラリーチャレンジ第5戦(10月27日)
トヨタ車のみのラリーで、排気量1500cc以上のクラス4には13台もの86が参戦、他のクラスはすべてヴィッツのみの参戦となった。昨年ここでラリーデビューを果たしたモリゾウ選手は、引き続き今年も86で参戦。モリゾウ選手は今シーズンこのシリーズにフル参戦し、クラス4のチャンピオンを獲得している。またレーシングドライバーの佐藤久実選手もクラス8位で完走するとともに、哀川翔選手もクラス1でクラス5位に。こちらも完走を果たしている。
全日本ラリー選手権第9戦(10月26日~27日)
排気量1400cc以下のJN1クラスから3000cc超のJN4までの4クラスからなる全日本選手権。JN4では、奴田原/佐藤組がここ新城では5年ぶりとなる総合優勝を果たした(2000ccのランサーエボリューションやインプレッサはターボ車のため係数1.7が掛けられJN4となる)。なおシリーズチャンピオンは昨年に続き勝田/足立組が獲得した。
また1500cc~3000ccのJN3では、インテグラやシビックのホンダVTEC勢やトヨタ86/スバルBRZが多数参戦。なかでも注目はSUPER GT等でも活躍中の全日本ジムカーナチャンピオン山野哲也選手のラリー初参戦だ。86でなんと4回ものSSベストタイムをマークしクラス5位でフィニッシュした。なおコ・ドライバーはかつて哀川翔選手や、ラリーレイドでタレントのヒロミ選手のコ・ドライバーを努めた安東選手だ。またJN1では日産リーフで参戦するモータージャーナリストの国沢光宏選手が、嬉しい初優勝を果たした。
なお、今大会総合優勝したADVAN-PIAAランサーの奴田原/佐藤組のタイヤサポートを行うのが、この新城市に同社の最重要生産工場を構える横浜ゴムだ。
そのサポート・スタッフもラリー期間中は選手と同じように戦っているという自負があるという。そして「走る楽しさをもっともっと多くの人に伝えたい。そのためにはモータースポーツも大きなレースだけではなく身近な競技からしっかりサポートしていきたい。その底辺が拡大するからこそ頂点も存在すると考えます」と、先月まで新城工場の工場長を務めてきた野呂氏は語った。
もちろん他のメーカーやチーム、その他さまざまなスタッフも勝負にかける想いは同じだろう。そして競技区間だけではなく、サービスパークと名付けられたマシンのメンテナンスエリアに観客が自由に立ち入りが可能で、その想いを身近に感じ取ることができるのもラリーの魅力の1つだ。サーキットとは違うラリーのどこかフレンドリーな雰囲気の一因はこの辺にあるのだろう。
選手権以外にも貴重なマシン展示やデモラン等が充実
新城ラリーは、今大会よりメイン会場を県立新城総合公園に変更した。緑あふれる広大な公園内にはSSが設定され、整備の整った芝生のエリアには多くの貴重なマシン展示が行われた。また、陸上競技のトラックにはデモランの会場が作られ、国内競技としては最大級の環境を得て期間中観客はここにいるだけでも1日中楽しめる大会となった。
人と人の結びつきが支えあい発展する新城ラリー
昨年、トヨタ自動車社長である豊田章男氏が初参戦したことにより、既存のモータースポーツメディア以外のさまざまなメディアで取り上げられたこの新城ラリーだが、今年はこの大会をアジア1、そして世界1を目指そうとファンの前で公言する大村秀章愛知県知事の後押しもあり、会場は広がり国内選手権としては最大規模の大会となった。
若干大企業色、行政色を感じるところも散見したが、その来場者を見回せば家族連れやカップルなどほかの会場では見られない層も多く見かけ、その来場者の裾野の広さだけ見ても国内モータースポーツの現状を考えれば大成功と言ってよいだろう。生粋のモータースポーツファンから見れば、トップドライバーの熾烈な争いより穏やかなイベントに力点が置かれたように見える大会への賛否はあるだろうが、かつての隆盛を取り戻し、さらなる発展を目指す起爆剤としてこのあり方は非常に意義深いと感じる。そんな大会の人間模様を写真で紹介しよう。
そのほか多くの選手はもとよりチーム関係者、運営スタッフ、さまざまな関係者、そして何よりここに足を運んだ多くのファンの力により2日間の大イベントは盛況の中、幕を閉じた。
これからも多くの人達の結びつきが新城ラリーを発展させることを期待しつつ、多くの自動車ファンにはぜひ来年観戦することをおすすめしたい。