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ANA、現場スタッフと交流できるFacebookイベント「ANAファン感謝祭」を開催
60倍の応募者から選ばれたファンが参加
(2014/12/16 14:44)
- 2014年12月13日開催
ANA(全日本空輸)は12月13日、公式Facebookページで募集を行っていた、ANAファンが参加できる親睦イベント「ANAファン感謝祭」を東京国際空港(羽田空港)で開催した。
ANAファン感謝祭は、2013年12月14日に同社の公式Facebookページに「いいね!」をしているファンが100万人を突破したことを記念して、羽田空港で第1回が開催されたもの。ANAマーケティング部の吉田亮一氏は、このイベントについて「どんな方に公式Facebookを楽しんでいただけているのか直に顔を見て、肌で感じてみたかった」と開催の理由を説明。スタッフ手作りのイベントとして催された。
今回の第2回については、第1回が羽田空港のみの実施だったことに対しての反響に応える目的もあり、11月29日に中部国際空港(セントレア)、12月6日に大阪国際空港(伊丹空港)、そして12月13日に羽田空港と、3カ所で実施。吉田氏は「担当者は博多(福岡)や札幌でもやりたいと話しており、輪を広げていきたい」と、次回以降の実施にも意欲を見せた。
本稿でリポートする羽田空港のファン感謝祭は、マーケティング部の恒木実氏がイベントの“機長”役として登場。恒木氏は公式Facebookページの管理にも携わっており、同ページを「普段旅行しない人にもANAに親しみを感じていただき、少しでも楽しんで欲しいと思って更新している」と紹介。機内食総選挙やANAの職場紹介、同イベントにも登場するルーク・オザワ氏の航空写真などを日々更新している。前回のファン感謝祭は「いいね!」の100万人突破を記念したものだが、この1年間で約22万強増加し、123万人目前という現況だ。
この羽田空港でのファン感謝祭は、30名の募集に対し約1800名が応募し、60倍という狭き門となったという。そこから選ばれた、10代から60代までの男女比はほぼ半々という幅広い層の参加者が集まった。
イベントは、「空港バックオフィスの見学」「新制服お披露目会」「航空写真家ルーク・オザワ氏トークショー」「ANAスタッフとの記念撮影会&質疑応答」の流れで進められた。
バックオフィスの見学では、運航管理を行うフライトオペレーションセンターへ案内された。ここはパイロットのスケジュール管理や人員配置、フライトプランの確認、パイロットの訓練管理などを行う部署だ。フリーアドレスとなっているオフィスは、パイロット自身がメールチェックなどの日常業務を行う場でもある。
ここでは参加者が2班に分かれ、パズルのようにパイロットの人員配置を行っていることや、高度別に輪切りにされた天気図を表示するディスプレイといった、運航を支えているシステムの説明を受けた。特に当日は、大陸から低気圧がせり出したことで日本海側の天気が大きく荒れており、到着地の気象データを分析して運航条件が決められるなどのリアルな説明を聞くこともできた。
また、説明に当たった社員はオフィスからの眺めについても触れ、夜になるとディズニーランドの花火が見えるという美観についての説明のほか、東京タワーとスカイツリーが見える日は視界がよいと感じるという現場のスタッフらしいコメントも語っていた。
続いて行われたのが「新制服お披露目会」。4月25日に発表された通り、ANAは2015年2月1日より客室乗務員(CA)および旅客係員(地上スタッフ)、ラウンジスタッフの制服を一新する。客室乗務員の制服は2005年に9代目制服がデビューしてから10年ぶりの変更となる。
イベントにはCAの徳山茉里さん、江頭薫さん、旅客スタッフの佐々木奈美さん、河北真貴さんが、それぞれの新制服を着用して参加。新制服についての印象について、CAの2名は「着てみると縦のラインが強調されてきれい」(徳山さん)、「最初は衝撃的だったが、着心地がよく、(オーバーヘッドコンパートメントへ)荷物を入れる動きをする時などに機能が計算されていると感じる」(江頭さん)。
旅客スタッフの2名は、「空港内で長い距離を走ったりすることが多い業務で、一見、体にフィットしているように見えるが、ストレッチ素材なので動きやすい」(佐々木さん)、「汗をかくことが多いが、通気性がよいので汗をかいても大丈夫」(河北さん)と、それぞれコメント。
参加者からCA、旅客スタッフへの質問コーナーでは、「スカーフの青と紫はどのような使い分けなのか」「往復で服は替えるのか」「スカーフの巻き方にルールはあるのか」といった疑問に回答した。
さらに、このスカーフの巻き方講座も実施。これは希望する参加者からじゃんけんに勝ち残った4名が、CA、旅客スタッフの各2名から説明を受けながら、実際に自分の首にスカーフを巻いてみるというもの。CAからスカーフの巻き方をレクチャーしてもらった女性参加者の1人は「客室乗務員に憧れていて、このような機会をもらえて涙が出そう」と声を詰まらせ、貴重な体験に感無量といった様子だった。
昼食を挟み、続いては航空写真家のルーク・オザワ氏によるトークショーが開かれた。オザワ氏は1973年に初めて飛行機に乗って以来、搭乗をすべて記録しており、これまで1730回乗っているという。そして「必ず窓側に乗る。窓側の席が取れないなら次の便に乗る」とのこだわりようだ。
航空写真家としては“情景的航空写真家”と称する通り、情景/風景と飛行機を組み合わせた写真を中心にしている。数年前までは海外へ行っての撮影もしていたが、海外では雨季と乾季がはっきりしていて時季ごとに空の様子があまり変わらないことが多いのに対し、日本は高気圧と低気圧の動きで雲が変化したり、日によって天気が変わったりという面白さがあるとのことで、最近は主に国内で撮影しているという。
そんなオザワ氏のトークショーでは、太陽や月、季節感、羽田空港周辺の風景や富士山と組み合わせた写真、ヘリをチャーターして沖縄上空から撮影した写真を、撮影の過程とあわせて紹介。参加者は美しい写真に歓声や感心のため息をもらしつつ見入っていた。
また、今年の3月に退役したボーイング747の伊丹空港への特別フライトや、熊本空港で行われた遊覧フライトの際や空港周辺の様子、引退フライトの機内の様子を、ボーイング747のラストを見守る大勢のファンに着目した写真を中心に披露した。
このトークショーの最後には、オザワ氏が飛行機内から撮影した場所を当てるクイズや、カレンダーをプレゼントするじゃんけん大会を実施。参加者のほとんどが求めたサインにも快く応じていたほか、先出のCA、旅客スタッフとともに写真を撮れる記念撮影会が実施されるなど、参加者の楽しさが伝わってくる時間が流れてイベントは終了した。