ニュース

スバル、「フォレスター」大幅改良でブランド初のLEDヘッドライト搭載

アイサイトはver.3に。ドアガラス板厚アップやCVT改良などで静粛性向上

2015年10月28日正式発表

214万9200円~312万8760円

フォレスター 2.0XT EyeSight(アイスシルバー・メタリック)

 スバル(富士重工業)は10月6日、SUV「フォレスター」の大幅改良モデルを公開した。価格は214万9200円~312万8760円。なお、正式発表は10月28日の東京モーターショー2015プレスデーとしている。

モデルエンジン変速機駆動方式価格減税レベル(取得税/重量税)
2.0i水平対向4気筒DOHC 2.0リッター6速MT4WD2,149,200円
CVT(リニアトロニック)2,149,200円40%/25%
2.0i-LCVT(リニアトロニック)2,581,200円40%/25%
2.0i-L EyeSight2,689,200円
X-BREAK2,754,000円
S-Limited2,894,400円
2.0XT EyeSight水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ3,128,760円
フォレスター 2.0i-L EyeSight(ヴェネチアンレッド・パール)

 今回の改良では内外装のデザインを変更したほか、パワートレーンに改良を実施。シャシー面でも各種変更を実施して走行性能を高め、装備ではスバル車で初となる「LED ハイ&ロービームランプ/ステアリング連動ヘッドランプ」を採用。さらに先進運転支援システムの「EyeSight」(アイサイト)は操舵支援機能の「アクティブレーンキープ」も備えるver.3に進化しており、これに車両の側方、後方などをチェックしてドライバーに危険を知らせる「アドバンスドセイフティパッケージ」も追加されている。

 外観ではワイドさとリフトアップ感のアピールによってSUVらしさを強調するため、フロントバンパーを形状変更しつつ、従来はブラックアウトしていた中央部分をボディー同色に変更。ヘッドランプ内のスモールランプをレヴォーグなどと同じコの字型に変えてワイドさを演出している。リアビューではリアコンビネーションランプの灯体内配置を変更。赤く発光する部位を上側に集めてリフトアップテイストとしたほか、ブレーキランプをフロント同様にコの字型としてワイド感を高めた。

 また、純正装着するアルミホイールは17インチ、18インチともにデザインを変更。17インチは燃費向上にも貢献できるよう空力性能を考慮したデザイン、18インチはSUVとしての力強さとシャープなスポーティ感を両立するデザインを採用した。ボディーカラーにはフォレスター専用となる「セピアブロンズ・メタリック」と「ダークブルー・パール」の2色を新設定し、全11色を展開する。

フォレスター X-BREAK(タンジェリンオレンジ・パール)
フォレスター 2.0i(クリスタルホワイト・パール)
フォレスター S-Limited(クリスタルブラック・シリカ)
ヘッドライト内のスモールランプやブレーキランプをコの字型デザインとしてワイドさを演出
17インチホイールは空力性能を考慮したデザインを採用

 インテリアではドアグリップなどの乗員が触れる部分に質感を高めた表皮を使い、加飾パネルをハイグロスブラックに変更してエレガントさを表現。メーターパネルではスピードメーターとタコメーターの指針開始位置を左下から左真横に変更。加飾リングの形状を変更してガラスのスモーク化を行ったほか、メーターパネル中央のマルチインフォメーションディスプレイをカラーTFT液晶パネルに切り替え、アイサイトやSI-DRIVEなど各種情報を表示可能とした。

 パワートレーンでは、自然吸気エンジンで燃焼の改善やフリクションロスの低減などを行い、出力などは変えないまま燃費性能を向上。CVT車のJC08モード燃費を従来型の15.2km/Lから16.0km/Lに引き上げ、エコカー減税を自動車取得税40%軽減、自動車重量税25%軽減に高めている。また、リニアトロニックCVTも改良を実施。走行中の静粛性を向上させたほか、ターボエンジンモデルではオートステップ制御を採用。加速時のダイレクト感を高め、SI-DRIVEの「S#」(スポーツシャープ)モードの8速ステップ変速をクロスレシオ化して、これまで以上にパワーバンドを有効活用できるようにしている。

 シャシー設定ではステアリングのギヤ比を従来の15.5:1から14.0:1に変え、ステアリング操作から車両の動き出しまでの時間を約35%早めた。さらにフロントクロスメンバーの剛性を強化し、リアショックアブソーバーのレバー比を変更。トレーリングリンクブッシュのバネ定数を変えて最適化を図り、ステアリング操作に対する応答性を高めてハンドリング性能を強化したほか、直進安定性による安定感を向上させている。

 足まわりではコイルスプリングのバネ定数やショックアブソーバーの減衰力を最適化し、蠢動部のフリクション安定化などによってしなやかさを追究。路面からの小さな入力でもサスペンションが追従する設定となり、ゴツゴツ感を低減して居住性を向上させた。また、ドアガラスの板厚アップ、シール部品の強化などにより静粛性を高め、車内の居住性を向上させている。

インテリアではメーターパネルのデザインを変更。また、メーカー装着オプションとしてiOSの音声認識機能「Siri Eyes Free(アイズフリー)」に対応する「ハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション」を新採用した
2.0i以外のグレードではリアシートに2段階温度調整機能付きのリアシートヒーターを採用
助手席の前方にシルバーフレームとハイグロスブラック加飾パネルを組み合わせて設定。ドアグリップやインパネセンターピラーなどに触感のよい表皮を設定して上質感を演出している
ver.3に進化したフォレスターのアイサイト。ステレオカメラはスバル車初採用の「アダプティブドライビングビーム」でも利用されている

 スバル車における先進運転支援システムの代名詞であるアイサイトは、車線を認識して操舵支援を行う「アクティブレーンキープ」も備えるver.3に進化。さらにステレオカメラによって車両前方を中心に機能するアイサイトをサポートする「アドバンスドセイフティパッケージ」をメーカー装着オプションに追加した。

「アドバンスドセイフティパッケージ」を選択した場合、「死角検知機能」「車線変更支援」「後退時支援」の3種類で自車の側方や後方に存在する危険性をドライバーにアピールする「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援機能)」が追加される。

 また、スバル車初採用となった「LED ハイ&ロービームランプ/ステアリング連動ヘッドランプ」は、1つのユニットでハイビームとロービームを切り替えて使うバイファンクションプロジェクター。ステアリング操作と連動して進行方向を照らす「ステアリングレスポンシブヘッドライト」(SRH)となっているほか、アイサイトのステレオカメラを利用して対向車や先行車を検知して、ヘッドランプ内に備えたロータリーシェードで無段階の配光変化を行い、ほかの車両に気兼ねすることなくハイビームを使えるようになる「アダプティブドライビングビーム」をスバル車初採用している。

「アダプティブドライビングビーム」ではユニット内に備えた可変シェードを使い、対向車などのいるエリアだけを遮光
「LED ハイ&ロービームランプ/ステアリング連動ヘッドランプ」はステアリングの角度や車速から進行方向を算出。進行方向にヘッドライトを向けて死角を減らしてくれる
「アドバンスドセイフティパッケージ」をオプション装着すると、「死角検知機能」「車線変更支援」などにより、死角や急接近する車両の存在をドアミラーのLEDランプで警告してくれる

(編集部:佐久間 秀)