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ANA、国内線の機内販売でSuicaによる支払いサービスを10月1日開始
事前登録しておけばマイルとSuicaポイントが同時に発生
(2014/9/22 17:59)
ANA(全日本空輸)とJR東日本(東日本旅客鉄道)は、10月1日からANAの国内線における機内販売で、JR東日本が発行する電子マネー「Suica」による支払いができるサービスを開始する。また、Suicaは国内の交通系電子マネーと相互利用サービスを行っており、後払い式の「PiTaPa」を除く「PASMO」「Kitaca」「TOICA」「manaca(マナカ)」「ICOCA」「SUGOCA」「nimoca」「はやかけん」の9種類の電子マネーも取り扱い可能になる。
9月22日に開催された共同記者会見では、冒頭で全日本空輸 取締役執行役員の志岐隆史氏、東日本旅客鉄道 常務取締役の高橋眞氏がそれぞれ挨拶。志岐氏は「私どもとJR東日本さんは、いろいろなところで競合することも部分あり、その部分では一生懸命競争していきたいと思っていますが、今回のようにいっしょに新しい企画に取り組める部分については、もっと連携を強くしていきたいと考えております。10年ほど前にスキー人気が低調になったときに、JR東日本さんといっしょに盛り上げようということで、“Suicaのペンギンさんが空を飛ぶ”という形でいっしょにやらせていただきました。今回も久しぶりにSuicaのペンギンさんが空を飛んでくれるというので、大変期待しております」とコメントした。
高橋氏は「Suicaは21世紀に入った2001年から、まず鉄道での利用が開始されました。10年前の2004年から駅ナカや市街地の小売店などで使えるようになってきています。現在では加盟店が26万店、1日の決済件数もピークとなった今年7月に464万件という規模まで発展しています。これまでも空港ではお買い物などに利用していただいていましたが、今回のANA様との提携によって空でも使えるようになります。ペンギンは本来なら陸上でしか活動できない生き物ですが、ANA様という強力なパートナーを得ることで、空の上にも進出することになりました」と紹介している。
「Suicaポイント」と「マイル」が同時に貯まる
具体的なサービス概要については、全日本空輸 商品戦略部 部長の岡功士氏が解説。10月1日から国内線の全路線で開始されるこのサービスは、ANA 国内線で行われている機内販売サービスで、飲み物・スナック類を販売する「ANA My Choice」、さまざまなこだわりのアイテムを販売する「ANA SKY SHOP」の支払いにSuicaなどの交通系電子マネーが利用できるというもの。JR東日本が運営している「Suicaポイントクラブ」に事前登録(無料)している場合、支払い200円ごとに1ポイントの「Suicaポイント」が貯まり、併せてANAのマイレージカードを提示すると、同時にマイルも貯まる仕組みとなっている。同様のサービスは、2013年7月にサービスを開始した「楽天Edy」に続き2例目。交通系電子マネーを国内線機内での支払いに利用するのは日本初となる。
同社では現在20億円程度という機内販売での売り上げのうち、1割となる2億円前後を交通系電子マネーによる決済にシフトさせ、利便性の向上によって売り上げの増加を期待したいとしている。また、政府が推し進めている外国人観光客の増加策においても、慣れない日本円を自分で選んで支払う必要がなく、利便性の高い決済手段を提供することで貢献していきたいとして、JR東日本とも協力して海外からの渡航者に向けてPRしていきたいと語っている。
このほか、共同記者会見ではプレゼンテーションの終了後に、実際に機内でSuicaを使ってみるデモンストレーションも実施された。会場の一角には国内線で使うシートのモックアップを設置。ANAの志岐氏、JR東日本の高橋氏の2人に加え、このデモからゲストとして「Suicaのペンギン」も参加。ANAの客室乗務員(CA)とのやりとりによって、飛行機の機内でSuicaを使うシーンを披露した。