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グッドスマイルレーシング、2016年のSUPER GT参戦マシン「メルセデスAMG GT3」をシェイクダウン
筑波サーキットを丸ごと借り切った「初音ミクGTプロジェクトファン感謝祭」で初走行
(2016/2/23 00:00)
- 2016年2月19日 開催
グッドスマイルレーシングは2月19日、茨城県下妻市の筑波サーキットで「初音ミクGTプロジェクトファン感謝祭」を初開催。2016年シーズンにSUPER GTのGT300クラスに参戦する「メルセデスAMG GT3」を公開シェイクダウンを行なった。
SUPER GTのGT300クラスに「GOODSMILE RACING&TeamUKYO」として参戦しているグッドスマイルレーシングは、メルセデス・ベンツ「Mercedes-AMG GT3」をベースとした2016年シーズンの参戦マシン「グッドスマイル 初音ミク AMG」の車体カラーリングを、2月7日に幕張メッセで開催された「ワンダーフェスティバル2016[冬]」で公開。すでにCar Watchでも記事として紹介している。
当初の予定では実際の車両が公開されるはずだったが、ドイツからの空輸中に航空会社のミスから途中で飛行機から降ろされてしまうというトラブルが発生したため、ワンダーフェスティバル当日に車両が日本に到着していないという事態になった。そこで2月13日~14日にイオンモール幕張新都心ACTIVEモールで行なわれたTeamUKYOの発表会の場で、改めて「グッドスマイル 初音ミク AMG」が公開され、次いでシェイクダウン走行が「初音ミクGTプロジェクトファン感謝祭」で実施された。
実はこの2月19日には、岡山国際サーキットでSUPER GTの合同テストが行なわれていたのだが、そちらをパスしてファンミーティングを優先させるところは「ファンと共に走るレーシングチーム」をコンセプトとするグッドスマイルレーシングならではの選択と言える。
当日は7時からホームストレート上で「グッドスマイル 初音ミク AMG」のメディア向け撮影時間を設定。マシンデザインのコンセプトは「不死鳥、勝利、炎」がテーマで、ベースとなるデザインアイデアをCGM型コンテンツ投稿サイトの「ピアプロ」で公募。数百点に及ぶ応募の中から選ばれた作品を、チームのアートディレクターであるコヤマシゲト氏が形にした。そして2016年の「レーシングミク」は、アニメーターの米山舞氏がイラストとして完成させた。
「グッドスマイル 初音ミク AMG」のベースになっているMercedes-AMG GT3は「FIA GT3」の規定に合わせて作られたクルマで、自然吸気のV型8気筒6.3リッターエンジンを搭載している。スタイルにはロードカーの「Mercedes-AMG GT」のイメージが残るものの、エアロダイナミクス向上やタイヤサイズ拡大のため、形状や材質などに大幅な改良が施されている。
朝一番の走行ではエンジンがスタートしないというシェイクダウンらしいトラブルが出てしまった「グッドスマイル 初音ミク AMG」だが、メカニックの手によって無事復旧。スケジュールから遅れはしたが、いよいよコースインとなった。ドライバーは谷口信輝選手が担当。シェイクダウンの走行は5周行なわれたが、その走行フィーリングについてはかなり好印象だったようで、とくにコーナーでの動きのよさについて谷口選手から好意的なコメントが出ていた。レースでの期待値については「BOP(バランス・オブ・パフォーマンス:マシンの性能調整規定)次第だけど期待できる」とのことだった。
さて、このイベントでは「グッドスマイル 初音ミク AMG」のシェイクダウンに加えて、ほかにも多くのプログラムが用意されていた。なかでも注目を集めていたのが同乗走行イベントで、これが実に豪華な内容。コースは4種類あり、最も豪華なものは「初音ミク グッドスマイルBMW スープリーム・エクスペリエンス」。このコースでは、過去にSUPER GTに参戦にしていた「初音ミク グッドスマイルBMW」に取り付けた助手席に同乗するものだが、ただ走るだけではなく、レースさながらの進行まで体験できるという内容。
まずは谷口選手のドライブでピットスタート。そこから2周のレーシングラップを行ない3周目にピットイン。そこでグッドスマイルレーシングのピットクルーによるタイヤ交換作業と片岡龍也選手へのドライバーチェンジが行なわれる。ピットアウトして2周のレーシングラップをさらに体験し、チェッカーフラッグを受けてピットまで戻るという流れで実施される。実際のレースで走行したクルマに乗り、ピット作業まで車内で体感するという経験はきっと刺激的だったに違いない。
このほかにも、小林可夢偉選手がドライブするレクサス「IS F CCS-R」の助手席に乗るコースやタイヤ交換などがない初音ミク グッドスマイルBMW同乗走行、さらに片山右京監督と谷口選手がドライブするワンメイク仕様のトヨタ「86」の助手席同乗といったコースも用意されていた。ちなみに、すべてのコースはチケット販売の開始直後に完売したという。
イベント最後のプログラムとして、「初音ミク グッドスマイルBMW」の2011年モデルと2014年モデル、グッドスマイルレーシングがサポートするRSファインのFIA-F4マシン、そしてワンメイクレース仕様の86の4台による「ドリームレース」が開催された。
参加ドライバーは2011年モデルが谷口選手、2014年モデルが片岡選手、F4は河野選手、86は片山監督が務めた。レースに先駆けて予選を行なったが、GTマシンやF4とのタイム差があまりにも大きい86には、ハンディキャップとして5周レースのところ1周減算の4周でのフィニッシュとなった。グリッド順はタイムが遅い車両が前になるリバースグリッド方式を採用したので86がポールポジションになったが、性能差が大きすぎるためすぐに抜かれてしまう。その後はF4も引き離した2台の「初音ミク グッドスマイルBMW」の接近バトルとなるが、各コーナーをテールスライドさせながら本気で攻めていた片山監督の86を5周以内に捉えることができず、優勝は片山監督の86となった。
このほかにも、メルセデス・ベンツの協力によるMercedes-AMG GTロードカーの同乗試乗やステージでのトークイベント、ドライバーの私物なども含めたプレゼント抽選会などが行なわれ、ファンにとって充実した1日になった。フィナーレでは今期の活躍が宣言され、ファンから大きな拍手がチーム全員に贈られた。