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ANA、2015年用のワインを決定する「ANAワインセレクション」開催

選ばれた314銘柄の中から機内などで提供するワインを決定。結果は2015年2月に発表

2014年9月25日開催

2015年用のワインを決定する「ANAワインセレクション」はホテル内に特設の会場を設けて実施。審査員は専門家やCA(客室乗務員)など20名ほどで構成される

 ANA(全日本空輸)は9月25日、都内ホテルで開催された「ANAワインセレクション」の模様を報道陣に公開した。同社は例年、機内やラウンジで提供するワインリストを3月に一新しており、今回は2015年用のワインを決めるためのもの。

 今年はセレクション前の第一次選考に15カ国から約2400銘柄がエントリーされ、その中から選ばれた314銘柄が会場に用意された。これらのワインはファーストクラス、プレミアムクラス、エコノミークラスと提供するクラスごとに分類された上で、白、赤、それに産地や品種ごとなどにカテゴライズされる。

シャブリやブルゴーニュの赤など「ファーストクラス用によいものがあった」とマスター・オブ・ワインのネッド・グッドウィン氏

 その上で、ANAの「ザ・コノシュアーズ(THE CONNOISSEURS)」メンバーでソムリエの井上勝仁氏や、同じくマスター・オブ・ワインのネッド・グッドウィン氏をはじめ、ソムリエ資格を持つCA、機内食担当のシェフ、サービスを企画するANA社員など、合計20名ほどの審査員によるブラインドテイスティングが行われる。審査員は0~10点で採点し、各カテゴリごとに0点と10点を必ず1つ選ぶレギュレーション。そこで高得点を獲得したワインが選出されるわけだ。

 井上氏はセレクション形式になってから10年ほど経つが、今年はカテゴリー分けを見直したほか選考基準も改めたという。まず、カテゴリーについてはワイン産地を欧米路線で分離することにより、さらなる細分化が進められた。つまり乗客は行く先によって異なるワインを楽しめるようになるわけだ。選考基準は従来、“気圧や気温、湿度、さらに食事時の姿勢など地上とは異なる環境で提供される”点を加味し、“強さ”にいくらかウエイトを置いていたが、新型機の導入などにより機内環境が大きく改善。加えて利用者の声も踏まえることで、地上と変わらないものを選ぼうという流れになってきたそうだ。

 ソムリエの資格を持つCAの山枡さんはセレクションには2回目の参加。「いろいろなお客様に美味しいと思っていただけるよう、和食、洋食を問わずオールマイティに楽しめるワインを選んだ」という。

 前日の24日から2日間に渡って開催されたセレクションの結果は、2015年2月に発表される予定となっている。同社のセレクションは評価が高く、ワイン好きならずとも気になるところだが、実際に楽しめるのは3月から。楽しみに待ちたい。

昨年のセレクションで選ばれたワインは専門誌にも高く評価されている。中央の2本はビジネスクラスで提供されているANAオリジナルワイン。ネッド・グッドウィン氏、ワイナリー、ANAが共同でブドウ品種のブレンディングを行っている
4つのカテゴリーのワインを一度にテイスティング。この日はファーストクラスを中心に5セット、20カテゴリーの試飲時間が設けられていた
テーブルに並ぶワインには黒いビニールがかぶせられ、ラベルがわからないようになっている。ちなみに写真の「FC-FRT-W2」は“ファーストクラス フレッシュ:他品種(フランス以外) 白ワイン”のカテゴリー
抜き取られたワインコルク。わかる人にはわかる!? かも
写真では若干色が違うぐらいしかわからないが……
ワインは審査員が自分でグラスに注ぐ
現場と乗客をよく知るCAも審査員になる。制服は取材用で当然のことながら通常時は制服を着てワインを飲むことは絶対にない、とのこと
採点表。項目ごとではないので結果は明らか
ANAではソムリエ資格を持っているCAが多いという。今回は「食事に合う、良さを引き出せる」「機内環境」といった点を重視したそうだ

(安田 剛)