ニュース
ブリヂストン、「安全性」「ライフ」「低燃費」性能に加え車種別設計の新エコスタンダードタイヤ「ECOPIA EX20」シリーズ
新タイヤ開発技術「ULTIMAT EYE(アルティメット アイ)」によりウェット/耐摩耗性能が向上
(2014/1/9 22:00)
ブリヂストンは、低燃費タイヤ「ECOPIA(エコピア)」ブランドの新製品「ECOPIA EX20(イーエックス ニーマル)シリーズ」を3月1日から順次発売する。サイズラインアップはセダン・クーペ専用の「ECOPIA EX20」が19サイズ、軽・コンパクトカー専用の「ECOPIA EX20C」が17サイズ、ミニバン専用の「ECOPIA EX20RV」が10サイズの展開となっている。価格はすべてオープンプライス。
ラベリング制度における転がり抵抗性能は、EX20では205/65 R16 95H、205/65 R15 94H、195/65 R15 91Hの3サイズがAAを達成し、それ以外はA。ウェットグリップ性能は185/70 R14 88Sのみbで、それ以外はすべて最高グレードであるaを達成。EX20C、EX20RVはすべてA/bとなっている。
1月9日、そのEX20シリーズの発表会を都内で開催し、ブリヂストン 常務執行役員およびブリヂストンタイヤジャパン 代表取締役社長の清水実氏、ブリヂストン 執行役員 タイヤ製品開発・モータースポーツ技術担当の市川良彦氏、ブリヂストン タイヤ研究部長の平郡久司氏が技術解説などを行った。
コンセプトは「“雨に強く”“長持ち”かつ車種別専用チューン低燃費タイヤ」
今回発売されるEX20シリーズで車種別設計を採用したことについて、清水氏は昨年に行った調査結果を紹介。この調査は、国内で市販用タイヤを購入したユーザーがどのような車種に乗っているかを調べたもので、2013年は38%が軽・コンパクトカー、30%がミニバン、12%がセダン、20%がその他となっており、近年はミニバンが高い構成比で推移するとともに、軽・コンパクトカーの増加が目立つ結果になっているという。
そしてタイヤ購入時に何を重視するのかをセダン、軽・コンパクトカー、ミニバンユーザーそれぞれに聞いたところ、1位から順にセダンでは「ウェットグリップ」「高速直進安定性」「静粛性」、軽・コンパクトカーでは「ウェットグリップ」「燃費」「ライフ」、ミニバンでは「ウェットグリップ」「高速直進安定性」「燃費」と、すべてのタイプで「ウェットグリップ」が1位となった。
この結果について、清水氏は「日本は統計的に3日に1日は雨ということで、ウェットグリップを重視される方が多いが、そのほかの要求性能は車種によって違う」とし、EX20シリーズでは「高い燃費性能の維持」「安全性(ウェット)性能の向上」「ライフ性能の向上」を目標に掲げ、「“雨に強く”“長持ち”かつ車種別専用チューン低燃費タイヤ」をコンセプトに製品開発を行ったことを紹介した。
新開発技術「ULTIMAT EYE」で設計
製品については、市川氏から具体的な内容が紹介された。
「安全性、ライフ、低燃費の3軸バランスを高次元で両立したエコスタンダードタイヤ」(市川氏)となるEX20では、独自の材料技術「NanoPro-Tech(ナノプロ・テック)」の採用により、相反する性能である低燃費性能とウェット性能、耐摩耗性を高次元で達成する新コンパウンドを搭載したこと、そして新しいタイヤ開発技術となる「ULTIMAT EYE(アルティメット アイ)」を用いて設計した、踏面部のブロック剛性と排水性を最適化した新パターンを組み合わせたことが特長となっている。
従来のEX10でもタイヤのコンパウンドに使われているシリカとポリマーを結合させ、シリカを最適配置するNanoPro-Tech技術を採用していたが、「EX20では新たに『ウェット向上ポリマー』を採用するとともに、使われるシリカの量を増量した。シリカの量を増すためにはシリカの分散性を高める必要があるが、そのシリカ分散性向上剤に初めてサステナブルな材料を使用した。このコンパウンドを使うことで、トレッドゴムがよりしなやかになって路面に接地し、新パターンとのマッチングにより高いウェット性能を発揮する」(市川氏)とした。
ULTIMAT EYEは最先端のシミュレーション技術と独自のタイヤ計測技術を組み合わせたもので、今回はEX20のタイヤパターンおよび接地形状の開発に使われたという。
パターンに関しては、ラベリング制度でAAA/aを達成した「ECOPIA EP001S」のパターン基調をさらに進化させ、ゴムのグリップ力を最大限に発揮する車種ごとの設計とした。パターンはセダン・クーペ用となるEX20のデザイン(操縦安定性の向上に主眼を置いている)をベースにしており、3本のストレートグループによって耐ハイドロプレーニング性を確保する「GUTT IIシミュレーション・ストレートグループ」をいずれも採用。
ミニバン専用のEX20RVではIN側のショルダーブロックにリーフスロットを採用するなどして高剛性化し、ふらつきを抑制。軽・コンパクトカー専用のEX20Cでは、市街地での据え切りなどによる偏摩耗に配慮し、IN/OUT側ともに高剛性のショルダーブロックを採用するとともにブロックのラグ溝を千鳥配置して剛性を高めている。
また、EX10でも採用していた水平接地形状に改良を加え、コーナリング時や高荷重時のショルダーブロックへの負担を緩和することに成功し、「この新しい形状により、直進時の偏摩耗性能を維持しながらコーナリング時の偏摩耗性能も向上させることができた」と、市川氏はEX20の完成度に自信を覗かせた。
これらにより、EX20はEX10比で転がり抵抗性能は同等、ウェットブレーキ性能は12%短縮。EX20CはEX10比で転がり抵抗性能は同等、ウェットブレーキ性能は11%短縮、摩耗寿命は11%向上。EX20RVは「Playz RV」比で転がり抵抗性能は8%低減、ウェットブレーキ性能は10%短縮したとしている。
EX20サイズ一覧
タイヤサイズ | 転がり抵抗係数(RRC) | ウェットグリップ性能 | 発売予定 |
---|---|---|---|
245/45 R18 96W | A | a | 6月 |
225/45 R18 91W | A | a | |
215/45 R18 89W | A | a | |
225/50 R18 95W | A | a | |
225/55 R18 98V | A | a | |
225/45 R17 91W | A | a | |
215/45 R17 87W | A | a | |
215/50 R17 91V | A | a | |
205/50 R17 89V | A | a | |
215/55 R17 94V | A | a | |
205/55 R16 91V | A | a | |
195/55 R16 87V | A | a | |
215/60 R16 95H | A | a | |
205/60 R16 92H | A | a | |
205/65 R16 95H | AA | a | |
195/60 R15 88H | A | a | |
205/65 R15 94H | AA | a | |
195/65 R15 91H | AA | a | 3月 |
185/70 R14 88S | A | b | 6月 |
EX20Cサイズ一覧
タイヤサイズ | 転がり抵抗係数(RRC) | ウェットグリップ性能 | 発売予定 |
---|---|---|---|
185/55 R16 83V | A | b | 3月 |
175/60 R16 82H | A | b | |
185/55 R15 82V | A | b | |
165/55 R15 75V | A | b | |
185/60 R15 84H | A | b | |
175/60 R15 81H | A | b | |
185/65 R15 88S | A | b | |
175/65 R15 84S | A | b | |
165/55 R14 72V | A | b | |
165/60 R14 75H | A | b | |
175/65 R14 82S | A | b | |
155/65 R14 75S | A | b | |
175/70 R14 84S | A | b | |
165/70 R14 81S | A | b | |
155/65 R13 73S | A | b | |
155/80 R13 79S | A | b | |
145/80 R13 75S | A | b |
EX20RVサイズ一覧
タイヤサイズ | 転がり抵抗係数(RRC) | ウェットグリップ性能 | 発売予定 |
---|---|---|---|
235/50 R18 97W | A | b | 4月 |
225/55 R17 97W | A | b | 5月 |
215/55 R17 94V | A | b | |
215/60 R17 96H | A | b | 4月 |
215/60 R16 95H | A | b | |
205/60 R16 92H | A | b | |
195/60 R16 89H | A | b | |
215/65 R16 98H | A | b | |
205/65 R15 94H | A | b | |
195/65 R15 91H | A | b | 3月 |