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トヨタ、「人工知能技術」の研究・開発を強化するため新会社を設立

今後5年間で約10億ドルを投入。米国カリフォルニア州のシリコンバレーに

2015年11月6日発表

 トヨタ自動車は11月6日、米国カリフォルニア州のシリコンバレーに新会社「TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.」(TRI)を2016年1月に設立すると発表した。TRIは人工知能技術の研究・開発の拠点となり、今後5年間で約10億ドルを投入する。

 トヨタでは人工知能技術を「これからの産業技術の基盤を担うとともに、新たな産業を創出すると期待される重要技術」と位置付け、TRIによって人工知能技術に関する研究・開発を加速。人工知能技術をつうじてビッグデータを活用し、これからの社会が直面するさまざまな課題を解決するほか、将来の持続可能なモビリティ社会の実現、誰もが安心して安全・自由に、より豊かに暮らすことができる社会の実現を目指し、革新的な商品の企画・開発を進めるとしている。

 最高経営責任者(CEO)にはトヨタ自動車のExecutive Technical Advisorであるギル・プラット氏が就任。プラット氏は「TRIでは、事故を起こさないクルマ、誰もが移動の自由を享受できるモビリティ、高齢者の尊厳ある老後をサポートするロボットなど、人と協調できる人工知能技術の開発に取り組む。さらには、新材料探索・生産管理システムなど幅広い領域での応用に向けた技術開発を行い、社会に貢献したい」とコメントを表明している。

 このほか、トヨタ自動車 代表取締役社長の豊田章男氏は「私たちが人工知能技術を追求するのは、より豊かな社会を実現するためである。プラット氏をTRIのトップとして迎えたのは、彼が偉大な研究者だからではない。彼の目指すゴールとそこに向かう志が、私たちと同じだと確信したからだ」と述べている。

TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.概要
会社名TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)
所在地米国 カリフォルニア州パロ・アルト
設立時期2016年1月
事業内容人工知能技術に関する先端研究、商品企画
運営予算約10億ドル(2016年~2020年までの設立当初5年間での総額)
社員数約200名規模(予定)

(編集部:佐久間 秀)