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2015年シーズンのスーパー耐久シリーズがツインリンクもてぎで開幕

デミオディーゼルなど出場マシンを全車紹介

3月28日~29日 ツインリンクもてぎ

 2015年シーズンのスーパー耐久シリーズ 第1戦がツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で行われた。3月28日予選、29日決勝のスケジュールで、両日ともにドライコンディションの中で戦いが繰り広げられた。

 日本のSUPER GT/GT300クラスをはじめ世界中のさまざまなレースで活躍するFIA-GT3マシンと、それをベースに規定のパーツを組み合わせたマシンで構成されるST-Xクラス(後者はST-X+)など、駆動方式やエンジン排気量の異なる6クラスに分けられたマシンが参戦するスーパー耐久シリーズ。

 最小排気量(1500cc以下)のST-5クラスには2014年にデビューしたホンダ「フィット(フィット3)」に続き、今シーズンは国内レース初のディーゼルターボを搭載したマツダ「デミオ」も参戦し、バラエティに富んだマシンが5時間かけて争う賑やかな開幕戦となった。なお今シーズンはST-1クラスへのエントリーはなく、計4クラスで行われている。

ST-Xクラス

 FIA-GT3マシン(ST-X車両)と、それをベースにスーパー耐久機構が認定したパーツを使用したマシン(ST-X+車両)で争われるのがST-Xクラスだ。

 柳田真孝選手、片岡龍也選手、小林崇志選手、佐々木孝太選手ら数多くのSUPER GTドライバーが名を連ね、激しいバトルを繰り広げるスーパー耐久シリーズのトップカテゴリー。今大会を制したのはENDLESS ADVAN BMWだ。決勝でのベストラップはKSF Direction Racing GT3Rがたたき出した1分53秒271となっている。

優勝したENDLESS ADVAN BMW
2位のスリーボンド日産自動車大学校GT-R
3位のREAF REAL ESTATE KiiVA BMW
4位のARN AMG SLS GT3
5位のAdenau SLS GT3
6位のMACH MAKERS GT-R
KSF Direction Racing GT3R
GTNET ADVAN C-WEST GT-R
ST-Xクラス表彰式

ST-2クラス

 排気量2001~3500cc、スーパー耐久シリーズ唯一の4WDクラス。新旧ランエボとスバル WRXの戦いは、ランサーエボリューションIXのRSオガワADVANランサー(CT9A)が制した。決勝のベストラップは初登場の新型スバルWRX STI(DAMD MOTUL ED WRX STI)の2分05秒103だ。

優勝したRSオガワADVANランサー
2位はDAMD MOTUL ED WRX STI
3位はHASEPRO RACING LANCER EVOLUTION X
4位はGRGランサー EVO X
5位は新菱オートDIXCELエボX
新菱オートD-LanguageエボIX
ST-2クラス表彰式

ST-3クラス

 ST-2クラスと同じく排気量の規定は2001~3500ccだが、こちらは2WDクラス。日産「フェアレディZ」とレクサス「IS350」の戦いだが、今シーズンはレクサス「RC」も参戦予定だ。なお今シーズンよりSUPER GTでもおなじみのSARD Racingが参戦。ドライバーは全日本ジムカーナで6年連続チャンピオンに輝いている柴田優作選手と、SUPER GT GT500クラス参戦中の平手晃平選手というハイレベルな異色コンビだ。

 このクラスを制したのはasset ings テクノ Z34。決勝のベストラップはムータレーシング TWS IS350の2分05秒697だ。

優勝はasset ings テクノ Z34
2位はSARD Racing IS350
3位は岡部自動車KYOSHINマイカーズZ34
4位はムータレーシング TWS IS350
5位は岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34
6位は岡部自動車ZEROSUN195Z34
ST-3クラス表彰式

ST-4クラス

 排気量が1501cc~2000ccのこのクラスは19台ものエントリーがあった超激戦区。最大勢力のトヨタ「86」/スバル「BRZ」、ホンダ「S2000」「インテグラ」「シビック」のVTEC勢に加え、マツダ「ロードスター」やトヨタ「ヴィッツターボ」、フィアット「アバルト695 アセットコルセ」が参戦。

 ドライバー勢もFINA ADVANサントラントBRZにはラリー界から新井敏弘選手が参戦するなど、世界チャンピオンやプロドライバーからアマチュアドライバーまでバラエティに富んだ顔ぶれとなった。

 そんなST-4クラスを制したのは、VTEC勢のウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5。決勝日の午前中に行われたGAZOO Racing86/BRZレースでのアクシデントにより井口卓人選手が不出場になったため、5時間を蒲生尚弥選手、松井孝充選手の2人で戦い抜いたGAZOO Racing SPIRIT 86がそれに続き86/BRZ勢の最上位となり、2分11秒258でこのクラスのベストラップも叩きだした。

優勝はウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5
2位はGAZOO Racing SPIRIT 86
3位は埼玉トヨペットGreenBrave
4位はENDLESS・ADVAN・86
5位はTEAM HERO'S×TRACY SPORTS ings S2000
6位はニールレーシング★SSR★RS-R★亜衣★SEIKO★ネッツトヨタ神戸★SKR
7位はSunOasisAUTOFACTORY86
8位は孚海國際×SPOON S2000
9位はGLORY RACING A-ONE FN2
10位はABARTH 695 ASSETTO CORSE
11位はTC CORSE iRacing ROADSTER
12位はTEAM HERO'S×TRACY SPORTS ings S2000
13位はFINA ADVANサントラントBRZ
14位は恒力技巧 ARS AD86
15位はDIJON Racing エンドレスワコーズ
16位は村上モータースMAZDAロードスター
17位はY's distraction 86
18位はエンドレスアドバントラストヴィッツ
TAKUMI×UEMATSU×SKR S2000
ST-4クラス表彰式

ST-5クラス

 排気量1500以下のクラス。ホンダ フィット、トヨタ ヴィッツ、マツダ デミオと国産メーカーのコンパクトモデルの争いだ。

 ホンダ フィットの速さが際立つこのクラスに、今年はデミオ ディーゼルターボが特認車両として参戦。大会プログラムにはフィット ハイブリッドも参戦との記述もあるが、今大会のエントリーはなかった。今後に期待だ。

優勝はBRP☆J’SRACINGフィット
2位はホンダカーズ野崎with CUSCO&BOMEX FIT
3位はBRP☆J'SRACINGフィット
4位は東伸★RAYS★μ★WAKO'S★Vitz
5位はWAKO'S APP 菅野自動車 Vitz
6位はDXLアラゴスタNOPROデミオSKY-D
ST-5クラス表彰式

華やかなドライバーラインアップ

 さまざまなジャンルのドライバーラインアップがスーパー耐久シリーズの特徴だが、今シーズンは特に華やかだ。アマチュアドライバーに混じりSUPER GT経験のあるドライバーや現役ドライバーを始め、さまざまなジャンルのプロフェッショナルドライバーが数多く参戦した。今回の走行はなかったものの、チューニング雑誌「REVSPEED」の編集長もエントリーリストに名を連ねていた。

SUPER GT GT500ではレクサスRC-Fで戦うSARDと同じカラーリングのレクサスIS。ドライバーはGT500クラスに参戦中の平手晃平選手と、全日本ジムカーナチャンピオンである柴田優作選手という異色コンビ
プロダクションカー世界ラリー選手権で2度のチャンピオンを獲得し、現在スバル「WRX STI」で全日本ラリーにも参戦中の新井敏弘選手は同じスバルの「BRZ」で参戦した
片岡龍也選手、佐々木孝太選手、柳田真孝選手ら多数のSUPER GTドライバーも参戦

デミオディーゼルターボ

 今シーズン注目の1台がデミオ ディーゼルターボだ。本来エコカー的ポジションで世に登場したモデルだけに、レースフィールドではパーツもノウハウも何もない中での参戦だ。室内などは、3月1日に行われた公式テスト時と比べ見た目はレースカーらしい形になってきたが、トップグループについていくだけのスピードはまだ備えていないようだ。だが、ディーゼルターボ車として国内初登場のマシンが、これから戦うごとに成長していく姿は興味深い。

見た目は随分レーシングカーらしくなってきたものの、ノウハウもパーツもないところからスタートするのでトップグループに追いつくには少々時間がかかりそうだ
元々スポーティなデザインのデミオはサーキットでもなかなか似合う。ちなみに排気音は極めて小さく、他のレースカーと較べればまるで無音といってもいいくらい静かだ
実はツインリンクもてぎの施設内では軽油が購入できないので、あらかじめ外のガソリンスタンドで購入してくるとのこと。マシンを運んでくるトラックと同じ燃料なので時にはこんな光景も……

サーキットの華、レースクイーンミニフォトギャラリー

2015年シーズンの開催スケジュール

第2戦:5月23日~24日スポーツランドSUGO(宮城県)
第3戦:7月4日~5日富士スピードウェイ(静岡県)
第4戦:8月1日~2日オートポリス(大分県)
第5戦:9月5日~6日岡山国際サーキット(岡山県)
第6戦:10月24日~25日鈴鹿サーキット(三重県)

(高橋 学)