ニュース
夏休み限定の深夜便、ANAギャラクシーフライト運航開始
羽田-沖縄線に、羽田0時発の999便と沖縄4時40分発の1000便を設定
(2014/7/18 08:31)
ANA(全日本空輸)は7月18日0時、夏休み限定の深夜便となるANAギャラクシーフライトの運航を開始した。ANAギャラクシーフライトは、羽田-沖縄(那覇)線に設定され、羽田0時発-沖縄2時30分着のNH999便と、沖縄4時40分発-羽田7時着のNH1000便を用意。7月18日~8月31日の月曜日を除く毎日運航し、機種はボーイング 777-300もしくはボーイング787-8が使用される。初便は、777-300(JA753A)が使用された。
初便運行前には、全日本空輸 上席執行役員 東京空港支店長 加藤勝也氏が挨拶。加藤氏はANAギャラクシーフライトについて、夏に需要の増える羽田-沖縄線の増強のため、従来深夜貨物便として運用していた航空機&時間帯を活かして乗客も乗れるようにしたこと、羽田空港&那覇空港が24時間空港のため両空港のメリットを引き出した路線であることなどを語った。
このANAギャラクシーフライト設定の背景にあるのが、“ジャンボジェット”ことボーイング 747-400の引退と、ヤマト運輸とANA Cargoのパートナーシップに代表される沖縄国際物流ハブの拡大だ。3月31日の747-400引退により、高需要期の提供座席数が減少。7月18日~8月31日は、このANAギャラクシーフライトを含め昼間便を1便増加し、1日10往復から12往復に引き上げた。
ANAは2012年7月より旅客機による貨物便(ベリー便)を羽田-沖縄線の深夜に運航。混雑空港である羽田空港では昼間の便を増やす余裕がないため、もともと運航していた貨物便の時間帯および機材を旅客転用した。貨物搭載量の多い777-300を利用していたために、乗客を乗せることには問題がなかったという。
羽田0時発という深夜時間帯のオペレーションについては、正月の初日の出便などで通常と異なる時間帯での運航実績があり、各種調整などに苦労したものの、それらを活用する形でANAギャラクシーフライトを実現した。
加藤氏は、羽田発0時発の999便については「0時発のため、仕事を終えてから利用できる便。那覇から先島諸島(宮古島や、石垣島など八重山列島を指す)に行くにも那覇発の初便を使える」と紹介。沖縄での時間を有効に使える便とした。一方、沖縄4時40分発の1000便については、「7時に羽田に着くことから若い人などであればそのまま仕事に行けるダイヤ」と紹介。ANAは3月30日の羽田国際線ターミナル拡張にあわせ国際線を増便しており、それらへの乗り継ぎ便としても便利に使えるだろう。
加藤氏は初便の乗客にお礼を述べるとともに、「いってらっしゃいませ」の言葉で挨拶を締めくくり、乗客の搭乗が始まった。初便の乗客には、ANAスタッフからピカチュウのうちわとアイマスクなどをプレゼント。これは深夜便のため、ゆっくり寝れるようにとの配慮もあるのだろう。
初便のANAギャラクシーフライトは、502番ゲートで搭乗受け付けを行い、バスに乗って402番スポットに移動するものだった。ANAによると、ANAギャラクシーフライトは基本的にバスで搭乗する便になるという。これは、402番スポット近辺が貨物を積み込むのに便利な個所にあるためで、貨物便としての側面もあわせもっているからだ。夜のバスによる搭乗は非日常的な風景そのもので、乗客の多くが飛行機と記念写真を撮っていたのが印象的だった。
気になる運賃だが、現在は販売を終了したものの旅割55などでは1万円を切るものもあった。現時点では旅割28を使えば羽田→沖縄の999便で1万3200円~となる。ハイシーズンの沖縄便としては安価なためか売れ行きも好調で、すでに8割の座席が売れているという。いよいよ夏休み本番。沖縄に行く際は、ANAギャラクシーフライトで休日を最大限に活用するのもありだろう。